迷う



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ゼノブレイドも終わったことだし、なんかゲーム買うかー。
サージ?うーん、ダクソっぽい。やりたい。でもこれ買うならまたダクソやる方が良い気がする。
龍が如く?やりたいのは極み2だが、1からストーリーが繋がってそうで未プレイの俺はそこで躊躇ってしまう。
バイオ完全版?所詮は追加コンテンツだしすぐ終わりそう。年末だからやるならガッツリ系が良い。
デジモン?ストーリーが意外と面白そうで気になる。デジモンのゲームやったことないし。しかし、前作も収録されているのは良いけど、携帯機マルチのゲームだから使い回しが多そうでモチベーションが続くか心配。
スカイリムVR?VRをわざわざ引っ張り出すのが面倒くさい。VRデバイスで部屋が散らかるのが鬱陶しい。どうせやるならmove2本持ちだが、1本買う必要があるから財布に響く。VRの環境で文字や数字だらけのスカイリムをやるとかある意味正気の沙汰じゃない。そのハードルを乗り越えてでもやりたい気持ちはあるが、現実的に考えて障害が多すぎる。何より一度やったゲームだし。

と、言うわけで、間をとって最近はフロムのRPGをまた飽きもせずにやってる。いやー、やっぱりこのシリーズは最高に面白いわー。
俺は基本的に新しいゲームをどんどんやっていきたいというスタイルなので、クリアーさえすればそれ以上はあまり踏み込まないが、ダークソウルやブラッドボーンは定期的にやり直したくなる数少ないゲーム。特にブラッドボーンは全ての要素を余すところなく完璧にやり尽くしたと胸を張って言える唯一のタイトル。
今まで700タイトル以上はゲームに触れてきたけど、ゲームとして一番お気に入りなのはやっぱり、このシリーズって事になるんだろうなぁ。本当はみんなが知らないようなマイナーなゲームを挙げて、これがマイフェイバリット!とか言いたいんだけど、事実として一番俺を夢中にしたのはフロムのダークファンタジーなのだから仕方ない。
FFは・・・あれはまた別のベクトルだから比較できないな。俺の中で、ゲームの面白さで別格なのはダークファンタジー。だけど、一番特別なゲームはファイナルファンタジーであることは間違いない。FFは、単純な面白さでは計れない特別な魅力がある。
これを言いだすと長くなるし、本題ではないので置いておく。

ともかく、最近はどれをメインに据えて遊ぼうかなーと選別する意味も兼ねて、ダークソウル2やダークソウル3、ブラッドボーンをザッピング気味にプレイしてる。
それにしても、なんか簡単じゃね?全く死ぬ気配がない。俺、上手くなりすぎた?
そりゃずっとやってるんだからスキルは上がるだろうけど、このゲームに対する姿勢について考えさせられることが2年前に起こった。間違いなくあれが大きな節目になっている。忘れもしないね、俺はあの時を。
2015年11月24日。既にブラッドボーンを4周クリアーしていたところで迎えたDLCの配信日。
フロムのダークファンタジーは周回するごとに難易度が上がっていく。もちろん、追加コンテンツだって例外ではない。たとえ追加のステージが初見だったとしても、その時点での周回の難易度が適用される。
更に、DLCはユーザーの購入者が選別されるので、もともとこんなゲームを買うのはマゾ気質がある奴しかいないと思うが、その中でも更に選ばれたエリートマゾに合わせた難易度調整となっている。要するに普通にやるだけでもかなり難しい。更に5周目の難易度が適用。
その結果、大変な事になった。ルドウイーク戦で14時間、ゴース戦で8時間、ローレンス戦で11時間。ボスを倒すのにかかった時間である。頭がどうにかなるかと思った。
俺はフロムのダークファンタジーをやる時は、初見では絶対に仲間の助けを借りないという鉄の掟を心に定めているが、この時ばかりは本気で心が折れかけてオンラインに逃げそうになった。
よくよく考えたら、油断を許されない難易度を誇るこのシリーズに対してすら、心のどこかで舐めてプレイしていた節はあったのかも知れない。
ゲームを年に何十本と買って、やり込みもせず浅い遊び方を続けてきた結果、惰性というか、ゲームに対する集中力が年々薄れてきているのは事実。
もちろんある程度は考えながら攻略してるが、そこまで真剣にならなくても、いつかは結局クリアーできるんだろうみたいな、そんな生温い気持ちは拭えなかった。ソウルシリーズも幾度となく行き詰まってきたが、全て時間が解決してくれた。
しかし、この時ばかりはクリアーできる未来が見えなかった。何度やってもどうしても打開できない部分がある。ミスが出る。レベルを上げても武器を変えても何も変わらない。何回も同じことを繰り返して、ようやく俺は、姿勢を変えた。
まず、ちゃんと敵の動きを見ようと思った。今まで、見ているようで見てなかった。敵の動きを察知するのは目に見える予備動作だけじゃない。よーく観察すれば、ちゃんと傾向やパターンのようなものがあって、先読みしながら行動することができる。敵の息遣いを感じ取ることが大切だ。
自キャラのスペックも見直した。弱攻撃や強攻撃、ステップ攻撃、変形攻撃、それぞれのダメージ量、リーチ、速度。回避とステップの無敵時間の違い、アクションのスタミナの消費量、などなど。
フィーリングで済ませていた部分がとにかく多く、細かい情報なんて歯牙にもかけなかったが、そういう小さな積み重ねが大事だとようやく気が付いた。よく考えたら今まで本当に適当にやってたんだなー。

