イヴだから楽しい
PS5のアクションゲーム。開発はシフトアップ。
主人公の見た目からして爽快感とスピード感重視のスタイリッシュ系アクションだと勝手に思い込んでいたら敵にボコボコにされた。
敵はしっかり反撃してくるし、攻撃も痛いし、回復の隙も突いてくる。
ガードはあるけどダメージを全カットはしてくれず、更には次第にシールドが削られて被ダメージが大きくなってしまうのでこれに頼り切るという訳にもいかない。
なるほど、敵とやり取りする系のアクションゲームなのね。じゃあちゃんと相手の動きを見るようにしよっと。
敵の攻撃をいなす手段は大きく分けて「パリィ」と「回避」の2つがある。ここで問題になるのが、ちゃんと敵の攻撃を見極めてどちらの選択肢を取るか考える必要があること。
自分は途中まで殆どパリィしか使用せず、ガードやパリィ不可の攻撃だけ回避を使っていたが、中盤以降は敵に押し切られる事が多くなった。
どうも上手いこと立ち回る事ができてない。そこでダッシュして距離を取ったり、パリィだけではなく回避も織り交ぜて立ち位置を変えながら戦ってみると、綺麗に立ち回れるようになった。
要するに、アクションが作り込まれている。ただ敵の攻撃が激しい、被ダメージが大きい、というだけでなく、一辺倒なやり方が通用しないように調整された結果としての歯応えなので、難しさを面白さとして感じ取れる。
コンバットに比重を置いたアクションゲームとしてクオリティが高いのは間違いない。
敵とやり取りする系のアクションなので、コンボの要素は弱い。あるにはあるが簡素的なもので、アクションを組み合わせて一方的に攻撃を続けたり、敵を打ち上げてひたすら空中でボコリ続けるみたいな自由度の高いコンバットはできない。
じゃあひたすら回避と攻撃を繰り返す地味な戦いが繰り広げられるのかと言うとそれは違くて、このゲームはスキル技が強い。
ソウルシリーズの心構えでプレイしていたから大技に頼るという考え方が希薄で途中までは通常攻撃を中心にチマチマ削ってばかりいたが、スキルを使用するためのエネルギーは簡単に溜まっていくので雑にぶっ放していける事に気付いてから一気に楽しくなった。手応えのあるゲームだからこそ、雑に強い技を使って押し込んでいく感触があるのが見た目も派手だし気持ち良い。
エネルギーはパリィや回避を成功させる事によって効率よく溜める事ができるので、自分のプレイスキルの向上によってより雑にゴリ押していけるというのが、派手さと手応えを両立させようとしているステラーブレイドらしいゲームバランスを作り上げている。
また、エネルギーはスキルの他にも使用されていて、例えば回避直後にタイミング良くボタンを押す事で発動できる特別な攻撃や、更にそこから派生して発動する強力な攻撃の時にも消費する。
ここがちょっと意外だったというか、タイミングを問わず発動できるアクションでもないし、コマンド入力も割とシビアなのに、エネルギーを消費するという制約まで入れてくるんだと思った。
途中までまさか制約が存在するとは思ってもなかったので、何でちゃんとボタンを押してるのに発動しないんだとボヤいてたけど、そういう事だった。
なので、エネルギーはすぐ溜まるけど、割とすぐに消費されていく。ここの管理は結構意識させられる。ある程度の制約がある中で上手くメリハリを付けながらアクションをする事が求められる。
制約がないとひたすらカウンターや回避からの派生攻撃という同じ絵面を見続ける事になりそうなので、アクションを一辺倒にしないという意味では良い調整。
ただ、画面の情報がすっごく見にくいのでエネルギーを管理するのが面倒に感じてしまう。エネルギーを示すアイコンがあまりにもスタイリッシュすぎて分かりにくい。敵との戦いそっちのけで、一瞬視線を外さないと把握できないレベル。
でも、引っかかったのは画面の情報くらいかな。あとは手応えがありながら派手さも感じ取れる、ちょっと大雑把なハードコア系アクションゲームとして楽しかった。
