中途半端

PS4・PS3・XboxOne・Xbox360のRPG。開発はバイオウェア。
とりあえず映像が凄い。剣と魔法、教会やお城、そしてドラゴン・・・など、様々な王道を詰め込んだハイファンタジーの世界をハイクオリティなグラフィックの力でかなり盛り上げている。
フィールドはエリア毎に離別しているので完全なシームレスではないが、それでも一つ一つがかなりの広さを誇っているし、いきなりドラゴンが飛来したりドラゴンと巨人が争っていたりしてスケールも抜群。このクオリティで純ファンタジーな世界を冒険させてくれるのだからそれだけでワクワクする。
これだけ迫力のある世界を作ったら普通はリアルなモーションでリアルなアクションが繰り広げられる臨場感重視型のゲームにしようとするのが普通だと思うが、意外な事にこのゲームはあえてその道を捨てている。
モーションは簡略化されていて明らかにテンポ重視。あんまり見栄えはしないが軽快に動いてくれるので楽ではある。戦闘に関してもアクション的なテクニックや立ち回りはあまり重要ではなく、通常攻撃とスキルを組み合わせて戦略的に戦っていくRPG色の強い形式。戦闘にうるさい俺としては嬉しい構成だ。
と思いきや、これが全然面白くなくて激しくガッカリ。敵は強いしスキルも色々な効果が用意されているが、何か深く考える気にさせてくれないんだよな。画面に情報が錯綜しすぎてスキルの効果がどう影響していてどれだけのダメージを与えているのか分かりにくいため恩恵を感じにくく、その上スキルの冷却時間とMP回復が早くてどんどん使えるから何も考えず順番に使用していけば良いやという気分になる。モーションのテンポが良すぎるのも安易なボタン連打に拍車をかける。
ゲームバランスにしてもガード持ちがヘイトを稼いで敵の注意を引き付けその隙に後衛がチクチク攻撃する形を守っていればそれほど深く考える必要はなく、戦略の幅はかなり狭い。
そのくせ調整はシビア。回復魔法はなく、マップも広いのにワープ移動を制限し、戦闘アイテムの手持ち数もかなり限定していて、ちゃんと考えながらプレイしてねという声が聞こえるが、あんまり深くないゲームシステムでこれをやられても面倒くさいだけ。
単調だし、見栄えは冴えないし、面倒くさいしで、戦闘部分がかなりゲームの足を引っ張っていると言わざるを得ない。
ストーリーも微妙。とにかく会話が長すぎてウンザリする。お前らどんだけ喋りたいんだよと。同じバイオウェアが作っているマスエフェクトではこの会話の物量は世界観を深く見せてくれて良かったが、今作はどんだけ語られても全く惹かれない設定だったので苦痛で仕方なかった。完全に趣味の問題だけどね。
ただ、これだけの会話量を全てちゃんと演技して語ってくれるのは凄い。相変わらずの作り込みだ。
ファンタジーの絵作りは素晴らしいので普通のアクションゲームとして作ってくれたら入り込みやすかっただろうが、中途半端な戦闘システムが残念極まりない。
臨場感を多少犠牲にしてまでRPG的な戦闘システムにしているところからもかなり拘りを持っている事はよく分かるし、海外のゲームは戦闘をいい加減に考えていることが多いからこの姿勢は評価したいが、詰めが甘いとしか言いようがない。
戦略的な戦闘にしたいなら、システムの狙いをはっきりさせてそこにリスクのある駆け引きを持ち込まないと。このゲームで言えばガード持ちがヘイトを稼ぐことが鍵を握るわけだが、その点を着目せず、何でもありで懐が深いですよーという感じにしちゃってるからポイントが散漫になって、プレイヤーとしては要領が掴み辛く行き当たりばったりな戦い方になりがちで面白さを感じ取りにくい。
ガード持ちヘイト稼ぎが有効だと気付いたら気付いたで、そこの掘り下げが甘いからリスクがなく、駆け引きが弱い単調な作業になりがち。
アクション的な楽しさがあれば駆け引きが薄くても誤魔化せるけど、このゲームはそれが弱いんだからもっとプレイスタイルを絞ってそこを掘り下げていく形で作っていかないと。今のままでは中途半端すぎる。
もう普通に、底は浅いけど臨場感は凄いいつもの海外ゲームとして割り切って作って欲しかったよ。

PS4・PS3・XboxOne・Xbox360のRPG。開発はバイオウェア。
とりあえず映像が凄い。剣と魔法、教会やお城、そしてドラゴン・・・など、様々な王道を詰め込んだハイファンタジーの世界をハイクオリティなグラフィックの力でかなり盛り上げている。
フィールドはエリア毎に離別しているので完全なシームレスではないが、それでも一つ一つがかなりの広さを誇っているし、いきなりドラゴンが飛来したりドラゴンと巨人が争っていたりしてスケールも抜群。このクオリティで純ファンタジーな世界を冒険させてくれるのだからそれだけでワクワクする。
