手加減なし




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PS4とXbox oneの一人称シューティングゲーム。開発はidソフトウェア。

・前作のドゥームの簡単なおさらい
アーマースーツを纏った寡黙な男が悪魔をひたすらなぎ倒すゲーム。
基本的に四方から敵が現れるので立ち止まることは死を意味する。また敵に一定ダメージを与えて近付くことでグローリーキルという体術を仕掛けて体力や弾薬の回復ができるので、そういう意味でも走り回ることが推奨される。
他のFPSと違って細かい照準合わせは求められないし、リロードという概念すらない。コソコソと隠れながら戦うのではなく、悪魔の群れに突っ込んで血で血を洗う大暴れを繰り広げる。とにかく勢いのままに攻めて攻めて攻めまくる、そんなゲーム。

おさらい終わり。そんなドゥームが超絶パワーアップして帰って来た。具体的に言うと、難易度がとてつもないパワーアップを遂げていた。
俺は難易度選択ができるゲームを遊ぶとき、基本的にノーマルに相当する難しさを選択するんだけど、そこからしてこのゲームは不穏な空気が漂っていた。
だってさぁ、一番上の「死ぬには若すぎる」という難易度の次がいきなり「手加減無用」なんだもん。それ難易度ハードとかで使うワードだろ。
その時はあまり気にせずにいつも通り上から二番目の難易度がノーマルという法則に従って俺は手加減無用を選んだけど、今思えばそれが悪夢の始まりだった。手加減無用は、文字通りの意味だった。
死ぬ。死にまくる。嘘だろおい。確かに前作も手応えはあったけど、そこまで難しさが印象に残る程では無かった。まして俺は前作を経験しているわけでこのゲームにおいて全くのルーキーではない。どういう戦い方をすれば良いかちゃんと分かっている。
なのに圧倒されている。真正面からぶつかって敗北している。愕然とした。
基本的にドゥームは狭いエリア内でひたすら敵のウェーブを凌ぐというアリーナ形式の戦闘だけど、中ボス級の敵がアホみたいに出てくる。一度に5体以上大型の悪魔が出て来るとかザラにある。
それは前作でもあったことだけど、今作は悪魔毎に弱点が明確に設定されていてそれに沿った戦い方をしないと中々倒れてくれないので、火力でゴリ押すということが出来ない。
そう、そこが前作とは違う最大のポイント。今作は勢いだけでは突破できない。凄まじい勢いで悪魔が突っ込んで来る極限状態の中で頭をフル回転させる必要がある。武器の特性や悪魔の相性や地形やリソースなど、その場の状況に合わせて効果的な立ち回りを駆使しないと勝てない。
しかし武器は9種類もあり、更に多くの武器にMODという特殊兵装が2種類備わっているので、銃火器だけで20以上の攻撃手段が存在する。
加えて2種類のグレネード、火炎放射、チェーンソー、ブラッドパンチと、コントローラーのボタンの限界まで戦術が詰め込まれていてプレイヤーが取れるアクションの幅がめちゃくちゃ広い。そしてそれをフルに活用しないと勝てない難易度になっている。
スローテンポなゲームならまだしも、待った無しのスピードで突っ込んでくる悪魔を相手にしながら立ち回りを考えなければいけないので、本当にめちゃくちゃ難しい。だから、めちゃくちゃ楽しい。
このゲームをプレイしている間は全ての雑念が消える。他の事を考えている余裕なんて一切ない。火事場の馬鹿力という言葉があるけど、ドゥームをプレイしている時はずっとそんな気分になる。追い込まれた限界の自分を引きずり出している感覚がある。
難しいゲームは今までもたくさんプレイしてきたが、ドゥームは高難度に加えて特有のスピード感と攻めの姿勢がある。それが極限状態を演出する。
バリエーションの幅は狭く、同じ事の繰り返しではあったけど、それも気にならない。最大集中にまで引きずり込んでくれるこのゲームのアクションは最高に面白かった。

容赦が無いのはバトルだけじゃない。謎解きやアスレチック、シークレット要素など、あらゆる要素で手加減がなく、本気のプレイを求めてくる。
いやさ、こういうゲームって大体パズルやアスレチックアクションは箸休め的な要素で収まってるものじゃん。なのにこのゲームは全く休ませる気がないもんな。バトルで心が擦り減っているプレイヤーに更なる追い討ちをしてくる。
終盤のアスレチックとかヤバかったな。コンマのタイミングでボタン入力が求められてバトル以上に精神がすり減った。
スピーディなアクションとは打って変わって勢いを止められるので、ゲームのテンポを乱している感は強くあるし、俺もかなりイライラしたけど、終わってみればそれも含めてこのゲームの精神性を現していて良かったかなと思う。
ドゥーム エターナルはプレイヤーと本気の真剣勝負がしたかったのだろう。バトルもパズルもアスレチックも一切の容赦が無い。本気でぶつかってこないと弾き返すぞというプレッシャーが全体を包んでいる。プレイヤーに与えられた唯一の逃げ場は「死ぬには若すぎる」の難易度選択だけ。

難易度を下げずにこのゲームをクリアーできたのは誇って良いよね。救済措置のダメージを軽減するアーマーも使わなかったし。
ドゥーム エターナルは本気で打ち込むことができる素晴らしいアクションゲームだった。