コードヴェインはクリアーされたい




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PS4とXboxoneのアクションRPG。開発はバンダイナムコとシフト。

俺はダークソウル大好き人間なので、「あーこれダークソウルっぽいなー」と思ったものは大体手を出している。
ダークソウルっぽいと言うのも具体的な基準があるわけじゃなく自分の感覚的な話になるけど、難易度が高くてマップが入り組んでいて探索要素が強そうなアクションゲームは自動的にダークソウルっぽいなーと脳内変換されてやりたくなる。
最近はソウルライクとカテゴリー化され、開発者も積極的にソウルシリーズを参考にしてますと言ってくれるので分かりやすい。
俺が今まで手を出したソウルライクのゲームとしては、仁王。ロードオブザフォールン。ソウルアンドサンクチュアリ。サージ。
でも、ロードオブザフォールン以外は全部クリアー出来てません。フォールンにしても面白いとは思えなかった。
どうしてもソウルシリーズを至高の存在として位置付け、それと比べながら遊んでいるのは否めない。
良くないね。どんなゲームも参考にしてるものはあっても最終的にはそのゲームにしかないものを目指して作られているんだから、単純に比較するのはナンセンスだ。
そんな中でこのコードヴェイン。これも開発者がソウルシリーズを参考にしたと公言している歴としたソウルライクゲームである。
いつものように俺は「あ、これダークソウルっぽい」と察して買った。
最初は気分が乗らなくてこれも途中で諦めそうになったが、途中からのめり込んで一気にクリアーした。このゲーム独自の魅力があり、それが面白かった。

このゲームが目指しているものは何か。俺は、誰もがクリアーできるダークソウル、だと思ってる。
具体的に言うと、ソウルシリーズなら一周クリアーするまでに少なくとも200回は死ぬけど、このゲームは20回くらいしかゲームオーバーにならなかった。
フロムのハードコアアクション含め、ソウルライクと呼ばれるゲームは、オンラインやレベルやスキルなどある程度の緩さは備えつつも、根底にあるのは「クリアーできるものならやってみろ」という挑戦的な姿勢であり、それがゲームに色濃く現れている。
しかしこのゲームは、ソウルライクという体裁を取っていながら、如何にしてプレイヤーが諦めずにクリアーできるようにするか、という意図が根底にある。それが他の同ジャンルとの最大の違いだ。
特に、このゲームの特徴である常に仲間が冒険を共にしてくれるバディシステムはコンセプトの象徴と言って良い。
ソウルシリーズでオンラインをやった事がある人なら分かると思うけど、このジャンルにおいて仲間の有り難みは計り知れない。
単純に敵の注意が分散するのが大きい。一対多数に持ち込まれると走馬灯が見えるが、仲間がいれば囲まれてリンチされるという危険性が激減する。
単純計算で火力は倍なので硬い敵も押し切れるし、アイテムや魔法でサポートをしてくれることもある。
どんなゲームも協力プレイをすれば楽になるのは道理だが、基本的に難しいソウル系のゲームは仲間の有り難さを身に染みて実感することができる。結局のところソウルシリーズも仲間を引き連れていれば楽にクリアーできた。
しかし、ダークソウルでは特定の場面を除きオンラインを使わなければ仲間を呼ぶことが出来なかった。
今どきゲームでオンラインは当たり前の要素であるが、どうしても他人と遊ぶのは気が引けるという人もいるだろうし、そもそもネット環境が無かったり、PSプラスに加入してなかったり、ということもあるだろう。俺みたいに、オンラインなんてズルじゃんと意固地になって使わない人もいるはず。
しかしコードヴェインはNPCが勝手に仲間になってくれる。ネット環境もPSプラスも必要ない。他のプレイヤーに気を使う必要もない。仲間を前提として作られているので、俺もすんなり受け入れられた。
しかもこの仲間、めっちゃ強い。ガンガン攻撃してくれるし、スキルも使ってくれる。こちらが手を出すまでは静観してくれるのも有り難い。
特に凄いのがプレイヤーの体力が尽きると蘇生させてくれること。初めてその光景を見た時はなにが起きたのか分からなかった。まさかハードコアを謳っているはずのこのゲームでこんな仕様があるとは夢にも思わなかったから。
しかも蘇生は仲間の体力を消費して使用するので、回復さえすれば何回でも生き返らせてくれる。その回復も仲間が自分でアイテムを使って勝手にやってくれる。あまりにも有能すぎる。
流石に一度蘇生するとクールダウンが発生するので連発はできないし、できるタイミングなのにやってくれない時もあるが、それにしてもこの仕様は温すぎる。
この蘇生によって突発的な死は殆どリカバリーされる。だけどそれはこのジャンルの面白さを否定してるとしか思えない。
やっぱりさ、ビクビクしたいじゃん。初見殺しのトラップや敵の反則的な攻撃や嫌らしい不意打ちとかにさ。何が起きるか分からないから慎重になるし、失敗したとき反省するし、集中してその世界にどっぷり浸ることができる。でもこのゲームはそれが無い。意表を突かれた死に怯えなくて良い、というのはあまりにも緊張感がなさすぎて死にゲーとしては物足りない。落下死だけはリカバリーできないけど。
そういうわけで、仲間は火力があるし、囮になってくれるし、何より蘇生のサポートが極めて強力。
ソウルライク最強の救済措置である協力プレイを半強制的なシステムとして取り入れ、それを大前提として作られているところに、このゲームの強い姿勢が伺い知れる。

