熱いストーリー

PS5、PS4、XboxX.S、XboxOneのRPG。開発はバンダイナムコスタジオ。
ようやくテイルズオブアライズをクリアーしました。ちなみに昨年の9月の発売日に買っているので、大分放置していた事になります。
率直に、序盤は楽しくなかった。テイルズ特有のピクニック感というか馴れ合いのせいでストーリーに入って行きにくいし、支配者に対する反乱という流れの見せ方が古典的すぎて陳腐だし、視野が狭すぎるキャラクターの言動に常にイライラさせられるし、戦闘もあんまり好きになれず、トドメにキャンプでのDLC表記が一気に現実を引き戻してきてモチベーション低下に拍車をかける。映像が綺麗なだけで、平凡な日本のRPGだなぁという印象だった。
結局15時間ぐらいで完全にストップがかかり、もう諦めても良いかなと思いながら数ヶ月以上放置していたが、やるゲームが無くなったので年末に再開。そしたら、止まらなくなった。

何故か忘れていました。日本のRPGは、終盤に照準を合わせた反比例曲線のゲーム構造であり、最後まで遊ばないと全く判断出来ないことを。
俺はそんな日本のRPGのストーリー展開が大好きです。具体的に言うと、クライマックスに向けてどんどんヒートアップしていくあの感じが、堪らなく好き。
立ちはだかる強敵。響き渡るキャラの絶叫。恥ずかしげもなく堂々と語る青臭い理想論。やたらと壮大な音楽。ドラマチックな演技で決めてくれるクソ長いムービー。
よく分からない理屈で突拍子もない飛躍を遂げていく壮大な物語を、バトルと演出と音楽とキャラの感情によって細かいことを考えさせずにゴリ押しするテイルズオブアライズのストーリー展開は、まさにこれぞ日本のRPGという熱量で満ち溢れていて、本当に終盤はやめ時が見つからなかった。
これが見たいから、俺は日本のRPGを買い続けていると言っても過言ではない。細かい整合性だとか、ご都合主義だとか、そんなことはどうでも良い。ストーリーのクオリティを求めるならテキストゲームをやってれば良いんだから。
RPGのストーリーで俺が最も重視するのは、熱くなれるか、どうか。
日本のRPGの一本道で演出を重視した物語のスタイルに対して、映画やアニメでやれば充分じゃんという批判は良く聞くが、キャラの感情、音楽、演出、バトルなどのプレイヤーの操作が一体となったゲーム体験は、とてつもない物語の熱を生み出してくれる。
ストーリーの勢いが、ボタンを押す指に伝わる気持ちの昂り。キャラに寄り添い、共に軌跡を歩んで大団円を迎えるドラマの一体感。それは間違いなくロールプレイであり、主人公を操作するゲームという媒体だからこそできるストーリー体験だ。
そう言う意味で、テイルズオブアライズのストーリーは本当に熱い気持ちにさせてくれた。

内容的な側面から見ても、何を伝えたいのかがハッキリしている一貫性のあるストーリーなのは好印象。
最初は人種のレッテルを貼った言動しか出来ない視野が狭すぎるキャラクターにイライラしたが、物語が進むにつれてちゃんと考え方がアップデートしていき、人種や国で一括りにして相手を否定・肯定するのは良くないよという主張に繋げていて、もっと突き詰めると、思考停止せず常に考えて行動し続けろ、というメッセージ性が強調されている。
ストーリーの起伏も大きい。終盤からは予想外すぎる展開が雪崩れ込んで呆気に取られた。よく分からない理屈をこねくり回してくるので中々理解しにくいが、良くも悪くも日本のRPGらしいスケールのあるサプライズを見せてくれる。
その展開にしてもただ風呂敷を広げているだけではなく、アライズの世界の情勢を上手いこと比喩した表現になっていたし、何よりメッセージ性も高まっていてストーリーとしてかなり良い方向に働いていた。
序盤が微妙だったことと、キャラがあんまり好きになれないというところはあるが、ストーリーについては基本的に満足。

