主に映画



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なんか。ものすごく寄生獣が気になる。何でだろ。いや、少し前の金曜ロードショーでやってた映画を見てたら面白かったからなんだけど。
まぁ映画が面白いというよりは、原作の漫画が面白いんだろうけどね。寄生生物を通して人間の性をえぐり出そうという狙いが良い。人間に寄生して脳を支配し、人類を食い滅ぼさんとばかりに捕食している寄生生物は人間の種から見れば明らかな悪だが、人類も他の生物に寄生して生きているわけで、この二種の存在は実に合わせ鏡であり、寄生生物の行動を見てとても分かりやすく人間の行いを省みることができるようになっている。

映画は二部作もので、この前テレビでやっていたのは前編。現在、完結編が公開されているのだが、映画で済ませるか、漫画を読むか迷う。間違いなく原作の方が内容は深いだろうが、最近漫画でも文章を読むのが面倒なので映画でチャチャっと済ませたい気もする。漫画が原作な映画は微妙なのが多いが、金曜ロードショーのカットされまくったであろうあの放送を見てもテーマはしっかり伝わってきたので、普通に完結編も出来は良い気がするしな。
うん。とりあえず映画を見よう。そのあと気が向いたら漫画を読めば良いや。よし、じゃあ前編をレンタルしてちゃんと編集された奴を見とくか。
と、思ってゲオに行ってレンタルし、それを見直してたら、テレビは本当にカットだらけだったのが分かった。テレビ版ではお目にかかれなかったグロ描写がわんさか挿入される。
ひえー、寄生生物が食い残した人間の肉塊とか、首の切断面とか、そんなところまで描写しちゃうのね。これヒットメーカーである山崎貴監督が撮ってるくらいだから売ることを見込んだ大衆向け映画だと思うけど、かなり思い切ってるなぁ。まぁ深刻にグロい感じではなく、わざと作り物感を残してはいるけども。それでも実写のグロは苦手なのでキツいが、人類と寄生生物の境界を見出す上で、寄生生物の特徴である獲物を捕食する虫のような無情さは鍵を握る部分だから、その容赦のない野性味を表現するためにも、この過激な描写はなくてはならないな。
この話は、人間と寄生生物の境界は何か、というところもテーマとして大きな意味を持っている。その違いから、人間とは何か、寄生生物とは何か、を導き出そうとしている。
物語が進んでいくごとに、腕だけ寄生されて脳は人間のままである主人公は寄生生物のように感情を無くし、一方で、人間に寄生していながら赤ん坊を授かった田宮という女は人間の感情を理解し始める。場合によっては、人間と寄生生物はどちらも共通する性質を持っているように見える。人間はともかく、寄生生物は人間に合わせられる見込みがありそうなので、これは普通に共存エンドな気がするが、寄生生物とは何者なのか、という命題にはどういう結論を出すんだろうな。
ヤバい。気になって仕方ない。今日、完結編を観に行こう。