これだけ迫力のある世界を作ったら普通はリアルなモーションでリアルなアクションが繰り広げられる臨場感重視型のゲームにしようとするのが普通だと思うが、意外な事にこのゲームはあえてその道を捨てている。
モーションは簡略化されていて明らかにテンポ重視。あんまり見栄えはしないが軽快に動いてくれるので楽ではある。戦闘に関してもアクション的なテクニックや立ち回りはあまり重要ではなく、通常攻撃とスキルを組み合わせて戦略的に戦っていくRPG色の強い形式。戦闘にうるさい俺としては嬉しい構成だ。
と思いきや、これが全然面白くなくて激しくガッカリ。敵は強いしスキルも色々な効果が用意されているが、何か深く考える気にさせてくれないんだよな。画面に情報が錯綜しすぎてスキルの効果がどう影響していてどれだけのダメージを与えているのか分かりにくいため恩恵を感じにくく、その上スキルの冷却時間とMP回復が早くてどんどん使えるから何も考えず順番に使用していけば良いやという気分になる。モーションのテンポが良すぎるのも安易なボタン連打に拍車をかける。
ゲームバランスにしてもガード持ちがヘイトを稼いで敵の注意を引き付けその隙に後衛がチクチク攻撃する形を守っていればそれほど深く考える必要はなく、戦略の幅はかなり狭い。
そのくせ調整はシビア。回復魔法はなく、マップも広いのにワープ移動を制限し、戦闘アイテムの手持ち数もかなり限定していて、ちゃんと考えながらプレイしてねという声が聞こえるが、あんまり深くないゲームシステムでこれをやられても面倒くさいだけ。
単調だし、見栄えは冴えないし、面倒くさいしで、戦闘部分がかなりゲームの足を引っ張っていると言わざるを得ない。
ストーリーも微妙。とにかく会話が長すぎてウンザリする。お前らどんだけ喋りたいんだよと。同じバイオウェアが作っているマスエフェクトではこの会話の物量は世界観を深く見せてくれて良かったが、今作はどんだけ語られても全く惹かれない設定だったので苦痛で仕方なかった。完全に趣味の問題だけどね。
ただ、これだけの会話量を全てちゃんと演技して語ってくれるのは凄い。相変わらずの作り込みだ。
ファンタジーの絵作りは素晴らしいので普通のアクションゲームとして作ってくれたら入り込みやすかっただろうが、中途半端な戦闘システムが残念極まりない。
臨場感を多少犠牲にしてまでRPG的な戦闘システムにしているところからもかなり拘りを持っている事はよく分かるし、海外のゲームは戦闘をいい加減に考えていることが多いからこの姿勢は評価したいが、詰めが甘いとしか言いようがない。
戦略的な戦闘にしたいなら、システムの狙いをはっきりさせてそこにリスクのある駆け引きを持ち込まないと。このゲームで言えばガード持ちがヘイトを稼ぐことが鍵を握るわけだが、その点を着目せず、何でもありで懐が深いですよーという感じにしちゃってるからポイントが散漫になって、プレイヤーとしては要領が掴み辛く行き当たりばったりな戦い方になりがちで面白さを感じ取りにくい。
ガード持ちヘイト稼ぎが有効だと気付いたら気付いたで、そこの掘り下げが甘いからリスクがなく、駆け引きが弱い単調な作業になりがち。
アクション的な楽しさがあれば駆け引きが薄くても誤魔化せるけど、このゲームはそれが弱いんだからもっとプレイスタイルを絞ってそこを掘り下げていく形で作っていかないと。今のままでは中途半端すぎる。
もう普通に、底は浅いけど臨場感は凄いいつもの海外ゲームとして割り切って作って欲しかったよ。
コメント
コメント一覧 (2)
いかに自分が遊びたいと思っているゲーム性と、
洋ゲーのゲームシステムが乖離しているのかがわかりますね…。
まあ海外でもベヨネッタ2やダークソウル2が評価されているのを見ると、
まだまだ日本向けのゲームがあちらでも人気なのかもと思いますけど
でもそこが海外ゲームの良いところだし、そこを突き詰めようとするとシステムは単純な方が良いので、もういっそのことシステムに気を使わない方が良いかも知れません。
中途半端に頑張ると、今作のドラゴンエイジみたいになりますし。
ドラゴンエイジの戦闘は自由度を気にし過ぎで、確かに本作の魅力は多種多様な仲間にもあるので、幅広いアプローチで作りたいというのは分かりますが、それならシンプルなアクションの方が浸透性が高いわけで、戦略を意識した戦闘システムにした理由が謎。
わざわざ臨場感を削ってまでそうしているのに、何でもOKという中途半端な掘り下げのせいで、結局薄っぺらいものになってるし、結果的に何がしたいのか良く分からないことになってますね。