臨場感に寄ったADV



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PSVITAのアドベンチャーゲーム。開発はエクスペリエンス。

基本はストーリー重視のテキストアドベンチャー。しかし、ダンジョンRPGを作り続けてきたエクスペリエンスが開発ということで、そこら辺のノウハウがかなり活かされている。
樹海や学校などに実際に潜り込み、アイテムや元凶を探したりするのだが、そのパートはエクスペリエンスお得意の2Dダンジョン的な構成で進行する。要するにテキストで文字として流されるのではなく、プレイヤーが実際にキャラを操作してゴールまで導く。
しかもこのゲーム、戦闘まである。まぁただ正しいアイテムを組み合わせるだけのパズルだけど、それをドラクエ的な戦闘画面で見せてくるから中々ユニーク。
全体マップがないから道に迷うし、アイテムの隠し場所は分かりにくいし、謎解きは重箱の隅を突くような細かさで鬱陶しいし、カーソルを動かしてたらいきなり心霊が飛び出してくるのがビビるし、とにかく面倒くさいことこの上ないが、主人公の苦難をプレイヤーが自分の事として体験できるという、実にゲームらしい一体感があり、ストーリーに入り込みやすかった。
やっぱり自分で動かして体験できる、というのは没入感が違う。ゲームという媒体を活かしていて良いと思う。

謎解きは割とシビア。大体この手のゲームはしらみ潰しに当てはめていけば何とかなるが、これは何とかならなかった。ちゃんとストーリーやアイテムの効果を理解してないと解けないようになっている。
そこはプレイヤーを惰性にさせないための調整として良いが、手順まできっちり踏む必要があるのは面倒くさい。
正解のアイテムは分かりきっているのに、どうしても仕掛けが解けなくて、何でだろうと思ったら、アイテムを使う前に調べるコマンドで対象を確認する必要があったとか、分かりにく過ぎるよー。
分かりにくいと言えば、戦闘時にアイテムの効果を考えて順番に使っていく必要があるのに、戦闘のコマンドからアイテムの説明が読めないのはあまりにも不親切。
わざわざオプションを開いて、アイテム項目に飛んで、あれ、何のアイテムの説明が読みたかったんだっけ、また戦闘の画面に戻って・・・面倒くさいわ!
まだある。このゲーム、何故かバックログがない。テキストゲームなのに。あり得ない。意味が分からない。最近のアップデートでバックログが見れるようになったらしいが、遅すぎるっつーの。

ストーリー。内容はない。まぁホラーだからこんなもんか。
結局、このゲームは極力プレイヤーに操作させようとしているので、ストーリーの部分はテンポ重視になっている。テキストゲームなら人物の内面や歴史を掘り下げたり細かい描写をネチネチと重ねたりするが、その辺りをバッサリと切っている。ここがテキストゲームでありながら他の同ジャンルとは大きく違う点だ。
故に、ストーリーや世界観の面白味はそんなにない。どっかの怖い話で聞けそうなありきたりなものばかり。
が、そこを割り切って、このゲームは臨場感に重視した舵取りをしているのだから、これは仕方のない事ではある。何かを選び取るなら、何かを捨てなければならない。
一つ言えるのは、ホラーだからストーリー性は元々気にするものでもないし、臨場感に寄ったのは悪い選択ではなかったと思う。
だけど、怖くないんだよな。全く。せっかく主観視点の探索という形を取っているんだから、もっと色々やりようがあったんじゃないかと思う。怪異から逃げ回るとかさ。

それにしても、無駄にパラメータとかあったから最初はRPGなのかと期待しちゃったけど、割と普通のアドベンチャーだったな。
どこか作ってくれないかなー、ホラーのRPG。絶対つまんないだろなー。