ダークソウル。ただそれだけで面白い
PS4とXboxOneのRPG。開発はフロムソフトウェア。
やっぱりダークソウルは最高に面白いわぁ。
もう本当にね、レベルデザインが今回も天才的なんだよね。敵と地形と罠が一緒になって襲いかかってくる常に油断ならない配置バランス。大胆かつ繊細に繋がり、驚きと発見に満ちたフィールドデザイン。奥行きのある世界観を重厚感たっぷりに表現したアートワーク。
ダークソウルの3大要素である、世界観・アクション・探索と言った部分を支えているマップデザインは、今回も文句無しに素晴らしい。オープンワールドという物量押しのフィールドがスタンダードになってから、探索意欲をくすぐられる構造や駆け引きのあるレベルデザインを持つマップのゲームは今や殆ど消え失せたが、ソウルシリーズのマップデザインは毎回永久保存レベルで凄い。しかもちゃんと物量も持ち合わせ、シームレスに繋げてオープンワールドとして表現できているのだから本当に恐れ入る。
と、言うわけで、ダークソウルのジャンルを体現していると言っても良い、マップデザインがとてつもないクオリティで作られているので、今回も安定して面白いのだが、まぁそれはいつものことではある。
今作ならではの要素は何かと言えば、とにかく快適で、遊びやすいところだ。
例えば、アクションの動きが素早い。ブラッドボーンほどではないが、サクサク動くので狙ったアクションが決まりやすいし、単純に爽快感がある。それに合わせて敵の動きも激しくなり、ボス戦はブラッドボーン的な後半からハイテンポになる敵が多い事もあって白熱する。今回は安易に盾が通用する敵が少なく、いつも以上に知恵とテクニックを駆使する必要があって面白かった。
次に、ユーザービリティ化がかなり推し進められている。前作から引き継ぎの部分が多く、武器がたくさん持てたり、ワープがやりやすかったり、スキルを振り直せたり、周回も任意のタイミングで行えるようになっている。対して、一定の個数を倒すと枯渇してしまう雑魚の仕様や、すぐに壊れやすくなる武器の耐久値や、死ぬと最大体力値が減っていくという仕組みなどは無くなっている。バクスタやパリィの隙も消えている。
ダークソウル2は、幅広い選択肢をプレイヤーに与える代わりにシビアにゲームバランスを絞る、という調整の仕方をしていたが、その面倒くさい部分だけを取っ払って遊びやすい要素だけを引き継いでいるわけだ。
一方で、スキルの振り直しや任意の二周目など、今作は予定調和な感じに収まっており、ブラッドボーンや初代ダークソウルなど、宮崎氏がディレクターを務めたゲームで強く見られた、生きた世界への拘りも薄れてしまったように見える。
それはオンラインの仕様にも現れている。今までは生身だと問答無用でオンラインのプレイヤーが侵入してきて初心者殺しも少なくなかったが、今作は自分の武器やレベルに合わせたプレイヤーしか入って来れないし、そもそもランダム侵入は特定のエリアのみになった。理不尽な出会いや引き返せない選択、説明されないシステムなど、そう言った予定調和を超えた部分があるからこそ、生きた世界として没入できる、というのが宮崎氏のダークファンタジーをプレイしていると強く感じられたが、今作は随分とそれが弱い。
何が言いたいかと言うと、無難だった。初代の生きた世界。2の芯の通ったゲームバランス。ブラッドボーンの死闘感。フロムのダークファンタジーは、少なからずユーザービリティを犠牲にし、一つのコンセプトのもとにチューンナップして、独自の尖った魅力を作っていたが、今作はそれがない。シリーズから美味しい所を揃え、それを破綻なく纏めているだけだ。
遊びやすいし、快適だし、間違いなくシリーズ最高の完成度だが、何だか残念にも感じる。こういうモノを作りたい!という意思がイマイチ見えないからだ。今まではそれが見えた。鬱陶しいくらいに何がやりたいのか伝わって来た。確かに不便に感じる事もあったが、それを軽く吹き飛ばす、オンリーワンのパワーがあった。しかし今作は、ただ普通にダークソウルやってるな、という感情しか生まれなかった。
うーん、でもシリーズ作品なんてそんなもんか。ブラッドボーン、初代ダークソウルは実質新しいタイトル扱いだから受け入れられたけど、ナンバリングとなったダクソ2は新しい取り組みしたらかなり批判されたしね。好評の要素を破綻なくまとめる、それもシリーズ作品では大切な事だよな。
