面倒くさい。だから面白い

PS4とXboxOneのアクションゲーム。開発はコナミデジタルエンタテイメント。
ゲームの舞台は異世界。敵はクリーチャー。そんなバケモノに満ちた異世界でサバイバルをするメタルギア最新作。
これだけ言うと只のバイオハザードだが、異世界は5の素材を流用されたものであのゲームの舞台だったアフガニスタンの面影があるし、ストーリーも一応5の全日譚であるグラウンドゼロズの裏側で起こった話とされている。
メタルギアというゲームの核であった小島監督がコナミを辞めた経緯もあり、発表当初からメタルギアのタイトルを付ける事の是非が論じられていたが、ひとまずそれはゲームの面白さとは全く関係のない話なので置いておく。
このゲームの最大の特徴は、とにかく面倒くさいこと。
まず、主人公の燃費が悪いのが面倒くさい。すぐに腹は減るし、喉は渇く。
この手のジャンルにはよくある要素だが、このゲームの場合、現時点での空腹・渇きの残量によって、体力の自動回復の最大値や、スタミナの最大値に制限がかかるという厳しいリスクがあるからより面倒くさい。
例えば、お腹が50%しか満たされていなければ、体力は半分までしか自動回復しない。体力が満タンな時なんて数えるほどしかなかったな。
しかもこのゲーム、基本的に時間が止まらない。ポーズ機能がないだけではない。クラフトしている時やスキルを取得している時、拠点を作っている時、そんな時でも容赦なくお腹は減るし喉は渇くから本当に面倒くさい。
おかげで俺は必死にネズミを探し回る羽目になった。水はまだ何とかなるが、あまりにも食料が足りない。足りなさすぎる。
そんなゲームだから、もちろん弾薬も常に困窮状態。
アサルトライフルのような弾薬をぶちまける銃火器もあるけど、乱射するのは気が引ける。一発一発の弾を噛みしめるように撃たなきゃいけなくて面倒くさい。
そこで有用なのが、弓という武器。矢は割と簡単に作る事ができて、しかも撃ち終わったあとも拾えば再利用可能。更に銃と違って音も立てない。火矢やグレネードアローなど、状況に応じて使い分けることもできる。面倒くさくない!
もう一つ強力な武器がある。スピアである。この武器の真骨頂は、フェンスのような穴開きのバリケードなら壁をすり抜けて攻撃が通ること。
敵は思考のないクリーチャーであるため、何も考えずにまっすぐ突っ込んでくる。フェンスを張って足止めしつつ、スピアで攻撃するという戦法は非常に効果的であるわけだ。もちろん使い捨てじゃないので燃費も良い。これも面倒くさくない!!
じゃあどっちも手に入れたら無敵じゃんとなる。正直、この2つがあれば戦いで全く困らないと思う。
だけど残念でした。弓とスピアは同じカテゴリ扱いであるため、同時に装備はできませーん。はあ。面倒くさすぎる。
極め付けに面倒くさいのが、塵。フィールドの4割は塵が立ちこめているのだが、この場所が本当に最悪。
視界が悪い。スタミナの減りが早い。空腹・渇き、に加えて酸素という第3の制限が加わる。滅多に動物や野草が見つからない。もう面倒な要素がてんこ盛り。中でも一番嫌らしいのが目標地点のマーカーが定期的に消えること。
地図にマーカーを設定する事で、目標地点として画面に表示し続ける事ができるのだが、塵のエリアはこのマーカーが定期的に消える。更に地図を見ても自分の現在地は表示されない。しかも周りは塵で視界が悪いため方向感覚が分からない。
結果的に迷いまくるわけだが、もちろん酸素や空腹ゲージはどんどん減っていく。セーブは拠点でしかできないので、死んだら探索に繰り出す前のデータからやり直し。あまりにも面倒くさすぎる。
もう本当に面倒くさいとしか言いようがない。何をするにもスムーズには出来ない。モッサリ。テンポが悪い。思い通りにいかない。
しかし、だからこそ面白い。
このゲーム、拘りを持って調整されてるなーと思う。なんというか予定調和がない。封じられたゴリ押し戦法。異様に厳しい空腹や渇き。何が起きるか分からない塵の空間。
絶対安全という安心感がなく常に死と隣り合わせ、そしてゲームオーバーした時のリスクも大きいため緊張感があり、まるで生きた空間をサバイバルしている臨場感がある。
