ステルスが面白い貴重なステルスゲーム

PS3とXbox360のアクションステルスゲーム。開発はIOインタラクティブ。
ヒットマンシリーズが三作詰め込まれたHDトリロジーをプレイ。
いやー、ヒットマンはやっぱり面白いわ。何が面白いって、力押しのやり方が殆ど通用しないこと。大概のステルスゲームは敵から隠れてやり過ごすよりも銃でランボーしている方が手っ取り早く、堪え性のない俺はあっさりそのやり方に追従してしまうのだが、このゲームはそんな野蛮な行為は許してくれない。
何しろヒットマンのミッションは民間人も多数入り乱れている場所での行動となるため監視の目が半端じゃなく迂闊に銃を取り出そうものならすぐ通報されるし、しかもフィールドは小さな箱庭なので一回でも不審者扱いされるとどこに行っても逃げ場がない。不審者となっても回避手段はあるが、強引に奥に進んでロードやムービーの介入で危機を切り抜けるというステルスゲーにありがちな安易なやり方は一切通用しない。恐らくプレイヤーは最初の方で銃によるごり押しは封じられていることに気付かされるはず。このシリーズはステルスに対してかなりシビアな姿勢を貫いている。
ゲームの目的は主に目標の暗殺だが、そのターゲットにしても衆人環視の中をウロウロしているのでそう簡単には暗殺させてくれない。
ではどうするかと言うと、観察が求められる。ターゲットに限らず、多くのNPCは目的を持って箱庭の中を動いている。トイレに用を足しに行ったり、パンティーの匂いを嗅ぐために雇われ主の娘の部屋に入り込んだり、リハーサルが終わって楽屋に帰ったり、とその行動は様々だ。そうした周りのNPCの行動を観察し、隙を付いて襲って着衣を剥ぎ取って成りすませば、一般では入ることが出来なかった場所にも潜入することができるようになる。これを利用して行動範囲を広げていく。
しかし、どうしても隙が見つからない場合もある。その時はどうすれば良いか。簡単だ。自分で隙を作れば良い。マップの中には様々なギミックが仕込まれており、例えば、警報器を鳴らしてパニックを起こしたり、飲み物に催淫剤を混入してベッドに誘導したり、スーツケースに銃を忍ばせて他人に運ばせたりと言った具合だ。
NPCの行動パターンやギミックは社会性としてゲームの中に違和感ないまま溶け込み、リアリティを醸し出している。生活感に紛れたギミック溢れる箱庭の中で、周りにあるものを徹底的に観察し、どうすれば目標達成までのゴールを築けるか、自分で考えてプロセスを組み立てていく、この周到に計画を立てて実行に移す感覚がステルスの形としてとても面白いし、日常の中で非日常を静かに起こす感じが実に暗殺者っぽくて堪らない。
その際たるものが事故死に見せかけた暗殺で、中でもリハーサルに使う偽の銃を本物の銃にすり替えて暗殺に成功した時なんて震えた。
このゲームはステルスアクションゲームであるが、他の同ジャンルのように反射神経や素早い状況判断が求められる部分は殆どない。必要なのは、観察力と柔軟な発想力、そして行動する時の大胆さだ。急かされることは全くないし、変装さえ守っていれば箱庭の中を自由に歩けるので、情報を集めて計画を練るということに集中できるようになっているのも大きなポイント。
この部分が最新作であるヒットマンアブソリューションとの大きな違いであり、同作は敵から隠れながら進む普通のステルスっぽいアクション性が割と強かったために、思考することを阻害している嫌いがあった。それは決して悪いことではなく、アブソリューションはアクション面におけるステルスとヒットマン独特の思考型ステルスを実に上手く組み合わせておりどちらの良さもバランス良く取り入れた秀作だった。
一方、本作は徹底的に思考的側面を強めており、その分情報量が膨大すぎて把握が難しかったり、タイミングに嵌めるための待ち時間が長くてテンポが悪かったり、時限的なイベントを逃したら一気に難易度が上昇するという理不尽な部分もあるが、暗殺の自由度という点では今作の方が遥かに優れているのは間違いない。最新作も相当ハマったけど、俺はこっちの方が好みかな。インターフェースの煩雑さはどうにかして欲しいけど。
白眉なのは不安定な警戒メーターで、最後の最後までどういう基準でメーターが上下しているのかついに分からなかった。これは悪い点に思われるかも知れないが、個人的には決まった形が掴めないので緊張感があってむしろ良かった。ランダムな感じが生きた人間を相手にしているという雰囲気があって緊迫感をより醸し出している。
文字や音声は英語のみなのでプレイに支障が出るのではと思ったけど全然問題にならなかった。翻訳wikiもあったしね。
かと思ったらブラッドマネーの前の作品であるコントラクトは問題ありまくり。これは英語が分からないと絶対無理。wikiもないしどうしようもない。こちらも面白そうなのに残念。スクエニローカライズしてくれよー。
それにしてもヒットマンシリーズはかなり俺のツボを付いたゲームだという事が分かったのでこれからも要注目だな。
そしたら早速次世代機でヒットマン最新作を製作中との一報が。しかも形としてはブラッドマネーのような箱庭自由度型らしいとのこと。とても楽しみ!

