藻掻く日記



弦一郎に屈辱的な敗北を喫し、主人である御子を奪われてしまった忍は、奪還を果たすために葦名の本城を目指す。

・忍の戦い

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先の戦いで左腕を失ったが、代わりに装着された忍義手がとてつもない優れもので革命が起こる。
鉤縄を仕込んでおり、道なき場所でも大抵の場合移動が可能に。切立つ崖も、突き出た木の枝を利用すれば簡単に超えられる。
これによって戦い方も激変した。まずは高所から戦場を見渡して敵の居場所を確認。渓谷の地形を利用して鉤縄で敵の視線の外を飛び回る。要所では死角から強襲。意表を突かれた敵はなす術なく散っていく。
ヘイトが低い敵は無視すれば良いし、必要に迫られても不意を付けば良い。こっちは身一つしかないのだから真正面から正々堂々とやり合う必要なんてない。ずる賢く戦おう。

城門の前に鬼のような印象の兜を装備した大柄な男がいる。見るからに手強そうだが、周りには利用できそうなギミックが無い。具体的に言うと奇襲できない。
やれやれ、正々堂々ってやつをやるしかないのか。


・VS侍大将 河原田直盛

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こいつは簡単には討ち取れそうにない。こちらの攻撃は的確にガードされ、たまに刀が当たっても体力ゲージはビクともせず。
やはり狙い目は忍殺。だが、身体の軸も中々ブレてくれない。もっとか。もっと激しく攻撃しなきゃダメなのか。
焦る俺はいつもより早いテンポで攻撃ボタンを押す。しかし相手はこちらの攻撃などお構い無しに刀を振ってきた。弾きの反応ができず、一撃食らう。忍の身体は弱く、怯んで硬直してる間に更に容赦なく一撃。体力が尽き、地面にひれ伏してしまった。
死んだ・・・。初めての死。侍は踵を返して去っていく。視界は赤に染まっていく。これが死ぬって事なのか。
いや、忍よお前が死ぬのはまだ早い。御子の力を今こそ使うときだ。
死んだはずの忍が立っている。これが回生。忍は死んでも御子の加護がある限り生き返る。
でも、御子の加護にも限界はある。度重なる死は許してくれません。弾きに失敗して死亡。

リトライ。
一度相手の攻撃をじっくり見るとしよう。
攻撃に迫力があるので刀で受け切れるのか心配になるが、ちゃんとガードできてるし、弾きもできる。タイミングが全てかー。
唐突に現れる「危」という文字。え?なにこれ。危ない予感がするなー、といつも通りガードしていたら、掴みかかられた。地面に突き倒され、踏みつけられ、斬られる。死亡。
回生。なるほど。危うい攻撃の時にあの信号が出るのか。掴みはガード不可だから回避するしかないな。
また危の信号。ふん、バックステップで楽に回避してやる。しかし敵は掴みかかる気配はなく何故か刀を振ってる。やたらと範囲が広く、バックステップでは避けきれない。死亡。

リトライ。
厄介なのはガードの気を逸らしてくる危の攻撃。しかもどうやら掴みだけでは無さそうだ。
また危険攻撃。しっかり見る。掴みではない。刀を振ってる。じゃあガードできる?できなかった。そのまま足元を斬り払われた。
そういうことか。下段攻撃ってやつか。確かに足元までガードは届かない。ってことはジャンプしろってこと?攻撃・ガード・弾き・ステップ・ジャンプ、求められることが多すぎて中々思い通りにいかない。
さーて、練習は終わり。こっちも攻めさせて貰う。
刀を振るが、こっちの攻撃は基本的にガードされる。じゃあ弾きに集中すれば良いんじゃね?とも思うが、こっちが積極的な姿勢を見せないと相手は中々手を出してこない。その間に体幹を回復されるだけ。
だから攻める。攻める。弾く。攻める。弾く・・・じゃない掴みだった。死亡。
回生。主導権は相手が握ったまま。弾いたあとに相手の斬撃。それも弾く。また斬撃。こっちの体幹が崩されて隙だらけになったところ斬り殺される。死亡。

