来た


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今日の朝5時から配信されたPS5の映像イベントを生で見てたけど、開始5分でPS5のことが頭から吹き飛んだ。


俺ほどの信者になると最初の瞳が映し出された時点でFFのゲームであるという判別が付いてしまうが、そのあとのスクウェアエニックスというロゴで疑問は自信に変わり、いつものテーマが流れて自信は確信に変わる。
あとはナンバリングかどうかが重要で、途中までは絵柄の雰囲気からFF14の追加コンテンツのようにも思えたけど、最後に16の数字が明らかになった。

開発はスクエニの第三事業部。プロデューサーは吉田氏。ディレクターは高井氏。
すなわちオンラインのFF14スタッフが中心になって制作しているのでMMOなのでは?という不安もあったが、スクエニのプレスリリースによる商品概要欄ではプレイ人数が「1人」となっていた。
リメイクでもなく、MMOでもない。待ちに待った16がついに来た。

PVを見てまず思ったのは、キャラデザイン薄くね?ということ。
FF14と同じ人がデザイナーな気がするが、あれと同じく個性を際立たせない薄味のデザイン。映像のテイストも心なしかのっぺりしているように見える。正直、全員がモブキャラに見えて仕方ない。主人公ですら印象が弱い。
キャラを軸にした体験を展開するのがFFというゲームなので、このデザインから推測するに今作はストーリーもキャラクターも自己主張控え目の、ゲームプレイ重視のFFになるんじゃないかと思う。
FF13は徹底したストーリー主義のゲームデザインとなっていた。FF15はストーリー重視のヴェルサスのコンセプトを引き継いだけど、途中でオープンワールドの波に逆らえず取り入れた結果、ストーリーもゲームプレイもどっち付かずのチグハグな内容になった。
近年のFFはストーリーへの拘りが災いして不評を買う傾向にあったので、その背景からしてもストーリーの比重を下げる可能性は高いと思う。


うーん、だとしたら正直残念だね。やっぱり俺はキャラの魅力をゴリゴリに引き立てたFFが好きだから。
PVを見てもあまり「FFナンバリングきた!うおおおおおお!!!!」という気分になれず。
足りないよ、カッコ良さが。PVからして地味だもん。召喚獣のどアップで迫力を作っているけどありきたりというか、FF15の時のような「このゲームでしか絶対に拝めない」という強い絵が見当たらない。
キャラだけでなく、演出やストーリーも主張が控え目。もっとカッコ良く、ドラマチックに見せて欲しいという気持ちが収まらなかった。
だってFFはストーリーゲーだもん。そしてそのストーリーはキャラが演じてるんだもん。FFは「キャラ主観」のゲームなのに、そこを抑えるような作りになっているのが気に入らない。
何より残念なのが、今作のFFは迎合しているようにしか見えないこと。
MMOというユーザーの意見を取り入れることが強く求められるジャンルを長年取り扱っていたスタッフ達が今作の中心なこともあって、時代に合わせて、ユーザーの需要に合わせて、というところを強く意識しているように見える。
純ファンタジーを重視した世界観や、未だに多くのユーザーのFF像にある「クリスタル」をキーワードに置いているのは必然の結果だろう。
FFというゲームに強く現れていた「今までのFFにないものを見せたい」というチャレンジ精神は今のところ感じ取れない。正直「普通の大作RPG」にしか見えなかった。

やっぱりFFの精神性を作っていたのは、北瀬氏、鳥山氏、野村氏といった面子によるところが大きかったんだなと思う。
彼らのエゴが強く現れたFFは新作が出る度に賛否両論を巻き起こしていたが、誰も見たことが無いようなとてつもないゲームを作りたいという野心と、批判を恐れずに自分達の信じる面白さを表現しようとする信念は、間違いなくゲームの魅力に繋がっていた。
失敗が許されない大作というジャンルにも関わらず、ロマンを追い求め、技術と金を惜しみなく注ぎ込んでスタッフの夢を形にしようとするのがFFというゲームの素晴らしいところだ。
今作もたった4分間の映像しか明らかにされておらず、まだまだ全貌は分からない。文句ばかりだったけど、待望のナンバリング最新作。当然期待しないわけが無い。
別にストーリー重視でなくても良い。王道を貫いた内容でも構わない。でも、大作ゲームの継ぎはぎではなく、自分たちのやりたいことをやりきったFFになっていることを願う。