次に、スキルがめちゃくちゃ強い。ワンボタン押すだけで凄まじいコンボを叩き込んでくれる。
ダークソウルは一対多数になると途端に窮地に陥るが、このゲームはそんな状況でも余裕である。スキルで簡単に薙ぎ払えるから。範囲は広いし、火力もある。基本的にスキルを決めている間は敵も怯みっぱなし。
スキルは使用するとクールダウンさせなきゃいけないが、最大8個まで装備できるから気にならない。問題は冥血というストックを消費しないと使えないことだが、これは後述する。
このゲームにおいて細かいヒットアンドアウェイなんか必要ない。とにかく如何にスキルで押し通すか。これが大事である。仲間の存在もあって、バトルは基本的にゴリ押しで何とかなる。
このゲームバランスもコードヴェインのゲーム思想が如実に反映されていると言える。

更にプレイヤーにクリアーして欲しいという姿勢が表れているのが、レベルによるパラメータの上昇が固定であること。
ダークソウルは大量の能力値があって、どれを上げてどういうキャラに育てるかはプレイヤー次第という作りになっていた。
裏を返せばそれはプレイヤーが間違った育成をする可能性もあるということで、成長のさせ方によって難易度に大きく影響するのだが、コードヴェインは能力の上昇が固定で決められているためその心配が無い。
じゃあ誰がやっても同じキャラになるかと言うとそうではなく、ブラッドコードと呼ばれるジョブみたいなものがあり、これがスキルや能力に大きな影響を与えるのでここにプレイヤーの選択の余地がある。
このブラッドコードに、スキルや装備を使用するのに必要な腕力や器用と言った能力値、装備許容量、冥血ストック(MPのようなもの)などが紐付いているので、むしろレベルで上昇する能力値よりも重要。
しかもこのブラッドコード、いつでもメニューから付け替えが可能。脳筋や回避特化、遠距離重視、サポート専用など、キャラの性格をすぐに切り替えることができる。そのためあらゆる種類のビルドを掛け持ちできるわけだ。
これは中々大胆なアイディアだと思ったが、ブラッドコードを切り替える度に許容量に合わせて装備を変更する必要があるのがめちゃくちゃ面倒だった。どうせならブラッドコード毎に装備を紐付けられるようにして欲しい。結局サクサク感があまりなかった。
ブラッドコードにはそれぞれスキルがあるが、それを使い続けることでどのブラッドコードでも装備できるようになるのはとても良い。
おかげで色んなブラッドコードを使ってみようという気持ちになれた。大量のスキルを解放して自分だけのビルドを作り上げるのは面白い。
もちろん何でも自由に出来るわけではなく、スキルや装備は特定の能力値がないと使用することができないし、許容量にも気を使わないといけないので、その辺りの兼ね合いを考えながらカスタマイズする必要がある。
でもこれが楽しい。上手いこと全てを兼ね備えた優等生ビルドみたいなものが作れないようになっていて、先へ進む度にあれも足りないこれも足りないとなって色々と試行錯誤させられた。

