本当に最後だった



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PS4のアクションゲーム。開発は龍が如くスタジオ。

いやー、ストーリー気合入ってるわぁー。サブの要素をほぼやらずにクリアーしてタイムが18時間だったけど、そのうち6〜7割がムービー。最後らへんとか90分くらいずっとムービーだった。
FF15で切に思ったけど、ストーリー中心のゲームでその物語がキャラ主導の観賞型であれば遠慮せずにムービー使いまくれば良いんだよな。ムービーはストーリーを印象的に伝える事ができるんだから。
でも、すいません。流石にこれはムービー長げぇなって思っちゃいました。まぁメインだけひたすらやってたからそう感じたのかも知れないけど。でもサブ要素もムービーばっかだしあんまり変わらないか。流石にムービーとプレイアブルは1:1.5の割合くらいには収めて欲しいな。
ともかく、今作はいつも以上にストーリーを見せたいという事が伝わってくるが、それも当然だろう。何せ今作はシリーズの大黒柱である桐生一馬の最後の物語だ。
しかし、肝心のストーリーが微妙だった。良い風に話を見せているけど、よくよく考えたらおかしくね?と思う部分が非常に多い。
特に、前半の主人公の行動は謎だった。もうヤクザとは関わらないと心に決めながら、自ら積極的に絡んでいくスタイル。いつも通りと言えばそうだけど、今作は赤ん坊という何よりも一番に考えて守らなければならない存在がいるのに、わざわざ危険のある場所に自ら踏み込み、火に油を注ぐのだから意味が分からない。
しかも児童施設の職員から誘拐まがいの事をしてまで自分が面倒を見ると赤ん坊を連れ出しておきながら、結局自分のせいで危険に巻き込んでいるから主人公がただの自己満足野郎にしか見えない。
全体的に、登場人物の行動や意思の末に物語が作られているのではなく、決められた物語にするために都合良く人々が動く。だからもの凄くわざとらしいし、安っぽく感じるんだよな。
あと、ビートたけしがメインのキャラとして出てくるけど、ここら辺の話もねぇ。話だけ聞くと悪くないけど、お前ら痴呆にでもなったのかと言いたくなるくらい肝心なところをわざと忘れたフリしてるからなぁ。やっぱり場面ありきでストーリーとしての芯は通ってないんだよな。
ともかく、話が退屈だし、印象に残るシーンもそんなになく、ひたすらムービーが長いなぁというだけの展開がダラダラと続いた。リアルタイムムービーでは、台詞が切り替わるごとにスキップボタンが点滅するのもウザい。
ただ、終盤からは少し盛り上がる。国を揺るがしかねない秘密とかいう大層なものも、実際に映像として見せてくれるので割と説得力があったし、家族を前面に押し出したテーマも中々に伝わって来る。
そしてそのテーマは、主人公である桐生一馬の最後の物語に、大きな意味を持っている。ラストの締めくくりは、桐生一馬の意思として、家族のテーマとして、彼の物語の最後として、申し分ない結末だと思った。

ゲームとしては、いつもの龍が如く。主人公は一人になり、幕末という世界観でもなく、バブルという時代背景でもない、本当に王道でマンネリの龍が如く。広島の舞台が新しいくらいで、新鮮な要素はほとんどない。
ただ、成長要素がパワプロのサクセスみたいになってるのは面白い。筋力、俊敏、根性、技巧、魅了と5項目があり、バトルだけでなく、サブイベントや収集、ミニゲーム、キャバクラ、食事などで、それぞれ対応した項目に経験値が溜まっていく。龍が如くと言えば、メイン以外に豊富な遊びが詰め込まれているシリーズだが、その特性を活かしてプレイヤーの遊び方次第で自分だけの桐生一馬が作れるこの成長システムは面白い。
それに合わせてか、今作は敵がかなり強い。レベル上げが必要というほどでもないけど、それなりにサブの要素を遊んでねという調整になっている。
ただ、ムービーを挟んでも体力が回復しないのが納得しないんだよな。戦闘が始まったらもう死にかけ状態。死ねば全回復するので、とりあえず一回死んでリスタートしておこうかとなる。せっかく盛り上がる演出でバトルが始まるのに、ものすごく興が冷める。

ストーリーが面白いか、ゲーム部分が面白いか、二分されている事が多い龍が如くだけど、今作はどっちも微妙だったな。
ただ、最終作としては割と納得できる終わり方だった。有耶無耶な感じにしなかったのは潔くて素晴らしい。
龍が如くファンの人なら、やっぱり見届けなきゃいけないよね。