だから弾薬をちゃんと節約しようとするし、ちゃんと食材や水を貯めようと思うし、闇雲ではなく見通しを立てて探索しようとする。
プレイヤーが追い詰められて、その中で考えて工夫する、という流れにこのゲームは誘導している。確かに面倒くさい要素がてんこ盛りだが、お遊びではない、ちゃんとしたサバイバル体験をする事が出来る。
サバイバルゲームとして、ゲームバランスが非常に良く考えられている。
もちろん、メリハリも大事だ。ゲームを進めていくと、色んなレシピが手に入り、サバイバル生活を便利にしていく事ができる。
汚い水を浄化できるドライポッド。食糧難の救世主、羊小屋。敵を自動的に薙ぎ払ってくれるタレット。仲間を集めることで素材を集めさせたり、効率の良いクラフトをすることもできる。
面倒なゲームだが、少しづつ世界を開拓して素材やレシピや仲間を集めて、便利になるシステムを作っていく流れは面白い。苦しさがあるからこそ、それが解消された時はカタルシスがある。
特に食料はずっと悩まされるが、小屋を作って動物を捕まえる事で自動で肉が供給されるようになった時は感動した。
とは言え、拠点を飾りつけるという意味でのクラフト要素は大した事なく、家を作ったり、内装を変えたり、ということは出来ない。
武器やガジェットの種類はかなり多く、色んな新しいアクションを発見していくのが楽しいが、もう少し拠点内に反映できるものがあればなーと思う。
オンライン要素としてco-opもある。co-op、つまり協力プレイ。最初はこっちがメインだと思ってたな。
でも、co-opとシングルプレイのデータは共通で、難易度イージーですら敵のレベルは20超えなので、メインをある程度は進めないと歯が立たない。基本的に、シングルを終わらせた後にやるものなのだろう。
ゲームのルールは、迫り来るクリーチャーの大群から拠点を守るというもの。クリアーするだけなら難易度ハードでも難しくないが、クリアーランクによって報酬の量が変わるし、更にメンバー内の順位によっても左右されるので結構燃える。
そんな中でもデータが共通なため、弾薬の消費勿体無いなーとか考えてしまって、サバイバルな感じがあるのも良い。
co-opではかなりの消費を強いられるが、それに見合っただけのリターンがあるし、ここでしか手に入らないレシピもあるし、何より協力プレイが楽しい。
データは別々で良くね?と最初は思ったが、生活感があるゲームなだけにシングルもオンラインも地続きで繋がっているシームレスな世界観は、自分だけの世界という感じがあって悪くない。
シングルで強化して素材を集めて、オンラインで手強いミッションをクリアーして良い報酬を手に入れて、またシングルに戻って〜という循環が心地いい。シングルの方でクリアー後に相当強いボスが出て来て、そいつを倒すための準備としてオンラインを活用することもできる。
オンラインが個別として分けられていたら、co-opは全てのミッションをクリアーしたらハイ終わり、となり兼ねないし、シングルもクリアー後はアイテムや素材を集めるのが面倒になって直ぐに飽きる気がするが、データが共有であることで結果的に両方とも長く遊べるような感じになっていて、この構造はとても良い。
実際、クリアーしたら直ぐに次のゲームに移りがちな俺が、このゲームに関しては結構やり込んで遊んでる。他にやるゲームが無いというのもあるが。
クリアー後はオンラインを含めて色々やることがあるが、メインは途中から単調だったかなーと思う。
フィールドも同じような見栄えが続くし、僅かに入れる屋内エリアも違いが分からないほど個性がない。ミッションも同じ事の繰り返し。
出来るだけ素材を使い回して安く作りたい、というのが透けて見えるが、サバイバル感を強調する事で、常にゲームプレイが刺激的で、考える必要性もあって、作業っぽく感じさせないように上手いこと作っていると思う。
メタルギアと言えば、自己主張が激しいストーリー。小島監督のあのエゴに満ちたストーリーは非常に一方的で、分かりにくくて、説教臭くて、しかし見所があった。
