リトライというストーリー性



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XboxX.S、XboxOneのアドベンチャーゲーム。開発はNomada Studio。

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疲れた。今日もやっと仕事が終わった。家に帰ろう。

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鍵を忘れた。俺は疲れているのに。

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鍵を探すこと10分。ようやく植木の中に隠してあることを思い出した。

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妻が出迎えてくれた。話があるらしいが、疲れてるからまた後で聞くことにしよう。

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とにかく疲れているので寝る。

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部屋の外が騒がしいと思ったら、警察が来ている。なんで?

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寝ぼけたままぼんやり見ていると妻は手錠で繋がれ地面に押さえ付けられた。そのまま俺も組み伏せられる。全く状況が理解できない。

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理解できないが、このままではヤバい事は分かる。何とか起き上がろうとすると、そのまま殴り付けられた。意識が遠のいていく。

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その瞬間、何かが起きた。家に帰って扉をくぐったその時間に戻っている。

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10分後、また同じように警察を名乗る者がやって来て妻は手錠で繋がれて俺は殴られて意識を失う。

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そしてまた元の場所、時間に戻ってきた。ようやく状況を理解する。疲れは飛んだ。目も覚めた。俺は行動を起こす。

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しかし時間はない。もう数分後にはあいつが来る。とりあえず扉に鍵をかけておく。

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妻に説明して警察を名乗る者が来ても扉を開けないよう警告する。事情が掴めない彼女は訝しんでいたが、何とか納得してくれた。

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襲われた時のために包丁を装備する。これで準備は万全だ。

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10分後、扉は蹴破られ、妻は捕まり、俺は包丁で切り掛かるがあっさり反撃された。なにも変わらなかった。

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良かった、ちゃんとリトライが発動した。あのまま死んだらどうしようかと思った。

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死にたくないのでクローゼットの中に隠れる。

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妻よ、許してくれ。

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あ、見つかっちゃった。

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リトライ。

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死にたくないのでこの家から出ようと思う。妻よ、許してくれ。

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外に出た瞬間、あの時間に戻ってきた。どうやら俺に逃げるという選択肢はないらしい。
しかし相手は屈強な大男。真正面から立ち向かっても勝ち目はない。どうする?

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寝室のスイッチを押すと漏電しているのか火花が散った。危ないなぁ。でもこんな火花程度ではあいつは倒せない。

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洗面台のクローゼットに睡眠薬が。でもあいつに飲食させる隙なんてなかった。

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冷蔵庫にはチョコレートケーキが2つ。こんなもの何の役に立つって言うんだ。

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イライラしても仕方がない。妻が作ってくれたチョコレートケーキでも食べて落ち着こう。一緒に食べようと誘う。

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デザートの前に見せたい物があると言って妻は寝室に何かを取りに行った。
そう言えば大事な話があると言っていたっけ。だいぶ昔の事のように思える。

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いつまで待っても妻は戻って来ない。何をやっているんだろう。俺たちに残された時間は10分もないのに。

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寝室に様子を見に行くと妻は死んでいた。どうやら漏電したスイッチに触ってしまったらしい。

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近くにはプレゼントがあった。特に記念日の心当たりはない。

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中に入っていたのは赤ちゃんの服だった。なにか熱いものが込み上げてくる。

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もう何度目かのリトライ。やり直しという安心感による慢心が無かったと言ったら嘘になる。でも、心を改めた。本気で考える。本気で行動する。そして、絶対にこの危機を乗り越えてみせる。

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皮肉なことに妻の感電死がヒントをくれた。一度目のスイッチは火花が散る程度だが、二度目の入力は大きな電撃を発するようだ。
なのでまずスイッチを付けて、そのあと消しておく。

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しかしスイッチまであいつを誘導する必要がある。なので申し訳ないが妻には動線になって貰う。
洗面台で見つけた睡眠薬を水に溶かし、それを何も知らない彼女に飲ませる。

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睡眠薬は非常に強力ですぐに効いた。妻はベッドで気を失ったように寝込んでいる。

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寝室の扉はわざとらしく開けておいて、俺はそのままクローゼットに入って待機。あとはあいつが来るのを待つ。

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時間通りにやって来て扉を蹴破って入って来た大男は部屋の様子を確認し、妻がベッドに倒れ込んでいる事に気付いて寝室に行った。

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しばらくすると呻き声と共に大きな音が聞こえて、見に行くと大男が倒れていた。
手袋が幸いしたのかこいつは気絶しているだけでまだ生きている。

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銃やらナイフやら物騒なものを持っているので回収しておく。

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念の為、手錠で動きを封じておく。

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男のスマホをチェック。子供がいるらしい。

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気付くと男は立っていた。腕を封じているはずなのに成す術もなく、頭突きを喰らい俺は倒される。

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またここからか。

そんなゲーム。ミニマムな舞台の中にインタラクティブな要素がたくさん詰まっていて、そのギミックの働きや組み合わせによってリアルタイムに進行するルーティーンが多彩な変化を遂げ、自分自身でシーンを作り上げているという臨場感がある。
結局のところゴールまでに特定のパターンを見付けるパズルゲームではあるが、ループという設定によりその繰り返しの過程はストーリーの脚色として昇華されるので、ユーザーのゲームプレイそのものが物語として感じられるまさしくゲームならではのストーリー体験だった。
しかしゲームは面白かったが、起動の成功率が10%にも満たない(オープニングの画面で強制終了する。インストールし直しても改善しない)のはどうかと思う。