戦闘は、難しい。難易度ノーマルでやってたけど、何回も行き詰まった。
手に汗握る感じがストーリーの熱を高めてくれるので、バトルの歯応えはストーリー体験における重要な要素だが、問題は、このゲームの戦闘が個人的に好きになれなかったこと。
テイルズの戦闘と言えば、スキルにそこまで個性がないので使い分ける必要がなく、ひたすら技を繋げていくアクション性を押し出したバトルだが、今作はその方向性がシステムとして明確化されていて、絶え間なく攻撃を当て続けるほど恩恵が得られるという仕組みになっている。
個人的に、今作に限らず、テイルズの戦闘のその方向性があんまり好きじゃない。強気に押し倒せるのは楽で良いけど、敵とやり取りしている感じがあまり無いから。
技の種類はめちゃくちゃ多いし、仲間の切り替えもできるが、それを使い分けるメリットが感じ取りにくい。面倒だから主人公でひたすらボタン連打していれば良いやとなりがち。
そう言う意味では、「テイルズオブエクシリア」のリンクアーツのシステムは、敵やシチュエーションごとに戦い方を切り替える必要があるという事を分かりやすく提示してくれるシステムで面白かったね。
今作も「ブーストアタック」という特定の状況で特に効果を発揮するという似たようなシステムがあるけど、これがイマイチ使い辛くてリンクアーツほど気持ち良く戦術性が感じ取れるものではなかった。
ただ、難易度が高いこともあって、今回はゴリ押しだけでは済まない。
難しい一番の理由は、回復に対する制約が強いこと。
今作はCPというパーティー全体で共有するマジックポイントみたいなものがあり、特定のスキルを使うことで消費するのだが、特に回復系のスキルは漏れなくこのCPを使うので、これが尽きると全ての仲間が一切の回復スキルが使用できなくなる。
もちろん道具でHPやCPを回復することは可能だけど、有用な回復アイテムは中々道中で手に入らないし、お店で売っている分もかなりの高額で設定されていて簡単にゲットできるものではない。特にCP回復のアイテムはめちゃくちゃ高い。
RPGの戦闘で良く見るパターンとして、工夫しなくてもひたすら道具をガブ飲みしていれば何とかなるというのがあり、テイルズはまさにその典型だったが、今作はアイテムのバランスに関してキッチリと調整が施されていて一筋縄ではいかなくなっている。
道具のガブ飲みは楽なだけで面白い遊び方ではないので良い調整だけど、このゲームバランスによって俺もテイルズの戦闘システムと向き合わざるを得なくなった。でも、やっぱり馴染めなかったというのが正直な感想。
結局レベルを上げまくって何とかクリアーできた。

最初は1ヶ月以上かけてようやくボスを2人倒せたというレベルでスローペースだったけど、最後は12時間ぶっ続けて終わりまで突っ走った。
日本のRPGの推進力を思い知りました。ストーリーの盛り上がりを感じながらゲームを進めていく感覚は、本当に心地が良い。
どうしてもストーリー主体のゲームは序盤から中盤が退屈になりがちだし、今回はそれが原因で俺も投げ出しそうになったけど、クライマックスのカタルシスは何にも変え難い感動がある。
エンディングで余韻に浸りながら、やっぱり日本のRPGは良いなと思いました。

PS5、PS4、XboxX.S、XboxOneのRPG。開発はバンダイナムコスタジオ。
ようやくテイルズオブアライズをクリアーしました。ちなみに昨年の9月の発売日に買っているので、大分放置していた事になります。
率直に、序盤は楽しくなかった。テイルズ特有のピクニック感というか馴れ合いのせいでストーリーに入って行きにくいし、支配者に対する反乱という流れの見せ方が古典的すぎて陳腐だし、視野が狭すぎるキャラクターの言動に常にイライラさせられるし、戦闘もあんまり好きになれず、トドメにキャンプでのDLC表記が一気に現実を引き戻してきてモチベーション低下に拍車をかける。映像が綺麗なだけで、平凡な日本のRPGだなぁという印象だった。
結局15時間ぐらいで完全にストップがかかり、もう諦めても良いかなと思いながら数ヶ月以上放置していたが、やるゲームが無くなったので年末に再開。そしたら、止まらなくなった。

何故か忘れていました。日本のRPGは、終盤に照準を合わせた反比例曲線のゲーム構造であり、最後まで遊ばないと全く判断出来ないことを。
俺はそんな日本のRPGのストーリー展開が大好きです。具体的に言うと、クライマックスに向けてどんどんヒートアップしていくあの感じが、堪らなく好き。
立ちはだかる強敵。響き渡るキャラの絶叫。恥ずかしげもなく堂々と語る青臭い理想論。やたらと壮大な音楽。ドラマチックな演技で決めてくれるクソ長いムービー。
よく分からない理屈で突拍子もない飛躍を遂げていく壮大な物語を、バトルと演出と音楽とキャラの感情によって細かいことを考えさせずにゴリ押しするテイルズオブアライズのストーリー展開は、まさにこれぞ日本のRPGという熱量で満ち溢れていて、本当に終盤はやめ時が見つからなかった。
これが見たいから、俺は日本のRPGを買い続けていると言っても過言ではない。細かい整合性だとか、ご都合主義だとか、そんなことはどうでも良い。ストーリーのクオリティを求めるならテキストゲームをやってれば良いんだから。
RPGのストーリーで俺が最も重視するのは、熱くなれるか、どうか。
日本のRPGの一本道で演出を重視した物語のスタイルに対して、映画やアニメでやれば充分じゃんという批判は良く聞くが、キャラの感情、音楽、演出、バトルなどのプレイヤーの操作が一体となったゲーム体験は、とてつもない物語の熱を生み出してくれる。
ストーリーの勢いが、ボタンを押す指に伝わる気持ちの昂り。キャラに寄り添い、共に軌跡を歩んで大団円を迎えるドラマの一体感。それは間違いなくロールプレイであり、主人公を操作するゲームという媒体だからこそできるストーリー体験だ。
そう言う意味で、テイルズオブアライズのストーリーは本当に熱い気持ちにさせてくれた。

