生命の螺旋は複雑だね



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PS4のシミュレーションゲーム。開発はトイボックス。

何もない立方体が与えられて、そこに神様であるプレイヤーが色んな細工をし、様々な生命が生まれ育んでいく様子を観察するゲーム。
何だか壮大な内容だけど、やることは単純。ただ土地を隆起したり沈降させたりするだけ。あとはアイテムが色々あるくらいで、プレイヤーが出来ることは驚くほど少ない。
なのに、ちょっとした環境の変化の隙を突いて新しい生命がポコポコ生まれる。逆に、ほんの少しバランスが崩れると滅びてしまう。
大してお膳立てもしていないのに勝手に湧いて出てくる生命の逞しさを感じられると共に、繊細に気を使わないと呆気なく散ってしまう生命の儚さも伝わってきて、この二つを同時に感じられるのが生命シミュレーションとして面白い。

と、適当にやっていても勝手に生命は生まれ環境が構成されていくのは何だか趣を感じるが、当然それだけじゃ終わらない。ある程度高度な生物を作ろうとすると、進化を促す必要があるため、綿密にバランスを調整する必要がある。
気温、湿度、水量、地理、食物連鎖など、それぞれの生物にはかなり細かい発生条件が設定されていて、ゲームとして奥が深いし、進化の流れが唐突じゃなく説得力がある。
一方、操作自体は地面の上げ下げとアイテムの使用の二つにまとまっているので非常にシンプルで分かりやすい。逆に言うと単調でもあるけど。

ちなみに俺は途中で投げました。どうしてもイクチオステガが作れませんでした。
不満なのは、生物の様子が分かりにくいこと。マップが狭いので生物はかなり小さいサイズで表現されている。せっかく新しい生命が生まれてもどこにいるのか分からない。
故に、建物が並ぶシムシティとかと違って環境の変化が分かりにくい。ジワジワと環境が更新されてどんどん発展していく様子を眺めるのがこの手のゲームのカタルシスだが、これはそれが薄い。
多分、大型の動物が発生する頃には目に見えて環境が変化するようになるんだろうけど(人間が生まれたら王宮や家も作るらしい)とにかく発生条件がややこしくて中々環境を更新できず、せっかく次の段階に行っても変化が分かりにくくて達成感が薄いし、という事を繰り返しているうちに飽きやすい俺は投げちゃいました。
でも、生命シミュレーションというジャンルは珍しいし、かなりリアリティを大事にして作られているので、生物が好きな人には堪らないゲームだと思う。