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いつもなら時を戻そうとか言って投稿時間を弄って昨年更新したことにしてるけど、別に年内更新に拘る必要もないなと思い直したので、今年はそのままで早速いきます。


5位:【ワイルドハーツ】
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ハンティングゲームのジャンルなのに一人で遊んでも楽しかった。むしろ一人でじっくり遊びたいと思わせるものがあった。
分かりやすい爽快感から試行錯誤の応用性まであるカラクリのシステム、クエスト制から一歩先を進んだシームレスなゲーム進行、何よりもモンスターが見た目通りちゃんと強い。
狩りゲーというジャンルに飽きてるところがあったけど、そんな倦怠感を吹き飛ばしてくれるゲームでした。


4位:【バイオハザードRE:4】
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バイオハザード4のリメイク。久しぶりにアクション盛り盛りのバイオ。
俺にしては珍しく2周したけど、バイオ4はクリアーしたあともっとアクションを楽しみたいという意欲が掻き立てられたね。システム化されたバトルや導線が強いレベルデザインが強調されて程よい「ゲームっぽさ」があり、攻略してる感があったから。
7以降のバイオハザードはリメイク作品も含めて、臨場感に特化したリアリティ重視の路線を続けていたが、今作は久しぶりに敵の頭を撃って怯ませて回し蹴りを喰らわせるというとてもゲームちっくなバイオが楽しめる。

何よりもレオンがわざとらしくカッコいい。敵を蹴りまくるレオン。ナイフ一本でチェーンソーを受け止めるレオン。わざわざ宙返りして攻撃を避けるレオン。全てが様になってる。
それも言ってみれば「リアル」とはかけ離れた表現で、レオンがカッコ良すぎるせいでホラーゲームとしての緊張感が弱いのは否定できないけど、バイオ4とはそういうゲームなのだから仕方ない。レオンがカッコ良ければ、それで良いのだ。
バイオに限らず大作アドベンチャーは臨場感に偏ったものが多い昨今、今作のゲーム感が強い内容は逆に新鮮だった。
ゲームっぽさ、カッコ良さを織り交ぜたケレン味のあるゲーム作りは日本のメーカーが得意とするところであり、どんどんゲームがリアル化する今でも、リアルじゃないところを大事にしたゲームを作り続けてくれるのはとても嬉しいこと。


3位:【Lies of P】
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ピノキオの世界を舞台にしたハードコアアクションゲーム。
ソウルライクという明確に下敷きがあるゲームなのでオリジナリティは薄いけど、まんまと揺さぶられちゃったね、このゲームには。プレイヤーの心理を突いてくるのが凄く上手い。
具体的に言うと、大ダメージのシステム。敵に攻撃を加え続けているとスタッガーと呼ばれる状態になる時があり、その際にチャージ強攻撃をヒットさせれば相手は跪いて必殺技に繋がり、大ダメージを与える事ができる。ダメージ後の硬直時間も含めて体力の半分近くを一気に削り取れるため、ボス戦では重要なダメージソースとなっている。
要するに「SEKIRO」の体幹ゲージと忍殺、「ウォーロン」の氣勢ゲージと絶脈のようなシステムだが、いずれもゲージを削り切ると敵が硬直して「はい、必殺技を決めちゃって下さい!」と待機してくれるのに対し、Pの場合はスタッガーさせてからが大変。

まず、スタッガー状態の間もいつも通り敵は暴れ回っています。
更に、その動きまくる敵に対して「強攻撃のチャージアタック」という恐ろしく出が遅い攻撃を当てる必要があります。
この手順を経て、ようやく敵は硬直して必殺技に繋がるという流れになっている。しかもスタッガーに至るまでの進捗は体幹や氣勢とは違ってゲージなどで視覚化されないので、タイミングをコントロールするのは難しい。
せっかくスタッガー状態にしても、敵が絶賛大暴れ中で指を咥えてるしかないなんてザラにある。無理して攻撃を当てようとして、チャンスのはずがピンチに変わってる事も良くあった。

一つ加えると、スタッガーのチャンスはボス戦中に3、4回ぐらいはあり、そのうち1回、もしくは2回必殺技に繋げれば敵を倒せるバランス調整になっている。つまり、ある程度上手くいかないことが前提のシステムと言える。
だから毎回無理して狙う必要はない。もっと極論を言えば、通常攻撃だけでも一応何とかなるので、リスクを負わずに安全策に徹するという考え方だってある。
それは分かってるけど、心は落ち着いてくれない。スタッガー状態になるやいなや、必殺技しか頭にない自分がいる。
何しろ見返りがデカすぎる。目の前にチャンスがぶら下がってるのに、それを無視する事なんて出来ない。
しかし、チャンスを掴み取るためにはリスクを負う覚悟と見極める冷静さが必要だ。リスクを恐れず前に踏み込む勇気。ちゃんと敵を見て、適切なタイミングで攻撃をする正確性。そして時には、そのチャンスを諦める割り切りも求められる。

そういう熱い駆け引きがこのゲームにはある。ただ敵の攻撃を上手く避けた、カウンターできた、というだけでなく、リスクがある中でどういう選択肢を取るのか、前に踏み込んでいく勇気を持つ事ができるか、という心を揺さぶる感情面も大きく作用した、ドラマチックなバトルがこのゲームでは味わえる。
アクションは「SEKIRO」っぽいし、世界観は「ブラッドボーン」を彷彿とさせ、一つ一つの素材を見ると既視感が強いが、バトルの内面に宿る駆け引きは、間違いなくこのゲームのオリジナリティに成り得ると断言できるほど、プレイヤーにドラマを感じさせてくれるものがあった。