他、アクション以外の部分も結構作り込まれている。少し広めの自由に探索できるマップがあったり、しっかり内容が詰まったサブクエストが10個以上用意されていたり、寄り道専用のボスがいたり、ボリュームも本筋だけで20時間近くはある。サブ要素を含めたら40時間以上は余裕で遊べる。
要するに大作ゲームとして求められているものが順当に詰め込まれていると言える。
今の大作ゲームは、要求される最低限の水準が高くて大変だよね。
10年くらい前は、アクションゲームなんてクリアーまで10時間ボリュームがあれば良いレベルで、そこに取って付けたような寄り道要素を少し含んだ程度のものが大作でも殆どだった。
ところが今はメインだけでも最低15時間は必須。サブクエストや探索などの寄り道要素もしっかり作り込まないといけないし、当然映像の水準は上がって細かいところまで描写する必要がある。ステラーブレイドのような完全新規タイトルですら例外ではない。そりゃ開発費が云々という話にもなるよなと思う。
個人的には、技術的なところはどんどん追求していくべきだと思うけど、ボリュームや寄り道は重視してないので今の基準の半分くらいでも良いかなと感じる。むしろ水増し的な内容を加えるくらいならコンパクトにまとめてくれた方がよっぽど良い。
ステラーブレイドに関しては蛇足に感じるところは少なく、しっかり内容が詰め込まれた上でのこのボリュームなので、寄り道も含めて最後までダレることなく楽しめた。
と言うわけでアクションは拘りを感じるし、しっかり作り込みもされているし、大作としてのメジャー感もある。
でも、結局のところ評判の良い要素の良いところ取りなので、何か飛び抜けたものがあるわけではない。ゲーム部分だけを見たら無難にまとまった良作という印象止まり。
にも関わらず、このゲームを遊んでいると何故だか凄く伝わってくるものがある。何だろうこの熱量は。ステラーブレイドには、とてつもないオーラを宿したものが確かに存在する。
オーラの発信源は、主人公の「イヴ」さんです。まぁ凄い。デザインが。表現力が。
動きに合わせて付き纏ってくるやたらと長いポニーテール。スーツから滲み出るピチピチの肉感。曲線を徹底的に強調したナイスすぎるボディ。弾力感みなぎる柔らか味のある肌。プルプルを隠そうともしない逞しく躍動する胸。様々なフェチズムが散りばめられた大量の衣装。
あまりにも制作者の理想が詰め込まれすぎている。そしてそれをPS5のスペックをフル活用して超クオリティで表現している。
はっきり言って、このゲームの主人公がパッとしない見た目だったら、ちょっと手応えのあるアクションだねという感想で終わったと思う。
でも、主人公がイヴだから、このゲームは特別なものになっている。イヴを動かしているから楽しい。イヴが派手なアクションをするからカッコよく決まっている。
確かにリアルさを重視したゲームなら、主人公の見た目も目立たない方が馴染む。でも、ステラーブレイドはそうじゃない。主人公が徹底的にカッコいいアクションを魅せる、そういうゲームだ。だからキャラクターは華があった方が良いに決まってる。
そしてこのゲームは、主人公がこれでもかというほど見栄えてる。それは、ちゃんと理想を詰め込んでいるから。その理想に向かって、批判を恐れずに表現しきろうとしているから。
やっぱり、作り手が見せたいものに対して一途なゲームは、パワーがあるから引き込まれちゃうね。このゲームにおいてそれは、制作者が理想とする女性のプロポーションを表現したいというものだった。
これを下品という一言で切って捨てるのは簡単だけど、主人公のデザインはこのゲームの熱意そのもの。単なるアイコン的なものでなく、尋常ではない拘りとクオリティで作られている。ここまで来たらそれは立派なゲームの「核」だ。その熱量が今作を魅力的なものにしているのは間違いない。
今はエンタメですらも理想を許してくれない時代だが、ステラーブレイドは理想に溢れた、とても真っ直ぐなゲームだった。
PS5のアクションゲーム。開発はシフトアップ。
