控え目なベヨネッタ

スイッチのアクションゲーム。開発はプラチナゲームズ。
色々とヤバい魔女がやらたとスタイリッシュなアクションを繰り広げるベヨネッタシリーズの最新作。
初代の頃のようなアクションの腕試しとプラチナの趣味(アーケードライクなミニゲームがやけに多い)としての側面は大分薄まったが、アクションもスケールもボリュームも順当にパワーアップ。
いつも以上に絶え間なくジェットコースター的な演出が発生したり、多種多様なアクションやイベントやロケーションが盛り込まれていて、とにかく爽快だしバリエーションが多彩だし勢いもあって純粋にプレイヤーを楽しませることに集中した、ゲーム側がグイグイ引っ張ってくれるエンターテイメント大作に仕上がっていた。
難易度は抑えられているが、アクションの楽しさは相変わらず。
ガードの手段を持たず回避に特化したバトルは、アクションとしては瞬間的なボタン操作を求められるリアルタイムの緊張感と駆け引きに満ちているし、映像としても攻防一体の流れるような絵になるアクションシーンを作り出して適当に操作しているだけでもスタイリッシュに動いてくれるのでカッコいい。
回避が綺麗に決まるとご褒美にウィッチタイム(主人公以外の周りがスローモーションになる)が発動して分かりやすく達成感とアクションの大きなリターンを与えてくれるのもまた気持ち良くて病み付きになる。

新要素としては巨大な魔獣を召喚してバトルに参加させられるというものがある。
ダメージが大きいうえにベヨネッタの代わりに戦ってくれるというかなり有効なシステムで、しかも殆ど絶え間なく召喚できるのでこれ一辺倒でアクションが大味になるのでは?と最初は思ったけど、召喚中は主人公が無防備になるという相応のリスクがあるし、派手に見えるがこれでゴリ押しするよりも適度に絡める程度の方がダメージの効率が良い事にも途中から気付いた。
アクションに分かりやすい派手さと爽快感をもたらしながらあくまでも戦略の一つに留まっているバランスがとても良い。

というわけでアクションとしてもアドベンチャーとしても文句なしに面白いが、物足りない。前作と全く同じ不満が今作にもある。またしても主人公であるベヨネッタの魔女っぷりがトーンダウンしていたから。
初代ベヨネッタが発売されたのが13年前。初めて主人公を見た時のインパクトは相当なものだった。
何故か自分の髪を魔力の力で衣装として身に纏っている実質全裸なちょっとヤバい人で、その服に割いた髪のリソースを攻撃に使用するせいでアクションする度に肌が曝け出されているのがあまりにも案の定すぎるし、隙あらばそんなプロポーションを活かしてドヤ顔でセクシーさを発信しているけど一々立ち振る舞いがギャグにしか見えず、でも本人は至って満足気で突然よく分からない言語で奇声を発したかと思えばセクシーなのか何なのか形容し難い奇妙な踊りを舞いながら楽しそうに敵をボコボコにしているのがとても愉快だった。

デザインもポーズも言動も全てにおいて奇天烈で見た目バカっぽいし、やたらとセクシーさをアピールしているけどセンスがズレてるので全然エロくないが、本人はあまりにも自信満々にそれをやってのけるので逆にクールに見えてしまう。まさしく魔女と呼ぶに相応しい異質な存在を体現した最高のキャラクターだった。
そんなベヨネッタさんにフルボッコされるのが天使たち御一行でこれがまた悪役として素晴らしいキャスティング。驕り高ぶりという言葉を具現化したような憎たらしい存在でこちらの神経を逆撫でしてくるのだが、ベヨネッタがこいつらを慈悲なく徹底的にぶちのめしてくれるので俺はとっても笑顔だった。
とにかくベヨネッタを軸に取り巻く世界観が痛快で、個人的に思うシリーズの一番の魅力はここにある。アクション自体のクオリティも高いが、ベヨネッタというキャラクターがバトルを一段も二段も盛り上げて唯一無二のカタルシスを作り出している。
初代ベヨネッタは荒削りな内容ではあるが、オンリーワンのパワーに満ち溢れた素晴らしいゲームだった。

