割り切ったオープンワールド
スペースオペラを舞台にしたベセスダの新作オープンワールドRPG。15時間プレイ。
・シームレスよりもゲームバランスに重きを置いた構成
・確かな世界を実感させる圧倒的な情報量
・組織の成り立ち、思想、政治、協調、対立といったバックボーンが表面的ではなく体験として伝わって来る臨場感。様々な組織があって、その結果として社会が成り立っているという事がよく分かる
・ミニマップを画面に表示させることができず(オプションでも設定不可)、良い意味で体験性への拘りを感じる
・メニュー画面のインターフェースが凄く分かりやすい
・都市の作り込みが凄い
・膨大すぎるクエスト
・エイリアンがヤバい敵としてちゃんと演出されている
・ベセスダのオープンワールドゲームなのにバグがあんまりない。10時間以上プレイしてバグでリセットしたのは一度だけ。細かい映像の不良は沢山あるが、どうしようもないバグは音が出なくなった事ぐらい
・惑星と宇宙間の移動はシームレスにできない
・ことあるごとにロードが入る
・ロードを誤魔化す為の工夫もない
・ファストトラベルでの移動が基本で今の所オープンワールド感がない
臨場感という意味で、頻繁にロードが挟まるのが気になる。
惑星と宇宙間での移動だけでなく、都市でもエリアが変わる度にロードが入るし、ちょっとした建物の中に入る時ですら暗転が出る。ゲーム進行も惑星へのワープが中心で、その度に世界が途切れる。
別に長いロードではないけど、少しでも暗転が入るとオープンワールドの説得力は極端に弱くなる。フォールアウトやTESも割とロードが挟まってたが、今作はそれ以上のぶつ切り具合なのでシームレスに繋がった世界という実感は弱く、オープンワールドとしての体験性はイマイチだと言わざるを得ない。
待機時間としてロードが入るのは仕方ないにしても、違和感がないように見せる工夫が欲しい。惑星に突入する時はワープしているような映像を挟むとか、時間かけてシャッター開くようにしたりとか、区画の移動はエレベーターで降りてるように見せるとか。
最近はゲーム中に上手い事ロードを処理して世界が途切れないように見せているタイトルも多い中で、スターフィールドはロード処理時はほぼ例外なく暗転が挟まるので興醒め。
他のゲームなら文句を言うほどの事でもないが、オープンワールドの筆頭メーカーであるベセスダだけにシームレスに見せるという部分は頑張って欲しかった。
ただ、当のベセスダ自身が今作はシームレスという部分を拘ってないように見える。
スターフィールドの世界は実質エリア制に近い。今までのようにシームレスにフィールドを探索して世界を冒険するというよりは、目的の惑星までワープしてちょっと大きなエリアを探索し、ミッションをこなすというぶつ切りのゲーム進行となっている。
オープンワールドという点について、世界観のスケールがネックになっているのは明らか。広大な宇宙のスケールと飽きさせない密度を両立してなおかつ最低限のテンポを実現するというのは確かに途方もない話なので、今のやり方が現実的なのは分かる。
でも、俺はそれぐらいの期待をスターフィールドに抱いてたんだけどね。ベセスダならそんな無茶苦茶な事をやってくれるんじゃないかと思ってた。
実際、「ノーマンズスカイ」というゲームは殆どシームレスで宇宙を冒険できるし。なのでスターフィールドがシームレスという部分で結構極端な割り切りをしていたのは残念だった。
オープンワールドという意味では、ノーマンズスカイの方が圧倒的に臨場感があるのは間違いない。
一方で、スターフィールドは純粋なエンタメ感に長けている。
圧倒的な都市。賑やかなコミュニティ。激しい戦闘。盛り上げてくれるストーリー。多彩なクエスト。そうした王道な楽しさが沢山詰め込まれていた。
エリアっぽい作りなのは悪いばかりでなく、スケールが抑えられている分、ゲーム側がコントロールしやすい。今作はレベルデザインやクエストの演出などユーザーを楽しませることを意識した調整が行き渡っている。
オープンワールドは自由とシームレスが生み出すカオスが楽しいというのは確かにあるが、個人的にプレイヤーに楽しみ方を丸投げしたゲームバランスが苦手なので、ユーザー主観とゲーム側の演出がほど良いバランスで作られた今作は俺のツボにハマった。実際、ずっとやってます。
そして、相変わらず世界観の作り込みが凄い。例えば、宇宙船で務めていたらしいエリート気質のお姉さんがミッションでヘマをしたのか上司からクビ切りを宣告されていて、その様子を道端で見かけた数日後(ゲーム内時間で)、リストラされた彼女がカフェで店員として立ってた時はビックリした。
生活するために次の仕事先としてカフェを選んだと想像できるが、そこら辺にいる一人のNPCがそうした連続性を持って行動しているのが驚きだし、まして何かクエストやイベントやゲームの進展とかそういった取っ掛かりがあったわけでもなく、自然な流れとしてさり気無く行われているので作り込みの深さを実感せずにいられない。またバイトリーダーに怒られて不貞腐れているのを隠そうともしないプライドの高さがやたらとリアル。
細かい部分だけど、こういう所を見せられるとゲームの世界へ没入しやすくなる。
正直オープンワールドとしては思ったような内容ではないが、結局のところシームレスマップというのは世界観の説得力を高めるための一要素に過ぎず、そこが多少欠けても世界の実在感というベセスダの醍醐味は今作でも如何なく発揮されていた。