主人公の見た目からして爽快感とスピード感重視のスタイリッシュ系アクションだと勝手に思い込んでいたら敵にボコボコにされた。
敵はしっかり反撃してくるし、攻撃も痛いし、回復の隙も突いてくる。
ガードはあるけどダメージを全カットはしてくれず、更には次第にシールドが削られて被ダメージが大きくなってしまうのでこれに頼り切るという訳にもいかない。
なるほど、敵とやり取りする系のアクションゲームなのね。じゃあちゃんと相手の動きを見るようにしよっと。
敵の攻撃をいなす手段は大きく分けて「パリィ」と「回避」の2つがある。ここで問題になるのが、ちゃんと敵の攻撃を見極めてどちらの選択肢を取るか考える必要があること。
自分は途中まで殆どパリィしか使用せず、ガードやパリィ不可の攻撃だけ回避を使っていたが、中盤以降は敵に押し切られる事が多くなった。
どうも上手いこと立ち回る事ができてない。そこでダッシュして距離を取ったり、パリィだけではなく回避も織り交ぜて立ち位置を変えながら戦ってみると、綺麗に立ち回れるようになった。
要するに、アクションが作り込まれている。ただ敵の攻撃が激しい、被ダメージが大きい、というだけでなく、一辺倒なやり方が通用しないように調整された結果としての歯応えなので、難しさを面白さとして感じ取れる。
コンバットに比重を置いたアクションゲームとしてクオリティが高いのは間違いない。
敵とやり取りする系のアクションなので、コンボの要素は弱い。あるにはあるが簡素的なもので、アクションを組み合わせて一方的に攻撃を続けたり、敵を打ち上げてひたすら空中でボコリ続けるみたいな自由度の高いコンバットはできない。
じゃあひたすら回避と攻撃を繰り返す地味な戦いが繰り広げられるのかと言うとそれは違くて、このゲームはスキル技が強い。
ソウルシリーズの心構えでプレイしていたから大技に頼るという考え方が希薄で途中までは通常攻撃を中心にチマチマ削ってばかりいたが、スキルを使用するためのエネルギーは簡単に溜まっていくので雑にぶっ放していける事に気付いてから一気に楽しくなった。手応えのあるゲームだからこそ、雑に強い技を使って押し込んでいく感触があるのが見た目も派手だし気持ち良い。
エネルギーはパリィや回避を成功させる事によって効率よく溜める事ができるので、自分のプレイスキルの向上によってより雑にゴリ押していけるというのが、派手さと手応えを両立させようとしているステラーブレイドらしいゲームバランスを作り上げている。
また、エネルギーはスキルの他にも使用されていて、例えば回避直後にタイミング良くボタンを押す事で発動できる特別な攻撃や、更にそこから派生して発動する強力な攻撃の時にも消費する。
ここがちょっと意外だったというか、タイミングを問わず発動できるアクションでもないし、コマンド入力も割とシビアなのに、エネルギーを消費するという制約まで入れてくるんだと思った。
途中までまさか制約が存在するとは思ってもなかったので、何でちゃんとボタンを押してるのに発動しないんだとボヤいてたけど、そういう事だった。
なので、エネルギーはすぐ溜まるけど、割とすぐに消費されていく。ここの管理は結構意識させられる。ある程度の制約がある中で上手くメリハリを付けながらアクションをする事が求められる。
制約がないとひたすらカウンターや回避からの派生攻撃という同じ絵面を見続ける事になりそうなので、アクションを一辺倒にしないという意味では良い調整。
ただ、画面の情報がすっごく見にくいのでエネルギーを管理するのが面倒に感じてしまう。エネルギーを示すアイコンがあまりにもスタイリッシュすぎて分かりにくい。敵との戦いそっちのけで、一瞬視線を外さないと把握できないレベル。
でも、引っかかったのは画面の情報くらいかな。あとは手応えがありながら派手さも感じ取れる、ちょっと大雑把なハードコア系アクションゲームとして楽しかった。