その小島監督はコナミを辞めた。しかしこれはメタルギアである。どれほどストーリーを主張させてくるかは気になった。
やはりメタルギアだった。最初の2時間は殆どムービー。その後はほぼ挿入されないが、ストーリーを見せたいという気持ちは伝わってきた。
ただ内容は無難ではある。グラウンドゼロズの裏側で起こった話だけど、メインのストーリーには一切干渉してこないし、旧キャラも出ない。
メタルギアっぽいキャラが、メタルギアっぽいことを言って、よくある感じのストーリーを繰り広げる。つまらなくはないが、それ以上のものはない。
何だろ。メタルギアというタイトルを掲げてはいるが、無理してそこに触れないようにしている感じがある。
クリーチャーだの異世界だのとこんなのメタルギアじゃない!と言われそうな要素が満載だが、それもなるべく小島監督が積み上げてきたメタルギアとは関係のない事を強調するための配慮に見える。
それならメタルギアである必要はないという意見は圧倒的に正しい。しかし、コンシューマーをほぼ見限った状態に近いコナミが、新規タイトルの企画を通すとは思えない。
メタルギアというブランド。フォックスエンジンやソリッド5の資産。それを使うことでようやくコンシューマーの企画が通ったのがこのメタルギアなのだろう。
あるいはコナミの上層部が、フォックスエンジンとメタルギアブランドを無駄には出来ないと思って新作を作るよう指示したのかもしれない。
確かにメタルギアというタイトルである意味はない。だけど、そんなのどうだって良いだろと思う。使い回しとはいえそれなりに金のかかってそうなゲームである。メタルギア、というタイトルがなければ世に出ることはなかっただろう。
メタルギアのおかげで、面白いゲームに出会うことが出来た。そしてこれは、メタルギアという名に恥じない信念を持って作られたゲームだった。
こんなにユーザーから嫌われる要素が山盛りのゲーム、簡単には作れないよ。コナミも良く承認したと思う。
このゲームがメタルギアである意味はないが、この事実だけで俺は充分。

PS4とXboxOneのアクションゲーム。開発はコナミデジタルエンタテイメント。
ゲームの舞台は異世界。敵はクリーチャー。そんなバケモノに満ちた異世界でサバイバルをするメタルギア最新作。
これだけ言うと只のバイオハザードだが、異世界は5の素材を流用されたものであのゲームの舞台だったアフガニスタンの面影があるし、ストーリーも一応5の全日譚であるグラウンドゼロズの裏側で起こった話とされている。
メタルギアというゲームの核であった小島監督がコナミを辞めた経緯もあり、発表当初からメタルギアのタイトルを付ける事の是非が論じられていたが、ひとまずそれはゲームの面白さとは全く関係のない話なので置いておく。
このゲームの最大の特徴は、とにかく面倒くさいこと。
まず、主人公の燃費が悪いのが面倒くさい。すぐに腹は減るし、喉は渇く。
この手のジャンルにはよくある要素だが、このゲームの場合、現時点での空腹・渇きの残量によって、体力の自動回復の最大値や、スタミナの最大値に制限がかかるという厳しいリスクがあるからより面倒くさい。
例えば、お腹が50%しか満たされていなければ、体力は半分までしか自動回復しない。体力が満タンな時なんて数えるほどしかなかったな。
しかもこのゲーム、基本的に時間が止まらない。ポーズ機能がないだけではない。クラフトしている時やスキルを取得している時、拠点を作っている時、そんな時でも容赦なくお腹は減るし喉は渇くから本当に面倒くさい。
おかげで俺は必死にネズミを探し回る羽目になった。水はまだ何とかなるが、あまりにも食料が足りない。足りなさすぎる。
そんなゲームだから、もちろん弾薬も常に困窮状態。
アサルトライフルのような弾薬をぶちまける銃火器もあるけど、乱射するのは気が引ける。一発一発の弾を噛みしめるように撃たなきゃいけなくて面倒くさい。
そこで有用なのが、弓という武器。矢は割と簡単に作る事ができて、しかも撃ち終わったあとも拾えば再利用可能。更に銃と違って音も立てない。火矢やグレネードアローなど、状況に応じて使い分けることもできる。面倒くさくない!