言ってみればこのゲームは、仲間とスキルでゴリ押しするゲームである。
とにかく仲間とスキルがめちゃくちゃ強い。押して押して押し通せる。
ソウルシリーズと違ってパラメータ上昇は固定で育成の選択を間違えることはないのでレベルが上がる毎に確実に強くなるし、蘇生システムのおかげでミスをしてもリカバリーしてくれる。
このゲームは確かに難しい。敵はそれなりに強いし、数も多い。マップも嫌らしい。ハードコアな部分は確かに存在する。
だけど、このゲームは執念を感じるほどに「クリアーして欲しい」という思いが全面に出ており、それがゲーム全体を包んでいる。
ダークソウルは、オンラインを除いて考えれば、クリアーするには少なからずプレイヤーのテクニックとセンスが問われる部分があった。ただ何も考えずに遊んで攻略できるゲームではなかった。
しかしコードヴェインは適当に遊んでいてもいつかは何とかなる。ゲームがクリアーまで導いてくれる。そこの緩さをどう捉えるかによってこのゲームの印象は大きく変わる。

じゃあこのゲームはただ優しいゲームなのかと言うと、違う。シビアに調整しているところもある。
顕著なのが回復できる手段が少ないこと。特定の数の回復アイテムがあって、休憩地点で補給できる、というところはダークソウルと同じだが、このゲームは回復アイテムの回復量が凄く少ないし、魔法で回復ということもできない。
体力の管理に関しては、ソウルシリーズと比較してもこのゲームは厳しい。つまるところ、突発的な死や操作ミスに対しては寛容的だが、ある程度バトルは上手くこなしなさいよ、という調整になっている。
まぁ別にスキルでゴリ押しすれば良いんでしょ?と言いたいところだが、スキルに関しても万能ではない。冥血というストックを消費しなければ使えない。
ここでプレイヤーは少しだけ工夫が求められる。主人公は吸血鬼であるため血を集める手段はいくつもあり、たとえばパリィでカウンターしたり、溜め攻撃をしたり、コンボを決めたり。ただ適当にボタンを連打するのではなく、ほんの少し意図を持って攻撃することで血が集まるようになっている。こうして強力なスキルに繋げられる。
このゲームバランスは結構上手く回っていた。回復薬が少ないから敵との戦いはなるべくダメージを受けたくないし、そうなるとスキルをどんどん使っていく必要があるが血が足りない、じゃあちゃんと吸血を絡めた戦いをしよう、という流れで、上手いこと思考停止にならない程度にメリハリのあるバトルが展開されていた。
ダークソウルと違って敵が執拗に追いかけて来るのも、戦闘重視のこのゲームのバランスが反映されている。

要するにこのゲームはアクションゲームというよりはRPGだよね。
アクションゲームはプレイヤーが注意したりスキルを磨かないと行き詰まる事もあるが、RPGはレベルを上げたりカスタマイズを工夫することでどうにでもなる。このゲームのバランスの根底にあるのは明らかに後者だ。
リソース管理が重要なバトル、強力なスキル、豊富なカスタマイズ、キャラの特性をすぐに変更できるインターフェース。
テクニックや慎重な行動が求められるところもあるけど蘇生システムのおかげで緩和されているし、アクションの大部分は仲間とスキルでゴリ押し出来るので、プレイヤーが特に求められるのはリソースの管理やカスタマイズやレベル上げの根気と言ったRPG的な思考。
確かに温いけど、ゲームバランスは筋が通っている。このRPG感覚が俺は楽しかった。ブラッドコードを取っ替え引っ換えしたり、色んなスキルを組み合わせてみたり、どんどん強い装備が手に入ったり。
ダークソウルは簡単に正解を作らないために安易に強い装備やカスタマイズというのが無いし、能力値による制限も強くて面倒くさくて、結果ずーっと同じ武器や防具ばかり使い続けてたけど、コードヴェインは色んな戦略を手軽に試せるから積極的に試行錯誤ができた。
機転と状況判断と経験がものを言うダークソウルの攻略はもちろん最高に楽しいが、カスタマイズとリソース管理でなんとかするこのゲームの攻略性も面白かった。

