いつも通りだった



2014-12-07-03-09-38


PS4とXboxOneのアクションゲーム。開発はUBIモントリオール。

映像が凄い。パルクールアクションが楽しい。世界観毎回似たり寄ったりで飽きた。操作性が悪い。インターフェースが全く直感的でない。目的が分かりにくい。色々出来るがごちゃごちゃしていて取っ付きが悪い。ストーリーがどうでも良い。主人公に心底共感できない。ロードがクソ長い。
と言う、大方いつも通りのアサシンクリードなのだが、一番どうにかして欲しかったステルス部分はかなり工夫されていた。

アサクリと言えば、ステルスゲーという形を取っていながら現実は武器持って賊みたいに突っ込むのが一番楽というこのジャンルにありがちな傾向が強く現れており、シリーズが進むごとに改善されるどころかどんどんステルス要素が形骸化していき、もう半ば意地になってるんじゃないかってくらいこの部分の改善はノータッチだった。
ところがどういうわけだか今作は改善の兆しが。ゴリ押しを多いに推奨していたカウンターキルが廃止されたため囲まれるとかなり厳しいし、銃撃に対しても敵を盾にしての回避ができなくなり銃持ち兵士がめちゃくちゃ脅威に。よって見つからない事にメリットが生まれ、ステルス行為に意味を見出せるようになった。
特に良かったのがミッションの構造。一定の空間内に暗殺対象がいるからそいつ見つけて殺しといてねとだけ指示されて、あとは全て自分のやり方次第。しかし基本的にミッションは衆人環視の状態であり、人知れず暗殺するのは困難なため、観察による状況判断が求められる。エリア内には暗殺に役立つイベントやギミックが随所に仕込まれていて、それを上手く活用するのが鍵となる。要するにヒットマンの作りに近い。俺はヒットマンのステルス性が大好きなので結構ツボった。
まぁヒットマンと比べると工夫が足りなかったり、ギミックがあらかじめマップに示されているので物足りなく感じることもあったが、アサシンクリードにはパルクール要素がある。立体的に素早く立ち回れるのはアサクリならでは。
パルクールと言えば、今作は屋内まで作り込まれている建物がめちゃくちゃ多いんだよね。しかも完全なシームレス。建物の中を突っ切ってパルクール移動できるのが素晴らしく爽快で楽しい。追われてる時に屋内に忍び込んでやり過ごすこともできるし、ステルスの幅も増している。

しかし、いつも通りダレた。何故なら、ステルスの必要性は確かに増したが、結局ステルスゲームとして面白くないから。
いい加減すぎる敵の索敵範囲。単調な敵の配置とルーチン。感覚的に動いてくれないもどかしい操作性。ユーザービリティのかけらもないインターフェース。融通の効かないパルクールアクション。
要は基本的なところで作りがおざなり。これだけシリーズを続けていたら洗練されそうなものだが、全く進歩がない。ステルスする必要性が生まれた事で余計にこの部分の雑さが目立つ格好となっている。背景の映像よりもいい加減こっちに力を入れろと言いたい。

と言うわけで、ステルスがつまらないのにステルスを求められるのでむしろ今までよりもかったるい今作だが、ちゃんとステルスさせようという意図が見えた点は良かった。
ちなみに今作は旧世代機は切っての製作となっている。確かに背景のクオリティと屋内の作り込みは凄いが、アクションは低レベルすぎるし、いつもの風景でもう見飽きたし、動作は不安定だし、とても次世代のアサクリとは言い難い。