DLCだけでクリアーまでに40時間。これはブラッドボーン本編よりも長い。
ほとんどがやり直しに時間を費やしているわけで、まぁ無駄な時間とも言えるけど、しかし楽しかった。本気にさせてくれたから。
たかがゲーム。しょせんゲーム。誰かと競争しているわけでもない。相手はただのコンピュータだ。でも、このゲームは俺を本気にさせてくれる。
これは難易度だけの話ではない。ブラッドボーンというゲームがそれを導いてくれた。
ブラッドボーンは、ダークソウルをベースにしたゲームではあるが、決定的な違いがある。それは、守るという概念を排除して、攻めの姿勢を徹底的に貫いていることだ。
素早いアクション。恐るべき攻撃性で向かってくる敵。盾や鎧の実質的な排除。大幅に縮小した遠距離攻撃。敵と正面からぶつかりやすいレベルデザイン。そして血みどろ感を演出するリゲインシステム。
受け身ではなく、前に出る。本能のままに攻め込んで来る獣を相手に、自らもなりふり構わずノーガードで攻め込む。激しい攻めと攻めの衝突。血で血を洗う激闘。それがブラッドボーンの戦いだ。
確かに、ソウルシリーズに比べると遊びの幅は狭い。しかしそれは、死闘感という一点のコンセプトにゲームを凝縮しているからだ。盾もなく、魔法もなく、真正面から敵とぶつかり合う。その一点に全てを捧げているから、死闘感に本物が宿っている。
だから、薄暗く陰気なヤーナムの世界が、異形な獣が、血飛沫飛び散る戦闘が、大迫力の熱量を持って、迫ってくる。残酷で容赦のない命がけの死闘が、ダイレクトに感情を揺さぶり、昂らせ、純粋な本能を刺激してくる。
獣に変貌したのは敵だけではない。コントローラーを握っているプレイヤーもまた、獣のような野性味に身を委ねているのだ。
このゲームは俺を本気にさせてくれた。それは、ただ難しいだけではなく、このゲームの戦いが本能を刺激する鬼気迫る死闘だから。ブラッドボーンは本当に最高のゲームだった。

なんか凄まじく話が逸れたが、この一件があって、戦い方のコツみたいなのが身体に染み付いて、スキルが一段も二段も上がった実感がある。
ブラッドボーンのあとに発売されたダークソウル3とか初見の時も全然苦労しなかったもんなー。DLCのボスは流石に難しかったけど。