が、続編となる2からベヨネッタのヤバい奴感が消沈。魔性の女という印象は影を潜め普通にセクシーなお姉さんと化していた。
アクションのキレは前作よりも増していたが、常識外れな事ばかりしていたベヨネッタさんが普通の人になってしまったせいで気分が盛り上がらなかった。
今作ではファミ通のインタビューで初代のディレクターである神谷氏が「2で控え目になったと言われたからベヨネッタのいつものキャラクター性を存分に発揮させた」的な事を答えていたから俺は大いに期待していたけど、相変わらず3でもベヨネッタは大人しかった。
2からはベヨネッタの個人的な関係性を掘り下げた真面目なストーリーとなっているので、ヤバい人のままだと話の雰囲気にそぐわないのは分かるけど、もう少し演出はハッチャけて欲しかったな。トドメのシーンとか遠慮しすぎでしょ。もっと容赦なく無慈悲に頭の悪いポーズを決めながら敵におしおきするベヨ姐さんが見たかった。
敵に関しても無機質な機械仕掛けの冷めた連中ばかりで張り合いがない。控え目なベヨネッタのキャラと相まってボタンを押す指に熱がこもらなかった。
エンタメ性とユーザービリティを順当に強化して幅広く受け入れられやすい方向性を突き詰めた、シリーズ最新作らしい完成度を誇る今作だが、一番肝心な部分がパワーダウンしている。
せっかく存在感のあるキャラクターがいて、ただボタンを押して無機質にアクションするだけではない、主人公との一体感がある体験型アクションとして魅力を放っていたのにそこが形骸化しているのは残念。
でもアクションゲームとしては最高に面白いし、勢いのある展開でクリアーまでグイグイ引っ張ってくれるのでアクションが苦手な人にもオススメできる。
あと全体的に演出の内容が控え目だなと思ったけど、明らかにゴジラをモチーフにした魔獣の熱線放射だけは最高にスペクタクルでゲーム中一番テンションが上がった。

スイッチのアクションゲーム。開発はプラチナゲームズ。
色々とヤバい魔女がやらたとスタイリッシュなアクションを繰り広げるベヨネッタシリーズの最新作。
初代の頃のようなアクションの腕試しとプラチナの趣味(アーケードライクなミニゲームがやけに多い)としての側面は大分薄まったが、アクションもスケールもボリュームも順当にパワーアップ。
いつも以上に絶え間なくジェットコースター的な演出が発生したり、多種多様なアクションやイベントやロケーションが盛り込まれていて、とにかく爽快だしバリエーションが多彩だし勢いもあって純粋にプレイヤーを楽しませることに集中した、ゲーム側がグイグイ引っ張ってくれるエンターテイメント大作に仕上がっていた。
難易度は抑えられているが、アクションの楽しさは相変わらず。
ガードの手段を持たず回避に特化したバトルは、アクションとしては瞬間的なボタン操作を求められるリアルタイムの緊張感と駆け引きに満ちているし、映像としても攻防一体の流れるような絵になるアクションシーンを作り出して適当に操作しているだけでもスタイリッシュに動いてくれるのでカッコいい。
回避が綺麗に決まるとご褒美にウィッチタイム(主人公以外の周りがスローモーションになる)が発動して分かりやすく達成感とアクションの大きなリターンを与えてくれるのもまた気持ち良くて病み付きになる。

新要素としては巨大な魔獣を召喚してバトルに参加させられるというものがある。
ダメージが大きいうえにベヨネッタの代わりに戦ってくれるというかなり有効なシステムで、しかも殆ど絶え間なく召喚できるのでこれ一辺倒でアクションが大味になるのでは?と最初は思ったけど、召喚中は主人公が無防備になるという相応のリスクがあるし、派手に見えるがこれでゴリ押しするよりも適度に絡める程度の方がダメージの効率が良い事にも途中から気付いた。
アクションに分かりやすい派手さと爽快感をもたらしながらあくまでも戦略の一つに留まっているバランスがとても良い。

