ゲームっぽい作り



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PS5、XboxX.S。開発はWBゲームモントリオール。バットマンゲームの新作。

・めちゃくちゃ面白かったコンバットが単調化

・めちゃくちゃ面白かったステルスが単調化

・アクションよりRPG重視のゲームバランス

・ファンサービスとしては有りだが、4人の主人公はバットマンの能力を四分割してるだけ

・メインクエスト以外でも色んなヴィランが登場したりして相変わらずオープンワールドは魅力的

・サブクエストが凝ってる

・映像が綺麗

・ストーリーは見所あるけど、字幕が見切れすぎ。読む人の事を全く考えてない

・協力プレイがウリだが部屋をオープンにしても全然人が入って来ない

開始早々にバットマンが死亡。過去作である「アーカム」シリーズは、バットマン一人が主人公を務めていたが(DLCでは他キャラの操作可能)、今作はロビン・ナイトウイング・バットガール・レッドフードの4人を主人公として操作できる。
それによって色んなバットマンファミリーを動かせるという楽しさは勿論あるのだが、ゲームとして見るとバットマンの能力を四分割してそれぞれのキャラに分け与えているだけなので一人のキャラで行えるアクションの底が浅く、コンバットもステルスも恐ろしく単調化している。
特に今まで大変面白かったコンバットがビックリするほどショボくなっていて愕然とした。
キャラの能力が細分化されている以前に、そもそもバトルで重要な要素だったカウンターやガジェットを利用したテクニックなどが削除されていて、アクション性も戦略性も見栄えの良さも大幅に減った何とも魅力がないものになっている。

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特にアクションのシステムが大きく変わっているわけでもないのに出来る事が減っているのでただ劣化しているようにしか見えないのだが、多分、アクションよりも育成の側面を推していきたかったんだろうね。
何しろゴッサムナイツはパラメーターの数字弄りがやたらと強調されている。今までは数種類の装備しか存在しなかったのに、今作は同じ名前の装備でもパラメーターの値が細かく違うだけのものが無数に存在し、装備にMODを装着して更にカスタマイズなんて事も可能。新しい装備をどんどん更新してひたすらパラメーターを上げていくというRPG的な育成システムになっている。
要するにやってることが完全にハクスラなのだが、「4人のキャラクター」「オンラインによる協力プレイ」がこのゲームのウリなので、恐らく長く遊べる作りにしたかったのだろう。同じ事の繰り返しになったとしてもパラメーター強化を目的に延々と遊べるエンドコンテンツ的な回しが出来る作りにしたかったのだろう。
そうなるとアクションよりRPG的なゲームバランスの方が都合が良いのは間違いなく、アクションの奥が深すぎると噛み合わないと判断したのかもしれない。
つまるところ今までのアーカムシリーズはバットマンの魅力を徹底的に掘り下げるという点を重視していたが、今作は育成やオンラインなどゲームっぽさを重視した作りになっている。そこをどう受け止めるかがこのゲームの評価の分かれ目となる。
俺は過剰なパラメーター弄りが嫌いなので、ハクスラを連想するこのゲームのバランスは好きになれなかった。
何より、そういう良くあるゲームっぽさよりもバットマンはバットマンのゲームでしか出来ない事をやって欲しい気持ちが強いので、やっぱりアクションを重視して作って欲しかったな。