FPSの念願



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PS4のFPS。開発はインパルスギア。

少ない敵の種類。変わり映えのないシチュエーション。平坦なレベルデザイン。全く特徴のないゲームシステム。ありがちな設定。退屈なストーリー。
何の独自性も魅力もない普通すぎる普通なシューティングゲームだが、このゲームにはVRという唯一にして最大のオリジナリティがある。
俺が知る限り、まだこのジャンルでVRに特化して作られたものはない。とりあえず俺はこれが初めて。
プレイヤー主観をゲームシステムの根幹に置いているFPSと、プレイヤーがゲームの主人公になる体験ができるVRは、どう考えたって最高の相性だが、実際のところどうなのか。

疑いの余地なく、完璧な組み合わせでした。もう想像した通りの体験。そりゃそうだよねー。本来FPSがやりたかったことを実現できてるんだから。
主観視点の迫力、死角の怖さ、そこにいるという臨場感。テレビを通してはどうしても擬似的な感覚でしか伝わって来ないが、VRを介する事で全部本物になる。
しかも、このゲームに割と本気の投資をしているソニーは、これの発売に合わせてモーションコントロール対応のガンコントローラーも発売。銃を握りしめ、構え、狙い撃つという感覚も本物に。まさか片目をつぶって焦点を合わせ、敵を狙い撃つという体験ができるとは。
これぞまさしくシミュレーター。どこまでグラフィックの質を向上しても、処理速度を滑らかにしても、テレビの中の出来事という現実を超える事は不可能だったが、VRの登場によって、プレイヤーが本物の戦場を体験するというFPSが目指してきた念願がついに叶ったわけだ。

しかしこのゲーム、結構難しい。普通に何回も死んだ。
しかもチェックポイントが案外少ないから結構巻き戻されるのだが、何回も死んで巻き戻って、という事を繰り返してると、段々と仮想現実の感覚が鈍ってくる。あれ?これゲームなんじゃね?という感じになる。いや実際これはゲームなんだけど。
そして長い。やたらとボリュームがある。クリアーまで7時間くらい。演出やシチュエーションのバリエーションが豊富なら良いが、展開に起伏がないのでただ無意味に長いだけ。同じ事の繰り返しが多いし、普通にダレる。
VRという新鮮味と驚きが重要なジャンルで、このバランス調整や引き伸ばしのボリュームはどうなんだと思う。せめて難易度選択は欲しかったな。

モーションコントロールの精度は素晴らしかった。難易度は高いが操作性の問題でストレスになることはない。ゲームオーバーになっても自分が悪いと納得できる。
あと、個人差はあると思うが、俺はあまり酔わなかった。FPSだから覚悟していたのに。多分カメラが平面にしか動かせないからだと思う。ぐるぐる回せると絶対酔うので正解。

酔いは少ないし、精度は素晴らしいし、FPSをVRで体験するという部分は充分満足できるクオリティだが、それを邪魔する要素が多い。
VRの目玉タイトルとして売り出すために大作としてボリュームあるものにしたんだろうけど、ただ平べったく引き伸ばしているだけで無駄。短くまとめて濃い体験を作ってくれた方が何倍もマシ。VRはアトラクションなんだし、短い方が良い。
でも、VRを持ってるならとりあえず買っとくべきだと思う。VRでFPSを体験できるゲームは今の段階では貴重だから。ついでにガンコントローラーも買おうね。