内容的な側面から見ても、何を伝えたいのかがハッキリしている一貫性のあるストーリーなのは好印象。
最初は人種のレッテルを貼った言動しか出来ない視野が狭すぎるキャラクターにイライラしたが、物語が進むにつれてちゃんと考え方がアップデートしていき、人種や国で一括りにして相手を否定・肯定するのは良くないよという主張に繋げていて、もっと突き詰めると、思考停止せず常に考えて行動し続けろ、というメッセージ性が強調されている。
ストーリーの起伏も大きい。終盤からは予想外すぎる展開が雪崩れ込んで呆気に取られた。よく分からない理屈をこねくり回してくるので中々理解しにくいが、良くも悪くも日本のRPGらしいスケールのあるサプライズを見せてくれる。
その展開にしてもただ風呂敷を広げているだけではなく、アライズの世界の情勢を上手いこと比喩した表現になっていたし、何よりメッセージ性も高まっていてストーリーとしてかなり良い方向に働いていた。
序盤が微妙だったことと、キャラがあんまり好きになれないというところはあるが、ストーリーについては基本的に満足。

戦闘は、難しい。難易度ノーマルでやってたけど、何回も行き詰まった。
手に汗握る感じがストーリーの熱を高めてくれるので、バトルの歯応えはストーリー体験における重要な要素だが、問題は、このゲームの戦闘が個人的に好きになれなかったこと。
テイルズの戦闘と言えば、スキルにそこまで個性がないので使い分ける必要がなく、ひたすら技を繋げていくアクション性を押し出したバトルだが、今作はその方向性がシステムとして明確化されていて、絶え間なく攻撃を当て続けるほど恩恵が得られるという仕組みになっている。
個人的に、今作に限らず、テイルズの戦闘のその方向性があんまり好きじゃない。強気に押し倒せるのは楽で良いけど、敵とやり取りしている感じがあまり無いから。
技の種類はめちゃくちゃ多いし、仲間の切り替えもできるが、それを使い分けるメリットが感じ取りにくい。面倒だから主人公でひたすらボタン連打していれば良いやとなりがち。
そう言う意味では、「テイルズオブエクシリア」のリンクアーツのシステムは、敵やシチュエーションごとに戦い方を切り替える必要があるという事を分かりやすく提示してくれるシステムで面白かったね。
今作も「ブーストアタック」という特定の状況で特に効果を発揮するという似たようなシステムがあるけど、これがイマイチ使い辛くてリンクアーツほど気持ち良く戦術性が感じ取れるものではなかった。
ただ、難易度が高いこともあって、今回はゴリ押しだけでは済まない。
難しい一番の理由は、回復に対する制約が強いこと。
今作はCPというパーティー全体で共有するマジックポイントみたいなものがあり、特定のスキルを使うことで消費するのだが、特に回復系のスキルは漏れなくこのCPを使うので、これが尽きると全ての仲間が一切の回復スキルが使用できなくなる。
もちろん道具でHPやCPを回復することは可能だけど、有用な回復アイテムは中々道中で手に入らないし、お店で売っている分もかなりの高額で設定されていて簡単にゲットできるものではない。特にCP回復のアイテムはめちゃくちゃ高い。
RPGの戦闘で良く見るパターンとして、工夫しなくてもひたすら道具をガブ飲みしていれば何とかなるというのがあり、テイルズはまさにその典型だったが、今作はアイテムのバランスに関してキッチリと調整が施されていて一筋縄ではいかなくなっている。
道具のガブ飲みは楽なだけで面白い遊び方ではないので良い調整だけど、このゲームバランスによって俺もテイルズの戦闘システムと向き合わざるを得なくなった。でも、やっぱり馴染めなかったというのが正直な感想。
結局レベルを上げまくって何とかクリアーできた。

最初は1ヶ月以上かけてようやくボスを2人倒せたというレベルでスローペースだったけど、最後は12時間ぶっ続けて終わりまで突っ走った。
日本のRPGの推進力を思い知りました。ストーリーの盛り上がりを感じながらゲームを進めていく感覚は、本当に心地が良い。
どうしてもストーリー主体のゲームは序盤から中盤が退屈になりがちだし、今回はそれが原因で俺も投げ出しそうになったけど、クライマックスのカタルシスは何にも変え難い感動がある。
エンディングで余韻に浸りながら、やっぱり日本のRPGは良いなと思いました。
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