今年もゲームは楽しかった



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いつも通り年を越してしまったので時をかけて昨年更新したことにする。
あんまり時間がないので今年は軽めに。映像作品の項目はカットで、ゲームだけでいきます。


・5位『サイバーパンク2077』CD PROJECT RED/スパイクチュンソフト

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作り込みが凄い。それに尽きる。
結局のところ大作ゲーム、特にオープンワールドのジャンルは、如何にして物量を詰め込むか、というところがゲームの良し悪しに直結するわけだが、このゲームは他のAAAと呼ばれる大規模ゲームの3倍は作り込まれている。だから面白い。
何か目新しいことをやってるわけじゃないし、アクションも平凡だし、他のオープンワールドと大きな違いがあるわけでもないが、ただ一点、作り込みが凄い。
本当に細かいところまで情報の連鎖が発生し、それがゲーム体験として現れるようになっていて、様々な組織、人間、ガジェット、テクノロジー、倫理が渾然一体となったナイトシティのパワーには圧倒されるものがある。
何回も発売日直前での延期を繰り返し、あげくコンシューマー版はメーカーが返金受け付けの対応をするほど動作不良が起こっているので、相当に無茶をしていることが分かるが、それを全て仕方ないと思えるほどこのゲームからは大作としての「凄み」を感じた。
オープンワールドゲームには珍しく、演出をふんだんに取り入れてドラマチックに盛り上げてくれるのもこのゲームの特徴で、ストーリーゲームが好きな俺としても大満足だった。


・4位『アウトワード』nine dots studio/DMM GAMES

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睡眠や食事、気候などに気を遣った体調管理、厳しい重量制限。お金は貴重で、回復アイテムも簡単には手に入らない。魔法は強力だが単体では機能せず、特定の順番で唱えたり、魔法陣を組み合わせることで初めて効果を発揮。レベルの概念がないので能力の上限は制限されており、スキルも取捨選択が求められる。マップは広いがファストトラベルは存在せず、地図を見ても目的地はおろか現在地すら表示されない。極め付けに死ぬと拠点まで戻されたり持ち物が無くなったりするという強烈なリスクがある。
このゲームは、死ぬことが本当に怖い。しかもありとあらゆる角度からプレイヤーを死に誘ってくる。
だから必死になる。一つ一つの行動に慎重になる。少しの金に執着し、一つのポーションに神が宿っているような有り難みを感じる。あらゆる敵、環境がとてつもない恐怖に感じられる。ダンジョンの奥で手に入る強力な武器に大きな喜びを見出せる。
アウトワードは確かに面倒くさいゲームだ。だから、面白い。面倒くさいサバイバル調整は、戦闘や冒険、育成、お金集め、アイテムのやり繰りといったRPG体験をとても印象的なものにしている。
こういうリアルな冒険ができるRPGを、俺はずっとやりたかった。


・3位『ラストオブアス パート2』ノーティードッグ/SIE

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〈このゲームは物語に触れないと感想が書けないのでネタバレします。〉

初代ラストオブアスの最後、主人公であるジョエルは、菌が蔓延してパンデミックに陥った世界の人々を救えるワクチンと、「エリー」という旅を共にしてきた一人の少女の命を天秤にかけて、後者を選んだ。
それは、とてもラストオブアスというゲームらしい選択だったと思う。パンデミックにより安定は失われ、死が日常となった世界。人々は「生きるため」という大義名分を掲げ、平気で残酷なことをしてみせる。
ラストオブアスとは、誰もが自分を正しいと思い込み、それを過剰な形で叩きつける、「一方的な正義」が蔓延した世界であるが、それを究極に表現したのが、最後のジョエルの選択だった。

ラストオブアス パート2は、そんな「個人の正義」を清算するための物語である。
普通に考えれば、ジョエルの行動は全世界の人間を敵に回す程の身勝手極まりないものであるが、それを前作は個人の正義として肯定していた。
しかし、今作はそういう個人的すぎる正義を賛美なんかしない。今回は、「エリー」と「アビー」、ぶつかり合う2人の主人公それぞれの視点で物語が進み、主人公が切り替わることで明確に善悪の捉え方が変わる。
2つの価値観の正義がぶつかり合うが、物語はどちらにも肩入れしない。前作のメインキャラクターであるエリーのことも平気で突き放す。それぞれに理由があり、主張があり、正義があるんだよという極めてフェアな見せ方をしている。
ある意味でそれは、前作のジョエルの他者をなりふり構わない一方的な行いを断罪するものでもある。