もう一つ強力な武器がある。スピアである。この武器の真骨頂は、フェンスのような穴開きのバリケードなら壁をすり抜けて攻撃が通ること。
敵は思考のないクリーチャーであるため、何も考えずにまっすぐ突っ込んでくる。フェンスを張って足止めしつつ、スピアで攻撃するという戦法は非常に効果的であるわけだ。もちろん使い捨てじゃないので燃費も良い。これも面倒くさくない!!
じゃあどっちも手に入れたら無敵じゃんとなる。正直、この2つがあれば戦いで全く困らないと思う。
だけど残念でした。弓とスピアは同じカテゴリ扱いであるため、同時に装備はできませーん。はあ。面倒くさすぎる。
極め付けに面倒くさいのが、塵。フィールドの4割は塵が立ちこめているのだが、この場所が本当に最悪。
視界が悪い。スタミナの減りが早い。空腹・渇き、に加えて酸素という第3の制限が加わる。滅多に動物や野草が見つからない。もう面倒な要素がてんこ盛り。中でも一番嫌らしいのが目標地点のマーカーが定期的に消えること。
地図にマーカーを設定する事で、目標地点として画面に表示し続ける事ができるのだが、塵のエリアはこのマーカーが定期的に消える。更に地図を見ても自分の現在地は表示されない。しかも周りは塵で視界が悪いため方向感覚が分からない。
結果的に迷いまくるわけだが、もちろん酸素や空腹ゲージはどんどん減っていく。セーブは拠点でしかできないので、死んだら探索に繰り出す前のデータからやり直し。あまりにも面倒くさすぎる。
もう本当に面倒くさいとしか言いようがない。何をするにもスムーズには出来ない。モッサリ。テンポが悪い。思い通りにいかない。
しかし、だからこそ面白い。
このゲーム、拘りを持って調整されてるなーと思う。なんというか予定調和がない。封じられたゴリ押し戦法。異様に厳しい空腹や渇き。何が起きるか分からない塵の空間。
絶対安全という安心感がなく常に死と隣り合わせ、そしてゲームオーバーした時のリスクも大きいため緊張感があり、まるで生きた空間をサバイバルしている臨場感がある。
だから弾薬をちゃんと節約しようとするし、ちゃんと食材や水を貯めようと思うし、闇雲ではなく見通しを立てて探索しようとする。
プレイヤーが追い詰められて、その中で考えて工夫する、という流れにこのゲームは誘導している。確かに面倒くさい要素がてんこ盛りだが、お遊びではない、ちゃんとしたサバイバル体験をする事が出来る。
サバイバルゲームとして、ゲームバランスが非常に良く考えられている。
もちろん、メリハリも大事だ。ゲームを進めていくと、色んなレシピが手に入り、サバイバル生活を便利にしていく事ができる。
汚い水を浄化できるドライポッド。食糧難の救世主、羊小屋。敵を自動的に薙ぎ払ってくれるタレット。仲間を集めることで素材を集めさせたり、効率の良いクラフトをすることもできる。
面倒なゲームだが、少しづつ世界を開拓して素材やレシピや仲間を集めて、便利になるシステムを作っていく流れは面白い。苦しさがあるからこそ、それが解消された時はカタルシスがある。
特に食料はずっと悩まされるが、小屋を作って動物を捕まえる事で自動で肉が供給されるようになった時は感動した。
とは言え、拠点を飾りつけるという意味でのクラフト要素は大した事なく、家を作ったり、内装を変えたり、ということは出来ない。
武器やガジェットの種類はかなり多く、色んな新しいアクションを発見していくのが楽しいが、もう少し拠点内に反映できるものがあればなーと思う。
オンライン要素としてco-opもある。co-op、つまり協力プレイ。最初はこっちがメインだと思ってたな。
でも、co-opとシングルプレイのデータは共通で、難易度イージーですら敵のレベルは20超えなので、メインをある程度は進めないと歯が立たない。基本的に、シングルを終わらせた後にやるものなのだろう。
ゲームのルールは、迫り来るクリーチャーの大群から拠点を守るというもの。クリアーするだけなら難易度ハードでも難しくないが、クリアーランクによって報酬の量が変わるし、更にメンバー内の順位によっても左右されるので結構燃える。