実際、今作の取捨選択は良い感じに機能している。キャッチーだし、爽快だし、快適だし、間違いなく楽しい。下手に新機軸を取り入れていない分、王道のダークソウルとして楽しみやすい。
シリーズの軸であるマップデザインもとてつもないクオリティで作られているので、フロムのダークファンタジーファンなら満足する事間違いなし。しかし、残念な事にダークソウルは今作が最終作。
上で無難だと文句を言ったくせに、本当のところ、ゲームが終わる頃には、全くバランスも仕様も変えなくても良いから世界設定だけ変えて新しく作ってくれ!と心の中で呟いていた。ダークソウルは、それだけ強固で、魅力に溢れたゲームだった。
PS4とXboxOneのRPG。開発はフロムソフトウェア。
やっぱりダークソウルは最高に面白いわぁ。
もう本当にね、レベルデザインが今回も天才的なんだよね。敵と地形と罠が一緒になって襲いかかってくる常に油断ならない配置バランス。大胆かつ繊細に繋がり、驚きと発見に満ちたフィールドデザイン。奥行きのある世界観を重厚感たっぷりに表現したアートワーク。
ダークソウルの3大要素である、世界観・アクション・探索と言った部分を支えているマップデザインは、今回も文句無しに素晴らしい。オープンワールドという物量押しのフィールドがスタンダードになってから、探索意欲をくすぐられる構造や駆け引きのあるレベルデザインを持つマップのゲームは今や殆ど消え失せたが、ソウルシリーズのマップデザインは毎回永久保存レベルで凄い。しかもちゃんと物量も持ち合わせ、シームレスに繋げてオープンワールドとして表現できているのだから本当に恐れ入る。
と、言うわけで、ダークソウルのジャンルを体現していると言っても良い、マップデザインがとてつもないクオリティで作られているので、今回も安定して面白いのだが、まぁそれはいつものことではある。
今作ならではの要素は何かと言えば、とにかく快適で、遊びやすいところだ。
例えば、アクションの動きが素早い。ブラッドボーンほどではないが、サクサク動くので狙ったアクションが決まりやすいし、単純に爽快感がある。それに合わせて敵の動きも激しくなり、ボス戦はブラッドボーン的な後半からハイテンポになる敵が多い事もあって白熱する。今回は安易に盾が通用する敵が少なく、いつも以上に知恵とテクニックを駆使する必要があって面白かった。
次に、ユーザービリティ化がかなり推し進められている。前作から引き継ぎの部分が多く、武器がたくさん持てたり、ワープがやりやすかったり、スキルを振り直せたり、周回も任意のタイミングで行えるようになっている。対して、一定の個数を倒すと枯渇してしまう雑魚の仕様や、すぐに壊れやすくなる武器の耐久値や、死ぬと最大体力値が減っていくという仕組みなどは無くなっている。バクスタやパリィの隙も消えている。
ダークソウル2は、幅広い選択肢をプレイヤーに与える代わりにシビアにゲームバランスを絞る、という調整の仕方をしていたが、その面倒くさい部分だけを取っ払って遊びやすい要素だけを引き継いでいるわけだ。
一方で、スキルの振り直しや任意の二周目など、今作は予定調和な感じに収まっており、ブラッドボーンや初代ダークソウルなど、宮崎氏がディレクターを務めたゲームで強く見られた、生きた世界への拘りも薄れてしまったように見える。
それはオンラインの仕様にも現れている。今までは生身だと問答無用でオンラインのプレイヤーが侵入してきて初心者殺しも少なくなかったが、今作は自分の武器やレベルに合わせたプレイヤーしか入って来れないし、そもそもランダム侵入は特定のエリアのみになった。理不尽な出会いや引き返せない選択、説明されないシステムなど、そう言った予定調和を超えた部分があるからこそ、生きた世界として没入できる、というのが宮崎氏のダークファンタジーをプレイしていると強く感じられたが、今作は随分とそれが弱い。
何が言いたいかと言うと、無難だった。初代の生きた世界。2の芯の通ったゲームバランス。ブラッドボーンの死闘感。フロムのダークファンタジーは、少なからずユーザービリティを犠牲にし、一つのコンセプトのもとにチューンナップして、独自の尖った魅力を作っていたが、今作はそれがない。シリーズから美味しい所を揃え、それを破綻なく纏めているだけだ。
