勢いがある




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PS4とXbox oneのアクションアドベンチャーゲーム。開発はカプコン。

4時間26分47秒。それがリザルトに記録されたこのゲームのクリアータイム。
あっという間に終わった。確かにボリュームは少ない。でも、このゲームのスピード感には目を見張るものがある。
前作のリメイク2は警察署を中心に、同じ場所を繰り返し探索したり複雑な謎解きがあったりと、深く掘り下げて作られた狭いエリアの中をじっくり攻略していくというスタイルだったが、今作はラクーンシティの街中をダッシュで横断する羽目になる。
エリア自体は前作よりも遥かに広いが、パズルも探索も程々に簡略化されテンポ良く進むので、次々と景色が変わっていく。
バイオと言えば少ない弾薬のやり繰りを求められるサバイバル感がゲーム性の要。しかし今作はステップ回避というアクションがあるので弾が尽きてもある程度は何とかなり、とにかく前に進もうぜ!という気分になった。
一方でゾンビは前作以上に粘っこさが増していた。撃っても撃ってもにじり寄って来る。バイオ4みたいに頭とか脚を撃ったら確実に怯むみたいな機械的な動きをリメイクバイオのゾンビはしてくれない。最後の最後まで諦めずにプレイヤーを食おうとしてくる。倒れてもまだ起き上がってくる。息の根が止まってさえ尚もたれかかってくる。
実にゾンビらしい粘っこい習性を表現出来ている。本当に最後まで油断のならない存在でただの一匹でも気が抜けなかった。

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しかし、そんなゾンビ以上にしつこい奴が今作には登場する。大型生物兵器「ネメシス」である。
いわゆるバイオお馴染みのタイラントだが、今作はこいつが最初から最後までずーっと粘着してくる。倒しても倒しても蘇る。瓦礫の下敷きにしても炎で丸こげにしても水に沈めても酸で溶かしてもまだ死なない。この粘り強さはまさにゾンビの究極体。執念の生命力でジルを追い回してくる。
今作のコンセプトを象徴しているのは言うまでもなくこいつ。前作は探索やパズルが中心でゆったりとしたゲームテンポだったが、今作はネメシスによるプレッシャーがゲーム全体を包み込む。
迫り来るネメシス。逃げるジル。この構図は切迫感と緊張感に満ちていて、テンポを生み出し、スピード感を作っていた。
その追いかけっこにしても前作のバイオRE2みたいにマップ全体を使って行われるのではなく、特定のシチュエーションで限定的なアクションで繰り広げられるため、演出的な側面が強くゲーム性は薄いが、そこを犠牲にしても今作は「勢い」という流れを重視しているわけだ。
バイオと言えば最後はロケランでラスボスを吹っ飛ばすのがお約束だけど、ネメシスがあまりにも執拗だっただけに、最後の一撃は今までより100倍気分爽快だったね。
緊張感からの解放。バイオの醍醐味であるが、今作はそれをとても大きく伝えてくれる。

バイオ2のリメイクからたった1年と数ヶ月で発売されたので、内容は殆ど変わらないんだろうなぁとあまり期待してなかったが、思いもよらぬ方向性で今作ならではの面白さに満ちていた。
5時間もあれば終わるが、クリアー後の要素も殆どない。前作みたいに複数の主人公視点が用意されているわけではないし、セカンドストーリーやスコアアタックというモードも存在しない。結構本格的なオンライン対戦はあるが、シングルで遊べるものは限られている。
でも、それぐらいあっさりしているのもこのゲームらしくて良いかなと思う。
ボリュームの大きさというのはやはり魅力なのでゲームはそこを少しでも増やそうとするが、今作は逆にコンパクトにコンパクトにまとめようとしている。
ネメシスを綺麗さっぱり吹き飛ばして潔く終わる。それがバイオ3というゲームなのだろう。