より面倒くさく、より魅力的になった



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ゼルダの伝説の新作。ブレスオブザワイルドの続編。7時間プレイ。

・モノ同士をくっつけるシステムが面白すぎる

・謎解きの自分で解いてる感が凄い

・周りの環境を観察したり利用する必要があり、冒険している感がめちゃくちゃある

・能力が完全に一新。くっつける、上昇する、動きを巻き戻すなど、いずれも発展性と応用性があって創意工夫できる

・ダンジョンや祠だけでなく、マップの至るところにギミックが散りばめられていて好奇心をくすぐられる

・空、地上、地下とフィールドのスケールが凄い

・自由度を重視しているがイベント性もあるのでゲームを進めている感がちゃんとある

・操作性が凄く良い

・スイッチの割には映像が綺麗

・ことあるごとにクラフトが求められるので結構面倒くさい

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モノ同士をくっ付けるシステムがとにかく面白い。良くある「合成」の要素とは少し違い、文字通りアイテム同士を「くっ付ける」。
例えば、トロッコに扇風機をくっ付けることで走らせる事ができたり、枝に落ちてる石をくっ付ける事で斧になったり。その「くっ付ける」という過程をプログラム的に処理するのではなく、プレイヤーに直に操作させて完了させるのがこのゲームの特徴。
アイテム欄の中で素材を組み合わせて無機質に新しいアイテムを作るというのは良くあるシステムだが、このゲームの場合、プレイヤーの動作としてアイテム同士を組み合わせる表現をさせてくれるので、直感的で分かりやすいし、映像的にも楽しいし、何よりも自分の手で作っているという臨場感がある。

クラフト的な要素は今のゲームシステムの主流だけど、リアルタイムに落ちてるモノ同士を引っ付けて即興的に器具を作り、それを謎解きやバトルに利用するというのは、ありそうでなかったよね。
クラフトはどうしても複雑で分かりにくい面があるが、このゲームでは、如何にも任天堂らしい健康的で直感的なシステムへと昇華されていた。工作している感が凄くあって無邪気な本能を刺激される。
このシステムは、オープンワールドや謎解きとも相性抜群。オープンワールドの中に置いてある色んなモノが有機的に活用できるし、謎解きも自分で解いてる感を高めてくれる。
特に謎解きやギミックにおいては、クラフトを利用すればあらゆる回答を導き出せる気配があり、キッチリと決まった手順でパズルを解くしか道筋がないと行き詰まったらもう良いやとなってしまうけど、泥臭い強引なやり方も許容してくれるので何とかやってやろうという気持ちになる。
逆に可能性がありすぎて見切りを付ける事が難しくなり、正解に近いやり方やルートに目を向ける事ができず見当違いな事ばかりしていた時もあったが、それはそれでゲーム体験を豊かにしてくれるので問題ない。

一方で、クラフト自体は結構面倒くさい。アイテムを探して、持ってきて、位置を調整して、引っ付けて、出来上がったものを設置したい場所に持ってきて、という結構な工程数があり、微調整などの操作もあってサクサクこなすのは難しいのでテンポが悪いのは間違いない。
思えば、前作のブレスオブザワイルドも割と面倒くさいゲームだった。武器がすぐ壊れたり、気温に合わせた料理や装備を用意する必要があったり。しかしそれによって武器がすぐ壊れるから色んな戦術を駆使したり使い分けたりする必要性が生まれていたし、環境に適応するためにあらかじめ準備しておこうという目的意識を持つ事ができた。
オープンワールドは自由な遊びができるシステムであるが、自由だからと言って好き勝手に遊ばせるのではなくちゃんと考える必要があって、結果的にそれがユーザーを能動的にさせて冒険の臨場感に繋がっていた。
ティアーズオブザキングダムでは更にその点を強化。前作の制約的な仕様を引き継ぎながら、更にクラフトによって面倒くさい事になっている。そして面倒くさいからこそ、メリハリがあり、冒険している感がある。どこまで集中力が持つか分からないが、今のところは余裕で楽しさが勝ってる。

映像はハイエンド機で作られる大作ゲームに見劣りするが、にも関わらず、数あるオープンワールドの中でもこのゲームの冒険している感は格別だ。
俺は続編というだけでモチベーションが下がるタチなので正直あんまり期待値は高くなかったけど、今はゲームをプレイしながらワクワクが止まらない。
じゃあ僕は忙しいのでハイラルの地に帰りますね。