他、アクション以外の部分も結構作り込まれている。少し広めの自由に探索できるマップがあったり、しっかり内容が詰まったサブクエストが10個以上用意されていたり、寄り道専用のボスがいたり、ボリュームも本筋だけで20時間近くはある。サブ要素を含めたら40時間以上は余裕で遊べる。
要するに大作ゲームとして求められているものが順当に詰め込まれていると言える。
今の大作ゲームは、要求される最低限の水準が高くて大変だよね。
10年くらい前は、アクションゲームなんてクリアーまで10時間ボリュームがあれば良いレベルで、そこに取って付けたような寄り道要素を少し含んだ程度のものが大作でも殆どだった。
ところが今はメインだけでも最低15時間は必須。サブクエストや探索などの寄り道要素もしっかり作り込まないといけないし、当然映像の水準は上がって細かいところまで描写する必要がある。ステラーブレイドのような完全新規タイトルですら例外ではない。そりゃ開発費が云々という話にもなるよなと思う。
個人的には、技術的なところはどんどん追求していくべきだと思うけど、ボリュームや寄り道は重視してないので今の基準の半分くらいでも良いかなと感じる。むしろ水増し的な内容を加えるくらいならコンパクトにまとめてくれた方がよっぽど良い。
ステラーブレイドに関しては蛇足に感じるところは少なく、しっかり内容が詰め込まれた上でのこのボリュームなので、寄り道も含めて最後までダレることなく楽しめた。
と言うわけでアクションは拘りを感じるし、しっかり作り込みもされているし、大作としてのメジャー感もある。
でも、結局のところ評判の良い要素の良いところ取りなので、何か飛び抜けたものがあるわけではない。ゲーム部分だけを見たら無難にまとまった良作という印象止まり。
にも関わらず、このゲームを遊んでいると何故だか凄く伝わってくるものがある。何だろうこの熱量は。ステラーブレイドには、とてつもないオーラを宿したものが確かに存在する。
オーラの発信源は、主人公の「イヴ」さんです。まぁ凄い。デザインが。表現力が。
動きに合わせて付き纏ってくるやたらと長いポニーテール。スーツから滲み出るピチピチの肉感。曲線を徹底的に強調したナイスすぎるボディ。弾力感みなぎる柔らか味のある肌。プルプルを隠そうともしない逞しく躍動する胸。様々なフェチズムが散りばめられた大量の衣装。
あまりにも制作者の理想が詰め込まれすぎている。そしてそれをPS5のスペックをフル活用して超クオリティで表現している。
はっきり言って、このゲームの主人公がパッとしない見た目だったら、ちょっと手応えのあるアクションだねという感想で終わったと思う。
でも、主人公がイヴだから、このゲームは特別なものになっている。イヴを動かしているから楽しい。イヴが派手なアクションをするからカッコよく決まっている。
確かにリアルさを重視したゲームなら、主人公の見た目も目立たない方が馴染む。でも、ステラーブレイドはそうじゃない。主人公が徹底的にカッコいいアクションを魅せる、そういうゲームだ。だからキャラクターは華があった方が良いに決まってる。
そしてこのゲームは、主人公がこれでもかというほど見栄えてる。それは、ちゃんと理想を詰め込んでいるから。その理想に向かって、批判を恐れずに表現しきろうとしているから。
やっぱり、作り手が見せたいものに対して一途なゲームは、パワーがあるから引き込まれちゃうね。このゲームにおいてそれは、制作者が理想とする女性のプロポーションを表現したいというものだった。
これを下品という一言で切って捨てるのは簡単だけど、主人公のデザインはこのゲームの熱意そのもの。単なるアイコン的なものでなく、尋常ではない拘りとクオリティで作られている。ここまで来たらそれは立派なゲームの「核」だ。その熱量が今作を魅力的なものにしているのは間違いない。
今はエンタメですらも理想を許してくれない時代だが、ステラーブレイドは理想に溢れた、とても真っ直ぐなゲームだった。
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