リズムに乗りながらゼルダの伝説




IMG_1915

ニンテンドースイッチのアクションゲーム。開発はBrace Yourself Games。

誰もが知ってるゼルダの伝説と、知ってる人しか知らないクリプトオブネクロダンサーがコラボ。
俺もクリプトオブネクロダンサーは未プレイで、不思議なダンジョンをリズムゲーとして行うという概要くらいしか知らず、そんなことが出来るのかと正直疑問だった。
しかも今回の下敷きはゼルダの伝説。謎解きやアイテムのアクションなど、不思議なダンジョンよりもかなり複雑なゲーム性になるわけで、そんなのリズムゲーとして成立するの?いやいや無理っしょ。と思いながらプレイ。
出来てました。凄いなこれ。面白い。まず想像以上にいつもの2Dゼルダそのまま。謎解きがある。フックショットや爆弾や弓もある。回転切りや魔法もある。フィールドは広く、町やダンジョンも存在する。ゼルダ姫やリンクも使える。そこに音楽に合わせてタイミングよくボタンを押すリズムゲーのシステムが採用されていて、これが上手く噛み合ってる。
例えば敵との戦闘。2テンポごとに1回移動する敵だったり、斜めにしか移動しない敵だったり、正面の攻撃は受け止める敵だったりと様々な個性の敵が存在するが、敵も自分もリズムに合わせて動くのでターン制のような感覚があり、自由に動けた時よりもゴリ押しが通用しにくいので敵の個性が際立っていて面白かった。
初めは敵が近くに来るまでひたすら待って隣に来た時だけ動いて攻撃、というやり方をすれば簡単に攻略できるのではないかと思ったが、とうぜん制作者もそれくらいは想定しており、動かないとリズムのコンボは途切れてアイテムの出現率が落ちてしまうというデメリットがある。強制するほどではないが、上手くプレイすればちゃんとご褒美があるという程良いバランス調整が心地良い。
なので待ちプレイが楽なのは違いないけど、後半は敵の数がかなり多くなるので積極的に動かないと囲まれて死ぬ。ちゃんとこのゲームのシステムに向き合う必要は当然ある。
また常にリズムが流れているわけではなく、そのエリアの敵を全て倒せばビートを気にせずに自由に動けるようになる。とにかく集中を切らせず疲れるゲームなので、これはとても良い配慮だった。

例を見ないゲームシステムだし、敵も結構強めに設定されている。しかも死ぬとルピーや装備が消えてしまうという不思議なダンジョンらしい仕様もあり、ハードルは高い。前半はかなりゲームオーバーになったね。
しかし死んでも全ての成長がリセットされるわけではなく、積み重なっていくものは多い。お馴染みハートの器による体力の増加や、弓やフックショットなどの強力なアイテムなど。安易に死ねない緊張感のおかげでダレにくいし、死んでも全てが無駄にならずちゃんと次に繋がるのでモチベーションの維持もしやすい。
探索して謎解きして良いアイテムを見つけたりハートの器を手に入れたりして少しずつキャラを強化し、少しずつエリアを開拓していくという流れは面白かった。
と、前半はかなりサバイバル感溢れる内容なのだが、空き瓶が手に入ってからはゲームバランスが崩壊していた。空き瓶に薬を詰めると体力が切れても全回復するのだが、価格が安いうえにいつでもワープできる仕様のおかげで死にそうになったら店にワープして薬を補充すれば簡単に体制を立て直せてしまう。中盤からは完全に緊張感が消え失せてゴリ押し上等の流れに。ダンジョンも簡単だし、ボスも弱い。謎解きとボス戦はもう少し工夫が欲しかったね。
本家のクリプトオブネクロダンサーは相当に難しいゲームだと聞いてるけど、ゼルダの伝説ということもあって遠慮したのかもしれない。ゼルダの伝説の基準から考えても、後半は簡単だったけど。
あとストーリーは意味不明だった。あの最後はなんなんだ。ちゃんと説明してほしい。意味が分からない。

想像以上にゼルダの伝説だったし、想像以上にリズムシステムが噛み合っていた。斬新でありながら王道の面白さもあって新しさと懐かしさを感じる良いゲームだった。
救済措置は行き過ぎている感があるけど、あんまり難しいゲームをやりたい気分じゃなかったから丁度良かったかも。ゼルダの伝説が好きだけどリズムゲーは・・・という人でも安心して手を出せると思う。