ゲームは程々に



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"バーチャドール・リグレットの歌を聞いた人々は、「リドゥ」と呼ばれる仮想世界に取り込まれた。そこは彼らの過去の後悔を精算した理想的な世界であり、人々は素晴らしい日常を謳歌していた。
しかしある日、一部の人間はそこが偽りの世界であることに気が付く。彼らは帰宅部を結成し、現実への帰還を目指した。"

PS4とスイッチのRPG。開発はヒストリア。

・現実から目を背けようとする人の心境を現した世界観がユニーク

・個人的なコンプレックスに踏み込んでいくストーリーが面白い

・前作よりも学生らしい日常感がある

・敵の目的がどいつもこいつも馬鹿馬鹿しくて個人的で現実的で切ない

・将来の攻撃を予測できる戦闘システムは戦略的だし、上手く決まると華麗なコンボや回避が出来て楽しい

・前作は運任せな所があったが、待機時間をチャラにしてくれるシステムが追加された事でより計算的に将来のアクションに対応できるようになった

・いちいち動きを止められる戦闘システムなのでテンポは悪い

・戦闘に入るとBGMがボーカル有の音楽に切り替わる演出が良い

・音楽に合わせて歌詞が流れたり背景が移り変わる演出がとても良い

・クレーマーの対処や先生と生徒の恋愛など、現実感のあるサブクエストが面白い

・前作から割とガッツリ繋がっている

・映像がショボい

・ダンジョンが長ったらしくて面倒くさい

・ボスがめちゃくちゃ硬い。プレイ時間の4分の1はボス戦(俺がレベル上げしてないだけ)

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端的に言うと、お前ら引きこもってないで現実で頑張れというストーリーだった。
心にダメージを負った人間が集う仮想世界「リドゥ」。ようやく癒しの場を見つけた人々に対し、主人公たちは「ここ現実じゃないから。逃げるな。向き合え。仕事しろ」と追い込む。鬼畜である。
主人公パーティーに追い詰められる人たちが可哀想に見えて仕方ないが、エンタメだけど夢を見せないのがカリギュラというゲームのポリシー。
お前らには現実があって、そこで地に足を付けて頑張っていく義務があるんだ。ゲームとか趣味は程々にしろよ。というメッセージを涙を流しながら発信している。

ただそうは言いながらも、敵である「楽士」の「現実から逃げて何が悪いんだ」という主張も真に迫っていて共感を誘ってくる。
主人公たちは正論を言い放つが、彼らは折れない。戦いに負けても曲がらない。正しさも勝敗も関係ない。そこに縋るしかない追い詰められた人間の矜恃を感じる。

このゲームの良いところは、どちら側にも寄り添っていること。
0か100かなんていう、絶対の正しいを決めようとしない。立場や見方で正しさは変わる。優先順位は人それぞれ違う。
常識や規範から外れていてもその人の中では正しいこともある。
誰もが100%の悪だと断言するような行いでも、それを徹底的に掘り下げてみれば、80%に緩和されることだってあるかもしれない。
一面だけ見ても、答えは出ない。この世に簡単に答えを割り出せるものなんてない。答えを決め付けようとしないこのゲームの姿勢が俺は気に入った。
そして答えがないからこそ、自分を信じろ。という結論の付け方が、とても良いなと思った。

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前作よりもキツい印象がある新作だった。
現実逃避なんてさせてくれないし、答えもはっきり教えてくれないし、聞きたくないような事もいっぱい言ってくるし、相変わらず気持ちの良い内容では無い。
でも、最終的にはほんのちょっとだけ前向きになれる、そんなゲームでした。