あと、回復薬が切れてもダメージを一定数与えると補給されるという仕組みは、プレイヤーを最後まで諦めさせない素晴らしいアイディアなので、他の同ジャンルでも取り入れて欲しいレベル。


2位:【ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム】
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最初の島。片方のレールが途切れていて、それまで乗っていたトロッコで進む事ができなくなった。
だけど周りには色んなものが落ちている。とりあえずトロッコにフックと扇風機をくっつけて、片側のレールに引っ掛けながら風力の勢いで渡ろうと考えた。
ところが扇風機の力が弱いのか、トロッコは上手く前に進んでくれない。
それならとばかりに風車を3つぐらい付けてパワーを増強。これで大丈夫かと思いきや、今度は風力が強すぎて勢いよく発射したトロッコから弾かれて落ちてしまった。
発想がトロッコに縛られるから良くないんだと思って、そこら辺にある木の板を持ってきてそれを基盤にフックと扇風機をくっ付けて走らせてみるが、今度はバランスが保てずあえなく落下。
そのあと、色々と調整して試行錯誤するも上手く機能してくれず、そうこうしているうちにフックが尽きてしまう。
最終的に俺は、細いレールの上をソロソロと3分くらいかけて歩き、先に進んだのであった。


1位:【ファイナルファンタジー16】
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まぁこれしかない。FF信者の俺が、FF最新作をその年のトップゲームとして選ぶ。あまりにも面白味がないし、予想通りすぎる結果だけど、仕方ない。
だって俺は、ストーリーゲームが好きで、筋の通ったキャラクターが好きで、シネマティックなカッコ良い演出が好きで、派手に盛り上がるバトルが好きで、作り手の想いがハッキリ見えるゲームが好きだから。
ユーザー主観が優先される今の時代でも、スクエニはキャラクターが演じる骨太なストーリーゲームを作ってくれた。このジャンルのファンとして、本当にありがとうと言いたい。

俺の嗜好はゲームのスタイルとして古臭いのは自覚しているけど、FF16は満たしてくれる。ただ条件として満たしているだけでなく、内容としても非常にハイレベルなものに仕上がっている。
まさか、ここまで「リアリティ」に拘ってくるとはね。それは見た目が洋ドラっぽいという事ではなく、複雑な感情と想いを秘めた立体的なキャラ描写による、とても奥行きのある人間を描いた物語になっていた。今までのFFとは全く違う見せ方だけど、そこに対する作り込みが凄かったし、最後までブレずにやり切っていたし、そのやり方だからこそ生まれる感動もあった。
新しい事にチャレンジして、そのコンセプトに向かって筋を通そうとする。単なる過去作品のバージョンアップではなく、そのゲームがやりたい事を最も輝く形で全力で作ろうとする。
その常に前に進もうとする姿勢がFFの素晴らしいところであり、俺がFFに惹かれてやまない理由であり、ただストーリーゲームとしてクオリティが高いだけでなく、作り手が見せたいものに対してとても純粋であろうとするFFらしさが今作でも全面に現れていた。
だから2023年の一番はこれ。このゲーム以外はあり得ない。


・Yata of the year

【ファイナルファンタジー16】
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FF16は、とても押し付けがましいストーリーゲームだった。筋書きのある物語。自分たちの意思で動くキャラクター。やたらと長いカットシーン。一本道のゲーム進行。
決まりきった流れ、固定化されたゲームプレイ。ゲームというメディアはインタラクティブな筈なのに、「こうしないといけない」という縛りが極めて強い。
でも何故だか俺は、「自由度」を重視したゲームよりも、「押し付け」が強いゲームの方が魅力的に見えてしまう。
こういう遊び方もできますよ、こんな終わり方もありますよ、というユーザー自身が楽しみを作り出すゲームらしいインタラクティブ性も好きだけど、
それよりも、「これしか出来ないけど、一点に全力投球したそれを見て欲しいんだ」という作り手の叫びがこだまするあの熱量に心を動かされて仕方ない。召喚獣合戦なんてその熱が究極の形で現れたまさに極致だった。

ストーリーゲームは、押し付けがましい。だからこそ、人がモノを作っていると感じさせられる。見せたいものを見せようとする作り手のピュアな想いは、とてつもない熱量となってゲームに力を与えている。
そしてプレイヤーが主人公として入り込める「ゲーム」という媒体だからこそ、それはより大きく伝わってくる。あの熱量を感じる時が個人的には最も「あぁ、ゲームやってるな」という実感を得られる。だから俺はこのジャンルが好きだ。
FF16は、伝統にも、形式にも、トレンドにも囚われず、ただ物語を輝かせるために、作り手が見せたいものを見せるために、全力を出し切っていた。
ピュアで、真っ直ぐで、押し付けがましい、見せたいものを見せようとする欲望に溢れた、とても人間味のあるゲームだった。

ゲームは、人が作っている。人が作っているから個性が生まれる。個性があるから、好き嫌いによるミスマッチも出て来る。でも、人の想いが込められているからこそ、エンタメは面白い。
俺はあくまでも一個人のプレイヤー視点からしかモノを見ることができないし、これからも一方的な好き嫌いを押し付けて文句を言うだろうけど、ちゃんと心のどこかでゲームに対する敬意を持ち続けていきたいなと思う。