スペースオペラを舞台にしたベセスダの新作オープンワールドRPG。15時間プレイ。
・シームレスよりもゲームバランスに重きを置いた構成
・確かな世界を実感させる圧倒的な情報量
・組織の成り立ち、思想、政治、協調、対立といったバックボーンが表面的ではなく体験として伝わって来る臨場感。様々な組織があって、その結果として社会が成り立っているという事がよく分かる
・ミニマップを画面に表示させることができず(オプションでも設定不可)、良い意味で体験性への拘りを感じる
・メニュー画面のインターフェースが凄く分かりやすい
・都市の作り込みが凄い
・膨大すぎるクエスト
・エイリアンがヤバい敵としてちゃんと演出されている
・ベセスダのオープンワールドゲームなのにバグがあんまりない。10時間以上プレイしてバグでリセットしたのは一度だけ。細かい映像の不良は沢山あるが、どうしようもないバグは音が出なくなった事ぐらい
・惑星と宇宙間の移動はシームレスにできない
・ことあるごとにロードが入る
・ロードを誤魔化す為の工夫もない
・ファストトラベルでの移動が基本で今の所オープンワールド感がない
臨場感という意味で、頻繁にロードが挟まるのが気になる。
惑星と宇宙間での移動だけでなく、都市でもエリアが変わる度にロードが入るし、ちょっとした建物の中に入る時ですら暗転が出る。ゲーム進行も惑星へのワープが中心で、その度に世界が途切れる。
別に長いロードではないけど、少しでも暗転が入るとオープンワールドの説得力は極端に弱くなる。フォールアウトやTESも割とロードが挟まってたが、今作はそれ以上のぶつ切り具合なのでシームレスに繋がった世界という実感は弱く、オープンワールドとしての体験性はイマイチだと言わざるを得ない。
待機時間としてロードが入るのは仕方ないにしても、違和感がないように見せる工夫が欲しい。惑星に突入する時はワープしているような映像を挟むとか、時間かけてシャッター開くようにしたりとか、区画の移動はエレベーターで降りてるように見せるとか。
最近はゲーム中に上手い事ロードを処理して世界が途切れないように見せているタイトルも多い中で、スターフィールドはロード処理時はほぼ例外なく暗転が挟まるので興醒め。
他のゲームなら文句を言うほどの事でもないが、オープンワールドの筆頭メーカーであるベセスダだけにシームレスに見せるという部分は頑張って欲しかった。
ただ、当のベセスダ自身が今作はシームレスという部分を拘ってないように見える。
スターフィールドの世界は実質エリア制に近い。今までのようにシームレスにフィールドを探索して世界を冒険するというよりは、目的の惑星までワープしてちょっと大きなエリアを探索し、ミッションをこなすというぶつ切りのゲーム進行となっている。
オープンワールドという点について、世界観のスケールがネックになっているのは明らか。広大な宇宙のスケールと飽きさせない密度を両立してなおかつ最低限のテンポを実現するというのは確かに途方もない話なので、今のやり方が現実的なのは分かる。
でも、俺はそれぐらいの期待をスターフィールドに抱いてたんだけどね。ベセスダならそんな無茶苦茶な事をやってくれるんじゃないかと思ってた。
実際、「ノーマンズスカイ」というゲームは殆どシームレスで宇宙を冒険できるし。なのでスターフィールドがシームレスという部分で結構極端な割り切りをしていたのは残念だった。
オープンワールドという意味では、ノーマンズスカイの方が圧倒的に臨場感があるのは間違いない。
一方で、スターフィールドは純粋なエンタメ感に長けている。
圧倒的な都市。賑やかなコミュニティ。激しい戦闘。盛り上げてくれるストーリー。多彩なクエスト。そうした王道な楽しさが沢山詰め込まれていた。
エリアっぽい作りなのは悪いばかりでなく、スケールが抑えられている分、ゲーム側がコントロールしやすい。今作はレベルデザインやクエストの演出などユーザーを楽しませることを意識した調整が行き渡っている。
オープンワールドは自由とシームレスが生み出すカオスが楽しいというのは確かにあるが、個人的にプレイヤーに楽しみ方を丸投げしたゲームバランスが苦手なので、ユーザー主観とゲーム側の演出がほど良いバランスで作られた今作は俺のツボにハマった。実際、ずっとやってます。
そして、相変わらず世界観の作り込みが凄い。例えば、宇宙船で務めていたらしいエリート気質のお姉さんがミッションでヘマをしたのか上司からクビ切りを宣告されていて、その様子を道端で見かけた数日後(ゲーム内時間で)、リストラされた彼女がカフェで店員として立ってた時はビックリした。
生活するために次の仕事先としてカフェを選んだと想像できるが、そこら辺にいる一人のNPCがそうした連続性を持って行動しているのが驚きだし、まして何かクエストやイベントやゲームの進展とかそういった取っ掛かりがあったわけでもなく、自然な流れとしてさり気無く行われているので作り込みの深さを実感せずにいられない。またバイトリーダーに怒られて不貞腐れているのを隠そうともしないプライドの高さがやたらとリアル。
細かい部分だけど、こういう所を見せられるとゲームの世界へ没入しやすくなる。
正直オープンワールドとしては思ったような内容ではないが、結局のところシームレスマップというのは世界観の説得力を高めるための一要素に過ぎず、そこが多少欠けても世界の実在感というベセスダの醍醐味は今作でも如何なく発揮されていた。
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