そもそも何故、コードヴェインはここまでプレイヤーにクリアーして欲しいのか。
理由の大きな一つは、ストーリーだろう。このゲームは、物語のもの凄く力を入れている。話を最後まで見て欲しい、というのは間違いなくある。
しかし、このゲームのストーリーが俺は全く好きになれなかった。嫌悪感すらある。特にキャラクター。どいつもこいつも度を超えた利他主義者で良いやつばかりなのが気に食わない。
登場するキャラの多くは血に飢えた吸血鬼だが、なけなしの血のストックを赤の他人に渡したりとか、全く見知らぬ人間を特に理由もなく助けようとしたり、そんな優しい人間アピールが延々と続く。
別に呑気なファンタジーが舞台ならそれでも良いけど、世紀末と化した世界でそんな生温いことを見せられても嘘くさいとしか思わない。まるで良い人でなければキャラクターに魅力は宿らないと言わんばかりの安易なキャラ作りに辟易とした。
やたらとキャラの過去の話を見せてくるが、これも失敗してる。知らない人間が大量に出て来て正直理解が追い付かない。誰こいつ?と考えてる間に終わる。
それだけなら良いが、馴染みのないキャラの背景をいきなり掘り下げたりもしてくるから押し付けがましい。知らないやつの過去なんかどうでも良いっつーの。
このゲームのストーリーは最初から最後まで純真な善意と良心と自己犠牲に溢れており、あまりにも汚れのない綺麗さに包まれていて気持ち悪かった。典型的な厨二病ストーリーという感じ。好きじゃない。
音楽は良かったけど、一つの曲を使い回しし過ぎ。せっかくの良曲なのに陳腐に感じられたのは残念。

忘れそうになったけど、このゲーム、マップが非常に良くできてる。いや本当に探索が楽しかった。正直これがあったからエンジンがかかるまで何とか乗り切れた。
あの先には何があるのだろうと思わせる好奇心のくすぐり方が見事。地の底まで下がっていくエレベーターだったり、地上にぽっかりと空いた大穴だったり、天まで伸びる階段だったり。あざといマップデザインにソウルシリーズファンとしては心がくすぐられっぱなし。
マップの分岐、立体感、ショートカットもかなり拘りを持って作られているし、非常にやりごたえと探索心が揺さぶられるマップデザインだった。
ただ、白い血の聖堂、お前は絶対に許さねぇ。あれはやり過ぎ。ちょっとした隙間にある道を見つけて下さいというのが多すぎてウンザリした。ややこしければ良いってもんじゃないだろ。
まぁ本家を超える凶悪なダンジョンを作ってやる!という熱意は感じたけどね。おかげで8時間くらい彷徨う羽目になった。確かに今まで見た中でもトップクラスに面倒なマップだったよ。二度とやりたくない。
あと、このゲームにはミニマップがある。これも最初は本作のユルユルバランスの一環かと思ったけど、正直これがないと突破不可能と思えるくらい複雑なステージが多いので、単にめちゃくちゃなマップデザインを作りたかったんだろうなぁと思った。
白い血の聖堂はミニマップが無かったら未だに彷徨い続けていた自信がある。

面白かった。ソウルライクとしては、フロムのゲームを除けばこれが一番楽しめた。
プレイヤーの心を折るのが趣旨であるソウルライクの体裁を取っておきながら、その裏ではユーザーがクリアーできるよう徹底的に配慮するという、この珍妙なバランス感覚がなんかクセになる。
RPG的な感覚で試行錯誤できてゴリ押せるのが気持ち良かったね。難しいゲームをサクサク進めるとなんか気分が良くなる。そこら辺のバランスがこのゲームは上手い。
マップも想像以上にクオリティが高くて驚いた。ソウルシリーズに匹敵するレベル。こういうマップデザインを重視したアクションRPGがもっと作られて欲しい。
ただ、このゲームの根幹にあるストーリーとキャラクターがね・・・。結局のところコードヴェインはストーリーに凄く力を入れていて、それを見て欲しいためにゲーム部分も調整されているけど、そのストーリーがダメダメすぎて萎えた。
でもゲームは面白かったし、ソウルライクとしても十分楽しめた。
俺はこれからもダークソウルっぽいゲームを買い続けようと思いました。