しかし、ザッピングの順番がダークソウル2になると話は変わる。
え、あれ、なんで?なんでこんなに死ぬの?嘘だろおい。俺は変わったんだ。こんな所で簡単に死ぬ俺ではなくなったはずなのに。
ダークソウル3、ブラッドボーンの特徴は動きが素早いことなのだが、このスピード感に慣れきってしまった俺はダークソウル2のモッサリテンポに大苦戦。武器の振り、攻撃してから盾を構えるまでの間、回避の当たり判定、回復瓶を飲む行為、全てがモッサリで隙だらけ。そうだった。もとは隙だらけのゲームだったなこれ。
あの素早いアクションに慣れてしまうとかなりストレスだけど、正直こっちのスタイルの方がダークファンタジーの方向性には合ってるよな。力押しが通用せず、一体一体の敵相手に油断が出来ないから。
ブラッドボーンは、あのスピード感がコンセプトを表現するのに必須だから納得できる。しかし、ダークソウル3がスピーディになった意味は?と、考えると、ユーザービリティだから、以外に答えが思い付かない。
ダークソウル3はその分雑魚もスピードアップしているし、だからアクション的な難しさは上がったけど、シビアな状況判断は求められなくなった。回復瓶を飲むタイミングで悩む事なんかほとんどなくなった。
結局、盾受けで対処できるから楽勝なんだよな。攻撃からの盾受け。盾受けからの攻撃。これの動作が素早いからアクションをミスってもすぐリカバリーできる。たとえ囲まれても素早い動きで立ち回れるから何とかなる。正直、ゴリ押しでどうにかなる場面が多かった。

しかし、ダークソウル2は一つ一つの行動を大切にしてね、というメッセージがかなり強い。攻撃のタイミングを間違えば一気に反撃を食らうし、雑魚をスルーしてると囲まれてあとの祭り。しかもリトライする度に体力の最大値が下がっていくから気楽に死ねない。
雑魚を一定数倒すと復活しなくなる仕様は、経験値やアイテム稼ぎができない!とかなり批判されたが、俺は嫌いじゃない。だって、雑魚を無視しにくい調整なのにリトライする度に一々雑魚を倒す必要があるの面倒じゃん。
もちろん、稼ぎプレイが完全に封じられたわけではない。チェックポイントであるアイテムを使うと消えた敵を復活させることができる。これはボスも含まれる。ただし、蘇った敵は一段階強くなってしまう。
レベル上げや稼ぎ行為というゲームを楽に進める手段はちゃんと残されているが、しかしそれをするためにはリスクを求められる。そしてその選択権はプレイヤーにある。
これはとても良いアイディアだ。この仕組みを使えばボスや倒してしまったNPCも復活させられるし、二周目以降で手に入るアイテムをゲット出来たりもするので、ただ不便なだけではなく、ゲームの自由度はものすごく上がっている。
この要素から分かる通り、ダークソウル2はテーマとしてプレイヤーの選択を大事にしている。
レベルが上がりやすくなって色んな装備を使えるようにしたり、それに合わせて装備のスロットを増やしたり、レベルの振り直しも出来るようにしたり。
いずれも初代ダークソウルとの比較で、ダークソウル3では2と同じ取り組みがされているが、3は単純に快適性を重視して同じことをやってるんだよな。別に何か深い意味があるわけじゃない。ただのユーザービリティ。
しかしダークソウル2は、プレイヤーに幅広い選択肢を与えます。その代わり、ゴリ押しは許さないし、考えながら遊んでね、とゲームバランスをキツく絞っている。
モッサリ挙動。死ぬ度に減っていく体力。リスクは大きく安易な行動は許されないが、選択肢は豊富で工夫の余地は広い。実にやりごたえのあるゲームバランスだと思う。

まぁボス戦があんまり面白くないんだけどね、ダークソウル2は。この点に関しては、なんか批判的になってしまったダークソウル3が非常に強い。
ソウルシリーズはとにかく盾受けが強くて、これで敵に関する難局はほとんど打開できると言っても過言ではなく、ボスも例外ではないのだが、ダークソウル3は盾受けが通用するボスが少なくて白熱した。
スピード感がアップしていることもあって敵の攻撃も激しく、アクションゲームとして面白いし、中盤から敵が本気を出してくるのも盛り上がる。何よりボスのデザインや戦い方が超カッコいい。ボス戦は印象に残る戦いばかりだったな。

さてさて、何をやろうかな。ブラッドボーンはもうやり切った感があるから置いておくとして、道中が面白いのはダークソウル2、ボスが面白いのはダークソウル3、って感じか。
実は大幅に変更が加えられたPS4版のダークソウル2はまだクリアーしてないから、これで良いかな。でも、ダークソウル3のときめくボス戦をまた体験したい気持ちもある。
まぁ本当は、ボス戦も道中もストーリー性も最高に面白い、初代ダークソウルが一番やりたいんだけど。でもあれはPS3しか選択肢がないというジレンマ。リメイクかリマスターしてくれないかなー。