遊びやすいし、快適だし、間違いなくシリーズ最高の完成度だが、何だか残念にも感じる。こういうモノを作りたい!という意思がイマイチ見えないからだ。今まではそれが見えた。鬱陶しいくらいに何がやりたいのか伝わって来た。確かに不便に感じる事もあったが、それを軽く吹き飛ばす、オンリーワンのパワーがあった。しかし今作は、ただ普通にダークソウルやってるな、という感情しか生まれなかった。
うーん、でもシリーズ作品なんてそんなもんか。ブラッドボーン、初代ダークソウルは実質新しいタイトル扱いだから受け入れられたけど、ナンバリングとなったダクソ2は新しい取り組みしたらかなり批判されたしね。好評の要素を破綻なくまとめる、それもシリーズ作品では大切な事だよな。
実際、今作の取捨選択は良い感じに機能している。キャッチーだし、爽快だし、快適だし、間違いなく楽しい。下手に新機軸を取り入れていない分、王道のダークソウルとして楽しみやすい。
シリーズの軸であるマップデザインもとてつもないクオリティで作られているので、フロムのダークファンタジーファンなら満足する事間違いなし。しかし、残念な事にダークソウルは今作が最終作。
上で無難だと文句を言ったくせに、本当のところ、ゲームが終わる頃には、全くバランスも仕様も変えなくても良いから世界設定だけ変えて新しく作ってくれ!と心の中で呟いていた。ダークソウルは、それだけ強固で、魅力に溢れたゲームだった。
コメント
コメント一覧 (5)
どんなものだって、無難な道に逃げて欲しくないですよね
でも、プレイヤーへの挑戦状そのものであるソウルシリーズは、もっと攻めて欲しかったなぁ
ダークな世界観・厳しい難易度・奥深いアクションという基盤で既にエッジが利いていながら、それとはまた別の部分で尖った魅力を持っていたのがフロムのダークファンタジーの凄みだったんだけどね
ファンサービスにも様々な層の深度、グラデーションがありますが、燃え尽きたものを再生し再び火(文明の光)を熾す、あるいは闇(人の諸元)に帰す、という側面のある話でもあり、過去としてのシリーズ中の歴史への言及をうれしく思ったし、最終作として洗練され快適になった設計の諸要素に、私は基本的に満足しました。
しましたが、私や、たぶん、記事中に「生きた世界」という観点が散見される、やたさんにとっても、満足の上を求められる稀有なシリーズなんですよね、ダークソウルは。
国内だとけっこう批判する意見もあるけど、初代ダークの転送に強い制限がかかる、どこまでも繋がるシームレスマップは私はすきでしたねえ、長い時間繰り返し舞台を眺めながら行き来しないと育まれないものもある。
反復に値する、エリア間を繋ぐ芸当だった。
宮崎英高の手になるフロムRPG作品が今までに展開してきた、作り手の意図を超えて拡がる、自律的に熾っている作品側がクリエイターに先行して求めた表現が、ゲームデザインと不可分に結びついて流れる世界、というのとは、ダーク3は位相がやや異なるのかもしれない。
ゲームを進める中で、これは作品側の要請というよりも、才能あるクリエイターの意思によって導かれた、高度に抑制された景色なのだ、という肌触りがはっきりとしてくる。
これだけ亡者化した(笑) ファンのたくさんいるゲームシリーズを勇敢にも終わらせることにおいて、自由に選べる選択肢はいくらでもあるということではないのかもしれません。
ブラッドボーンはミニマリズムの極致ともいえるハードボイルドさにしびれましたが、ダークソウル系統は実に豊かなゲームだと改めてシリーズの柄の大きさを感じていて、長く遊ぶと思います。
コメントの文字制限超えてしまいました 笑
ゲームとして深いものがありながら、こういう世界を見せたいという強い美意識もあって、それが相互に両立している極めて希有なゲームでしたが、今回は完成度重視で無難にまとめられた感があり、特別な感動は少なかったですね。その辺りは率直に言って残念でした。
まあでも、3はシリーズの区切りとなる1作だから、今まで支えてくれたファンに向けて、という事だと思いますね。ダークソウルとしての魅力は余すところなく詰め込まれていたので満足。