そんな中でもデータが共通なため、弾薬の消費勿体無いなーとか考えてしまって、サバイバルな感じがあるのも良い。
co-opではかなりの消費を強いられるが、それに見合っただけのリターンがあるし、ここでしか手に入らないレシピもあるし、何より協力プレイが楽しい。
データは別々で良くね?と最初は思ったが、生活感があるゲームなだけにシングルもオンラインも地続きで繋がっているシームレスな世界観は、自分だけの世界という感じがあって悪くない。
シングルで強化して素材を集めて、オンラインで手強いミッションをクリアーして良い報酬を手に入れて、またシングルに戻って〜という循環が心地いい。シングルの方でクリアー後に相当強いボスが出て来て、そいつを倒すための準備としてオンラインを活用することもできる。
オンラインが個別として分けられていたら、co-opは全てのミッションをクリアーしたらハイ終わり、となり兼ねないし、シングルもクリアー後はアイテムや素材を集めるのが面倒になって直ぐに飽きる気がするが、データが共有であることで結果的に両方とも長く遊べるような感じになっていて、この構造はとても良い。
実際、クリアーしたら直ぐに次のゲームに移りがちな俺が、このゲームに関しては結構やり込んで遊んでる。他にやるゲームが無いというのもあるが。
クリアー後はオンラインを含めて色々やることがあるが、メインは途中から単調だったかなーと思う。
フィールドも同じような見栄えが続くし、僅かに入れる屋内エリアも違いが分からないほど個性がない。ミッションも同じ事の繰り返し。
出来るだけ素材を使い回して安く作りたい、というのが透けて見えるが、サバイバル感を強調する事で、常にゲームプレイが刺激的で、考える必要性もあって、作業っぽく感じさせないように上手いこと作っていると思う。
メタルギアと言えば、自己主張が激しいストーリー。小島監督のあのエゴに満ちたストーリーは非常に一方的で、分かりにくくて、説教臭くて、しかし見所があった。
その小島監督はコナミを辞めた。しかしこれはメタルギアである。どれほどストーリーを主張させてくるかは気になった。
やはりメタルギアだった。最初の2時間は殆どムービー。その後はほぼ挿入されないが、ストーリーを見せたいという気持ちは伝わってきた。
ただ内容は無難ではある。グラウンドゼロズの裏側で起こった話だけど、メインのストーリーには一切干渉してこないし、旧キャラも出ない。
メタルギアっぽいキャラが、メタルギアっぽいことを言って、よくある感じのストーリーを繰り広げる。つまらなくはないが、それ以上のものはない。
何だろ。メタルギアというタイトルを掲げてはいるが、無理してそこに触れないようにしている感じがある。
クリーチャーだの異世界だのとこんなのメタルギアじゃない!と言われそうな要素が満載だが、それもなるべく小島監督が積み上げてきたメタルギアとは関係のない事を強調するための配慮に見える。
それならメタルギアである必要はないという意見は圧倒的に正しい。しかし、コンシューマーをほぼ見限った状態に近いコナミが、新規タイトルの企画を通すとは思えない。
メタルギアというブランド。フォックスエンジンやソリッド5の資産。それを使うことでようやくコンシューマーの企画が通ったのがこのメタルギアなのだろう。
あるいはコナミの上層部が、フォックスエンジンとメタルギアブランドを無駄には出来ないと思って新作を作るよう指示したのかもしれない。
確かにメタルギアというタイトルである意味はない。だけど、そんなのどうだって良いだろと思う。使い回しとはいえそれなりに金のかかってそうなゲームである。メタルギア、というタイトルがなければ世に出ることはなかっただろう。
メタルギアのおかげで、面白いゲームに出会うことが出来た。そしてこれは、メタルギアという名に恥じない信念を持って作られたゲームだった。
こんなにユーザーから嫌われる要素が山盛りのゲーム、簡単には作れないよ。コナミも良く承認したと思う。
このゲームがメタルギアである意味はないが、この事実だけで俺は充分。
コメント