これが本気?



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PS4とXboxOneのアクションゲーム。開発はDICE。

パルクールアクションゲーであるミラーズエッジの新作。
パルクールと言えば、アサシンクリードやアンチャーテッドのような、スティックとワンボタンの組み合わせで手軽に出来るものが多いが、ミラーズエッジは主観視点で死角だらけな上にアクションが多く、かなり複雑な操作を求められる。
故にハードルは高いが、臨場感は強い。主観視点によって疾走感や衝撃は迫るように伝わってくるし、落下するのではないかという恐怖も相当なもの。アクションにしてもちゃんと対応した操作をしないとパルクールが決まらないので自分で動かしているという実感があり、キャラとの一体感があると共にゲームとして奥が深くて面白い。
そういうアクション性が高い作りでありながら、前作は、テクニックというよりは如何にしてパルクールできる突起を探すかというパズル的な意味合いが強く、しょっちゅう足を止められて非常にテンポが悪かったが、今作はゴールまでのラインが表示されるようになり、またアスレチックの構造も単純化して、スピードに乗って突き進めるので爽快感があった。
前作は前作でより高度なパルクールが求められてスルメゲー的な面白さがあったけど、分かりやすくアクロバットなアクションと疾走感が楽しめる今作の方が俺は好み。

で、今作の最大の特徴であるオープンワールド。移動が面倒くさくなりがちなシームレスマップもパルクールのおかげで面白味に変わってるし、開放感と立体感のある空間を自由にアクロバットで飛び回れるのは楽しくて怖くて素晴らしい。
ミラーズとオープンワールドの相性は非常に良好、かと思いきや、マップの見栄えや作りが単調なので、段々と移動が面倒になってくる。ガラスを基調にしたスケルトンな世界、というのは確かにユニークだけど、逆に言うと味気ない。何度も同じ道を行ったり来たりさせられるオープンワールドでは単調さに拍車がかかるだけだった。
オープンワールドらしくそこら中にミッションが散らばってるが、それもまたどれも似たようなものばかりでつまらないとしか言いようがない。

一番アレだったのは、近接戦闘。地味だし、単調だし、駆け引きないし、面倒だし、で、あまりにも練り込みが足りない。なのにやたらと近接戦闘に限定した場面が多いのだから意味が分からない。
アクションを成功するごとにゲージが溜まって、その間は敵の銃撃を全てかわしきるというアイディアは面白いけどね。

そして、ストーリーがヤケクソだった。多分、途中でどうでも良くなったんだと思う。あまりにもあんまりな展開に度肝を抜かれる。

DICEがバトルフィールドの片手間に作りました、という気配がプンプンに漂ってたな。オープンワールドもシステムもストーリーもバランスも全て作り込みが甘い。まぁこれぐらいで良いだろうという妥協を感じてならない。
率直に言って期待外れだったけど、主観視点でパルクールの怖さと疾走感をダイレクトに体験できるという、唯一無二の魅力があるゲームだし、気になるなら買いだよね。