典型的




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PS4とXboxOneのRPG。開発はCD project red。

・物量が凄い。特にムービー。どんだけ詰め込んでるんだってほどイベントがあり、話の部分はほぼ全てムービーで語ってくれる。
大抵の海外RPGは、ストーリーはプレイヤーの感じ方次第としているのであえて印象的に見せないようにしているが、これは主人公に明確なキャラ付けがなされているからドラマ性が高いし、ムービーで演出して話を見せてくれるから印象的に物語が伝わってくる。吹き替えのレベルも高い。ちょっとしたお使いクエストもムービーで豪華に見せてくれるので作業が作業に感じられなかった。
分岐がメインなので話の筋自体はそんなに面白くないが、選択肢によるストーリーの変化は相当なのもの。しかも選択肢による変化はその場だけではなく、後々の話にも影響してくる。それまでの選択による出来事が少しずつ、何重にも重なって、結果的に大きな変化をもたらす、という構造がとても面白いし、ここまで複雑に因果が絡み合っているストーリーの作り込みに驚きを隠せない。自分で物語を動かしている感は凄まじく、半端じゃない臨場感があった。
また、自由度が高いのでNPCに依頼される前にその目標を達成していたということが良くあるのだが、その場合の会話パターンも用意されていて、自然に会話が繋がっていくのが驚きだった。このゲームのストーリーと会話の作り込みは尋常じゃない。

・マップがビックりするほど広い。ただ広いだけでなく、至る所にイベントや街、ダンジョン、お宝が散りばめられているので探索が楽しい。でもロケーション的には単調。
好きな場所でワープが使えないのは移動の作業化を抑える意味で悪くない取り組みだと思うが、ワープ場所をミニマップのコンパスで示して欲しいなとは思う。ワープしたいと思う度に、マップを広げてワープの使用ができるポイントにマーカーを置いて、というやり取りが必要なのが面倒くさい。

・調査が面白い。モンスターと対峙する前に、事前調査してモンスターの生態を調べてから戦いに入るのが良いメリハリ。どんなモンスターが出てくるんだろうと戦い前の盛り上げとして機能してるし、イベントの工程のアクセントにもなってる。

・バグが少ない。フリーズがほぼない。と、動作が安定してる。特に建物やダンジョンにロードを挟まないでシームレスに入れるのが最高に快適。
インターフェースも悪くない。メニューは煩雑だが、装備の比較がしやすいのがとても良い。

・戦闘がつまらない。カメラが敵の真正面に向くよう変な補正がかかるのがウザいし、とにかく距離感が掴みにくい。攻撃空振りしまくり。カメラが遠いからか敵がやたらとこじんまりと見え、動きも分かりにくい。基本ゴリ押しでいけるから問題ないけどさ。敵の動きは単調な上にスタミナの概念も無いから、適当にボタン連打してるだけで余裕。どんどん敵が強くなっていくという感覚も薄く、ゲームとしての展開は極めて平坦で味気がない。
せめて戦いの雰囲気だけでもあればと思うが、このゲーム、敵が本当に小さく見えて仕方ないんだよな。ドラゴンや巨人と言ったモンスターも出て来るが、全然迫力がない。弱いし、迫力が無いしで、モンスターとの戦いに期待してた俺としてはガッカリも良いところだった。敵も主人公もモーションがしょっぱいから、全然映像として映えないし。
育成も面白くない。能力値上昇ばかりで、出来ることが増えていく感覚がない。というか、単純に出来る事が少ない。スキルも全然幅が無いし、アクションはかなり単調だと言わざるを得ない。
ただ、どの敵にも弱点となるスキルやアイテムが存在するのは良かったかな。面倒くさい敵も、弱点を付けばあっさり倒せるのはRPGらしい調整で良い。戦闘で使用するアイテムは調合で作るのだが、一度作ったアイテムは瞑想して手持ちに酒系のアイテムがあればまた補充されるというのはとても便利だった。

典型的な海外ゲームだった。物量と映像は凄いが、ゲームとしては単調で面白味が薄い。
でも、ストーリーの見せ方が本当に贅沢で印象的に伝わってくるし、物語が緻密に繋がっていく感覚がとても面白かった。冒険してる感も凄いし、スケールも壮大。大作RPGとして十二分に楽しませて貰った。