生きてる



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PS4のアドベンチャーゲーム。開発はgen DESIGNとSIEジャパン。

トリコがちゃんと生きてる。作りものであることを感じさせない自然な挙動と、まるで意思を持っているような振る舞いに終始驚かされた。
中々思い通りに動いてくれないけど、それも当然。だってトリコは単なるプログラミングなんかじゃないもん。かけがえのないパートナーなんだもん。生きてるんだもん。
まぁ実際はプログラミングで動いているわけだけど、それにしてもゲームであることを感じさせないトリコの本物っぷりは凄かった。生きた存在として感じさせてくれるから愛情を持って接する事ができる。

そんなトリコと一緒に仕掛けだらけの遺跡を突破する。
大きなトリコと小さな少年。それぞれ自分にしか出来ない事をして、力を合わせながら困難を乗り越えていく。
うん。とっても感情移入しやすいシチュエーションだね。前半はトリコに助けられてるだけじゃんと思ったけど、後半からは少年も活躍するし。
凄いのは、謎解きがものすごく自然に設置されていること。ここでも作りもの感が殆どない。故に臨場感が凄い。
もちろん謎解きはトリコを活かしたものが多いが、さっきも言った通り、動きはトロいし、中々思い通りに動いてくれない。
ここで、もうトリコちゃんったら仕方のない子ですね〜と受け止められるかどうかで本作の印象は大きく変わる。結局のところ、トリコを生きた存在として感じ取り、愛を持って接する事が出来るかどうかが全てのゲーム。
ちなみに俺はせっかちなので、割とイライラしました。分かってても早くしろよコラと思ってしまった。
でも最後はそれなりに感動した。イライラの感情も思い出として積み重なっていた。ICOやワンダと違って今作はストーリーも分かりやすいので、すんなり伝わってくると思う。

時間をかけただけのことはあるね。トリコは紛れもなく生きてる。ちょっとでも不自然に感じる部分があれば台無しになるところだが、完璧だった。凄い。
クリアーしたあとはほぼ何もない。高難易度モードも、オンラインも、DLCも。15時間遊んでクリアーしたらはいおしまいというゲーム。
収集やトロフィーでのタイムアタックはあるが、それもゲーム中に記録を確認できるわけではない。
あくまでゲーム的な部分を徹底的に排除している。だからこの世界は成立している。だから生きた世界として入り込む事ができる。
今の時代にこういうゲームが大作として出てきたことが奇跡に近い。良くぞ完成させてくれたなと思う。