というわけでアクションとしてもアドベンチャーとしても文句なしに面白いが、物足りない。前作と全く同じ不満が今作にもある。またしても主人公であるベヨネッタの魔女っぷりがトーンダウンしていたから。
初代ベヨネッタが発売されたのが13年前。初めて主人公を見た時のインパクトは相当なものだった。
何故か自分の髪を魔力の力で衣装として身に纏っている実質全裸なちょっとヤバい人で、その服に割いた髪のリソースを攻撃に使用するせいでアクションする度に肌が曝け出されているのがあまりにも案の定すぎるし、隙あらばそんなプロポーションを活かしてドヤ顔でセクシーさを発信しているけど一々立ち振る舞いがギャグにしか見えず、でも本人は至って満足気で突然よく分からない言語で奇声を発したかと思えばセクシーなのか何なのか形容し難い奇妙な踊りを舞いながら楽しそうに敵をボコボコにしているのがとても愉快だった。

デザインもポーズも言動も全てにおいて奇天烈で見た目バカっぽいし、やたらとセクシーさをアピールしているけどセンスがズレてるので全然エロくないが、本人はあまりにも自信満々にそれをやってのけるので逆にクールに見えてしまう。まさしく魔女と呼ぶに相応しい異質な存在を体現した最高のキャラクターだった。
そんなベヨネッタさんにフルボッコされるのが天使たち御一行でこれがまた悪役として素晴らしいキャスティング。驕り高ぶりという言葉を具現化したような憎たらしい存在でこちらの神経を逆撫でしてくるのだが、ベヨネッタがこいつらを慈悲なく徹底的にぶちのめしてくれるので俺はとっても笑顔だった。
とにかくベヨネッタを軸に取り巻く世界観が痛快で、個人的に思うシリーズの一番の魅力はここにある。アクション自体のクオリティも高いが、ベヨネッタというキャラクターがバトルを一段も二段も盛り上げて唯一無二のカタルシスを作り出している。
初代ベヨネッタは荒削りな内容ではあるが、オンリーワンのパワーに満ち溢れた素晴らしいゲームだった。

が、続編となる2からベヨネッタのヤバい奴感が消沈。魔性の女という印象は影を潜め普通にセクシーなお姉さんと化していた。
アクションのキレは前作よりも増していたが、常識外れな事ばかりしていたベヨネッタさんが普通の人になってしまったせいで気分が盛り上がらなかった。
今作ではファミ通のインタビューで初代のディレクターである神谷氏が「2で控え目になったと言われたからベヨネッタのいつものキャラクター性を存分に発揮させた」的な事を答えていたから俺は大いに期待していたけど、相変わらず3でもベヨネッタは大人しかった。
2からはベヨネッタの個人的な関係性を掘り下げた真面目なストーリーとなっているので、ヤバい人のままだと話の雰囲気にそぐわないのは分かるけど、もう少し演出はハッチャけて欲しかったな。トドメのシーンとか遠慮しすぎでしょ。もっと容赦なく無慈悲に頭の悪いポーズを決めながら敵におしおきするベヨ姐さんが見たかった。
敵に関しても無機質な機械仕掛けの冷めた連中ばかりで張り合いがない。控え目なベヨネッタのキャラと相まってボタンを押す指に熱がこもらなかった。

せっかく存在感のあるキャラクターがいて、ただボタンを押して無機質にアクションするだけではない、主人公との一体感がある体験型アクションとして魅力を放っていたのにそこが形骸化しているのは残念。
でもアクションゲームとしては最高に面白いし、勢いのある展開でクリアーまでグイグイ引っ張ってくれるのでアクションが苦手な人にもオススメできる。
あと全体的に演出の内容が控え目だなと思ったけど、明らかにゴジラをモチーフにした魔獣の熱線放射だけは最高にスペクタクルでゲーム中一番テンションが上がった。
コメント
コメント一覧 (2)
またゲームしたくなりました。ありがとうございました。
アクションのキレはシリーズが進むにつれて増しているけど表現がマイルドになってしまってるのが残念です。