しかし今作の素晴らしいところは、個人の正義を決して否定している訳ではないこと。むしろ「理解」しようとしている。
エリーは、最終的にジョエルを殺したアビーを許す。果てしない復讐劇の末に、アビーが単なる非情な殺人鬼でないことを理解したから。
アビーは、自分の正義に従って、ジョエルを殺した。それは、ジョエルが自分の正義に従ってエリーを助けるために多くの人間を犠牲にしたことと、本質的には同じ。エリーには、アビーとジョエルの姿が重なったはずだ。
彼女を許さないということは、ジョエルを許さない、ということでもある。エリーは彼が生きている間に、自分を救うために多くの人間を犠牲にしたジョエルを許すことができなかった。アビーを許すことで、エリーはついにジョエルも許したのだろう。

物語というのは基本的に一人の主人公を特別扱いし、その人の思想や感情を正義として持ち上げ、肯定し、救いを見出そうとするけど、今作はバランスの取れた視点で捉えることで、個人というものを断罪し、同時に受け入れている。
確かにそれは物語的なカタルシスには欠けるけど、そうした構成によって生まれたエリーの許しは、ジョエルも含めた「個人の正義」を受け入れ、ラストオブアスの残酷で悲しい世界を清算していた。
今作を持って、シリーズのテーマに対する素晴らしい決着を付けたと思う。


・2位『サブノーティカ』Unknown World Entertainment/PLAYISM

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薄く、広く。とにかく色んなゲームを遊びたいというのが俺のゲームオタクとしての主義だけど、そんなこと言いながら歳を重ねるにつれ、新しいゲームへの興味が段々と薄れつつある。
自分のゲームの趣向というのが凝り固まってしまい、そこから少しでもズレてしまうと中々前に進むことができない。サブノーティカも最初はそうだった。
ストーリーは殆どないし、アクション性は低いし、倒すべき強敵もいないし、魅力的なキャラも出て来ないし、斬新なシステムがあるわけでもなく、ゴールもぼんやりしていてハッキリ見えない。
端的に言うと、俺は「派手」なゲームが好きなのだが、サブノーティカは尽くそうした要素がとりのぞかれた、凄く「地味」なゲームだった。いつもの俺なら間違いなく途中で投げている。

サブノーティカは「サバイバル体験」をコンセプトにしたゲームで、リアル感というものを凄く大切にしている。
しかしそうしたゲームというのは、現実っぽさを追求するあまり、インターフェースが分かりにくかったり、演出が薄くて盛り上がりに欠けたり、シミュレーター的な行動を求めてきて面倒くさかったりする。
そういうコンセプトなので理にはかなっているけど、面倒くさいうえにゲーム側から引っ張ってくれることもないので、とにかく楽しむためには気力が求められる。
俺はリアルなゲームは好きなので結構この手のジャンルはやったりするけど、どうしてもそれがしんどくなって途中でやめてしまうことが多かった。
だけど、サブノーティカは違った。このゲームが素晴らしいのは、ただリアルさをプレイヤーに強いているだけではないこと。ゲームがやりたいことを押し通すために、プレイヤーに寄り添っている。
目的を見失わないようにさり気無く誘導したり、リアリティによる疲弊を抑えるために分かりやすさとシンプルな作りを重視していたり、常に興味を持ち続けられるよう随所で大きな展開を作ったり。
説明もせず、何も与えず、プレイヤーを突き放して「自分自身の手で生き抜いてね」と無茶振りしているが、放任されているように見えて実はその裏で徹底的な調整が施されている。
しかもその配慮は決してあざとく目立つことはなく、あくまでもさり気無くユーザーをゴールまで導いているのだから凄い。
大抵の場合、ユーザービリティというのはリアル感を壊してしまうものだが、このゲームはそれが世界観のリアリティとして溶け込んでいる。だからプレイヤーは、自分の手で発見した、達成したと思い込み、充実感を得ることができる。

サブノーティカは、ゲームの鑑のような作品だよ。サバイバルという強固なエゴを込めているが、そこで独りよがりになることなく、コンセプトを理解して貰えるようプレイヤーに寄り添い、そしてその調整は世界観のリアリティに溶け込んでいるという。
結局のところゲーム作りというのは、制作者の拘りとユーザービリティの兼ね合いだと思うけど、多くのゲームがそのバランス取りに苦戦している中、それを高いレベルで両立しているのだから本当に凄い。

サブノーティカのおかげで、俺にはまだまだ新しいゲームが遊べる好奇心と集中力があるんだと気付くことができた。これからもどんどん新作を買っていきたい。


・1位『ファイナルファンタジー7 リメイク』スクウェアエニックス

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面白さがどうとか、RPGとしてどうとか、FFというシリーズはそんなちっぽけな物差しで測るゲームではない。FFは、ロマン。FFは、夢を見せてくれるゲームなんだから。
最近のFFでは幻想しか感じ取れなかったが、7リメイクは「FFが、本当にやりたかったこと」があまりにも巨大な形で表現されていて、本当に嬉しかった。
7リメイクが完結したら、夢が形になると本気で思った。


軽く書こうとしても、どうしても止まらなくなるのが俺の性。
そんなyatasanに来年も付き合って下さいね。