リトライ。
弾き一辺倒なのも考えものだな。ガードの方が有効な時もある。特に敵の連続斬りはそう。
敵だけでなく自分にも体幹の要素はあるが、ガードを構えていれば体幹の回復は早くなる。この辺り、ダークソウルとは真逆の仕様なので慣れない。
リズム良く自分と敵の刀が交じり合うが、唐突に敵がジャンプ攻撃を始めてテンポを崩される。なんとかガードするが一撃が重くて忍は硬直状態。流れを相手に持ち込まれ防戦一方。そのまま押し切られる。死亡。
回生。仕切り直し。相手のジャンプ攻撃は横ステップで回避。着地のあとは隙だらけ。そこから逆に俺の流れに持ち込む。
攻める。攻める。攻める。弾き。攻める。良い感じ。急な危険攻撃。ジャンプ・・・できない。死亡。

リトライ。
落ち着け落ち着け。攻めが大事だからと言ってもそれを意識してたら回避が疎かになる。第一優先は死なないこと。それを忘れちゃダメだ。
まずは連打の癖をどうにかしないとな。入力速度が速くても刀の振りが速くなるわけじゃないんだから。攻撃の合間にちゃんと一呼吸置こう。
ようやく1度目の忍殺が決まる。敵の体力は半分。すなわち、半分の法則の発動条件を満たした。
説明しよう。半分の法則とは、半分の体力を減らすことができたのだから、もう半分もきっと減らすことができる、と思い込んで自分の精神状態を安定させる、フロムのゲームプレイ時における俺のメンタルケアである。
しかし今の俺は、まだ半分もあるのかよ・・・というネガティブな思考が大勢を占め、半分の法則は発動できなかった。そして死んだ。

リトライ。
結局アクションゲームは突き詰めればタイミングだ。リズムゲームのようなもの。回数を重ねればいつかは慣れる。感情的にならず冷静に相手の動きに対処し続ければ、絶対にクリアーできる。そしてついに俺もその時が来た。
攻める。攻める。相手の掴み。バックステップ。攻める。攻める。弾く。弾く。弾く。攻める。相手のジャンプ攻撃。横ステップ。攻める。攻める。相手の下段攻撃。ジャンプ。攻める。攻める。
反応できる。相手の動きに。あれだけ遅れを取っていたのに、今では余裕を持ってボタン入力ができている。完全に相手の呼吸を掴んだ。もう俺の敵じゃない。
そして2度目の忍殺。ようやく河原田はひれ伏した。
ふぅ。ボスでも何でもないのにこの強さ。こんなのが普通にマップの一区画でウロついているのだから大変だ。


・老婆

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城門を超えると次はステルスのターン。
と、行きたいところだが、見つかってしまう。しかも強そうなデブがいる。遠くから銃を射ってくる小賢しい敵もいる。
さっきの戦いで疲弊したので戦闘が嫌になり逃亡の道を選ぶ。忍の足は速いから追跡を逃れるのはお手の物。
先に進むとあばら家があり、中の婆さんが声をかけてきた。

「伊之助!伊之助じゃないか!!私のせがれよ!こんなところにいたんだね!」

へぇー、主人公の名前って伊之助っていうんだー。
って、そんなわけないだろ!こんなところで素性不明の主人公の本名が明かされるわけがない。
忍も困惑しており、自分は貴方のせがれじゃないと否定している。なんだ、この婆さんがボケてるのか。
そんなことよりもさっきから敵の怒声が迫ってて気が気じゃないんだが。

「自分のせがれを見間違えるわけないじゃないか!ほら、これを持っておいき!」

婆さんから鈴を譲り受ける。何に使うのこれ?
教えて貰おうと思ったが、その直後に背後からデブが奇襲。撒いたと思ったのは気のせいたった。回生はもう使い果たしてる。死亡。


・またまた目覚める

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「因果よの。なかなか死に切れぬようじゃ」

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この声、忍義手をくれた爺さんじゃん。目を覚ますと、そこは最初の荒れ小屋だった。あれ?なんで?
随分と苦しそうな仏師の爺さん。咳が止まらないようだ。どうやら主人公が死ぬと竜咳と呼ばれる病が広まってしまうらしい。ってことは俺のせい?ごめんね。
病の身になりながらも忍に協力してくれる仏師。忍義手に手裏剣を仕込んでくれる。盛り上がってきた。忍者と言えば、やっぱ手裏剣だよね!

・3年前

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近くにあった仏像にさっきの鈴を備えてみる。忍が目を瞑ると、鈴の音が聞こえてきた。そして彼の過去の記憶を呼び覚ます。

3年前。
急に過去にタイムスリップした主人公。ここは3年前の平田屋敷。3年前、彼に一体何があったのか。

続く。