インディーズらしい作り




2015-01-12-14-47-56

PS4のRPG。開発はスーパージャイアントゲームズ。

3000円になるPSNチケットを買ったのでヴァリアントハートでも落とすかと思ってPSストアを起動したら最近配信されたらしいこのゲームが大々的にアピールされているのが目に入り、アクションとストラテジーの融合という宣伝にガシッと心を掴まれて思わず購入してしまった。
しかし値段はDLゲームにしては高めの2400円。結果残高は900円に。嗚呼ヴァリアントハート、前は100円足りなくて諦めたけど今回は600円も足りないね。また機会があったら会おうね。

戦闘は宣伝通り中々面白かった。基本的にはディアブロみたいなクォータビュー視点のアクションだが、時間の流れを止められるのが大きな特徴。
その間は自分も動けないが定められたゲージの容量だけスキルや移動を予約することができ、時間の流れを復帰させた時に予約した分の行動が目にも止まらぬ動きで行われる。後ろに回りこんで斬りつけたあと長距離移動できるスキルで離脱したり、爆弾設置したあと磁力で敵を引き寄せて起爆したりと、予約時の行動の組み合わせによって柔軟な戦い方ができるのが面白い。
敵は全くこの力を利用できないので、こちらが一方的に相手を翻弄させられるのも大きなポイント。気持ち良く敵を手のひらの上で転がせるのが愉快。一時的にスキルを使えなくなるデメリットはあるが、敵の攻撃はかなり激しいので如何にこれを上手く使うかが鍵を握る。
更に楽しいのがカスタマイズ。スキルの種類は幅広いのに4つしか常用アクションとしては設定できないが、スキル同士を合体させられるのがとても良い。ボムスキルの爆発力を付加したハニートラップとか、バウンドスキルの能力を付加した炸裂爆弾とか。合体によってユニークな効果を持つスキルを作れるので色々付け替えて試すのが面白い。もちろん何度でも組み替え可能。
キャラクターを成長させて、新しい力を手に入れて、カスタマイズして、それを戦闘で試す、という流れがとても楽しい。

そしてこのゲーム、異常にテンポが良い。殆ど一本道なため迷わないし、謎解きやムービーなどに足止めを食らうこともなく、戦闘に次ぐ戦闘で構成されているためもうどんどん進んでいく。5時間くらいで終わった。
この分かりやすく戦闘に特化した作りは良いが、戦闘自体もテンポを重視して詰まることがないよう調整されているためあんまりカスタマイズや戦略を考えなくても突破できてしまうのは残念。敵はソコソコ強いが、死んでも一時的に一部のスキルが封じられるだけでそのまま続行するのでゴリ押しでいける。
テンポを大事にした結果だとしても、せっかく凝ったカスタマイズ要素があるんだからもう少し厳しい感じにしてくれて良かった。物足りないのは否めない。自発的に敵を強化できる仕組みがあるからより楽しみたければそれを使えってことか。
ここまでテンポを意識しているのは恐らく世界観とストーリーを見せるためだろうが、これがかなり微妙。抽象的で思わせぶりだけどそんなに深い意味はないというガッカリな感じ。
直接語らずプレイヤーの想像による補完で伝えるという典型的な雰囲気ゲーだが、これの場合はもっと語ってその世界を見せて欲しかった。普通にストーリー型のRPGとして作ってくれた方が面白くなった気がする。アーカイブス見る限りキャラクターも中々魅力的だし。
とは言え限られたリソースで如何にやりくりするかがインディーズにとっては至上命題だろうし、そういう意味ではこの作りが一番理に適ってるんだろうな。