PS3とXbox360のアクションステルスゲーム。開発はIOインタラクティブ。
ヒットマンシリーズが三作詰め込まれたHDトリロジーをプレイ。
いやー、ヒットマンはやっぱり面白いわ。何が面白いって、力押しのやり方が殆ど通用しないこと。大概のステルスゲームは敵から隠れてやり過ごすよりも銃でランボーしている方が手っ取り早く、堪え性のない俺はあっさりそのやり方に追従してしまうのだが、このゲームはそんな野蛮な行為は許してくれない。
何しろヒットマンのミッションは民間人も多数入り乱れている場所での行動となるため監視の目が半端じゃなく迂闊に銃を取り出そうものならすぐ通報されるし、しかもフィールドは小さな箱庭なので一回でも不審者扱いされるとどこに行っても逃げ場がない。不審者となっても回避手段はあるが、強引に奥に進んでロードやムービーの介入で危機を切り抜けるというステルスゲーにありがちな安易なやり方は一切通用しない。恐らくプレイヤーは最初の方で銃によるごり押しは封じられていることに気付かされるはず。このシリーズはステルスに対してかなりシビアな姿勢を貫いている。
ゲームの目的は主に目標の暗殺だが、そのターゲットにしても衆人環視の中をウロウロしているのでそう簡単には暗殺させてくれない。
ではどうするかと言うと、観察が求められる。ターゲットに限らず、多くのNPCは目的を持って箱庭の中を動いている。トイレに用を足しに行ったり、パンティーの匂いを嗅ぐために雇われ主の娘の部屋に入り込んだり、リハーサルが終わって楽屋に帰ったり、とその行動は様々だ。そうした周りのNPCの行動を観察し、隙を付いて襲って着衣を剥ぎ取って成りすませば、一般では入ることが出来なかった場所にも潜入することができるようになる。これを利用して行動範囲を広げていく。
しかし、どうしても隙が見つからない場合もある。その時はどうすれば良いか。簡単だ。自分で隙を作れば良い。マップの中には様々なギミックが仕込まれており、例えば、警報器を鳴らしてパニックを起こしたり、飲み物に催淫剤を混入してベッドに誘導したり、スーツケースに銃を忍ばせて他人に運ばせたりと言った具合だ。
NPCの行動パターンやギミックは社会性としてゲームの中に違和感ないまま溶け込み、リアリティを醸し出している。生活感に紛れたギミック溢れる箱庭の中で、周りにあるものを徹底的に観察し、どうすれば目標達成までのゴールを築けるか、自分で考えてプロセスを組み立てていく、この周到に計画を立てて実行に移す感覚がステルスの形としてとても面白いし、日常の中で非日常を静かに起こす感じが実に暗殺者っぽくて堪らない。
その際たるものが事故死に見せかけた暗殺で、中でもリハーサルに使う偽の銃を本物の銃にすり替えて暗殺に成功した時なんて震えた。
このゲームはステルスアクションゲームであるが、他の同ジャンルのように反射神経や素早い状況判断が求められる部分は殆どない。必要なのは、観察力と柔軟な発想力、そして行動する時の大胆さだ。急かされることは全くないし、変装さえ守っていれば箱庭の中を自由に歩けるので、情報を集めて計画を練るということに集中できるようになっているのも大きなポイント。
この部分が最新作であるヒットマンアブソリューションとの大きな違いであり、同作は敵から隠れながら進む普通のステルスっぽいアクション性が割と強かったために、思考することを阻害している嫌いがあった。それは決して悪いことではなく、アブソリューションはアクション面におけるステルスとヒットマン独特の思考型ステルスを実に上手く組み合わせておりどちらの良さもバランス良く取り入れた秀作だった。
一方、本作は徹底的に思考的側面を強めており、その分情報量が膨大すぎて把握が難しかったり、タイミングに嵌めるための待ち時間が長くてテンポが悪かったり、時限的なイベントを逃したら一気に難易度が上昇するという理不尽な部分もあるが、暗殺の自由度という点では今作の方が遥かに優れているのは間違いない。最新作も相当ハマったけど、俺はこっちの方が好みかな。インターフェースの煩雑さはどうにかして欲しいけど。
白眉なのは不安定な警戒メーターで、最後の最後までどういう基準でメーターが上下しているのかついに分からなかった。これは悪い点に思われるかも知れないが、個人的には決まった形が掴めないので緊張感があってむしろ良かった。ランダムな感じが生きた人間を相手にしているという雰囲気があって緊迫感をより醸し出している。
文字や音声は英語のみなのでプレイに支障が出るのではと思ったけど全然問題にならなかった。翻訳wikiもあったしね。
かと思ったらブラッドマネーの前の作品であるコントラクトは問題ありまくり。これは英語が分からないと絶対無理。wikiもないしどうしようもない。こちらも面白そうなのに残念。スクエニローカライズしてくれよー。
それにしてもヒットマンシリーズはかなり俺のツボを付いたゲームだという事が分かったのでこれからも要注目だな。
そしたら早速次世代機でヒットマン最新作を製作中との一報が。しかも形としてはブラッドマネーのような箱庭自由度型らしいとのこと。とても楽しみ!
コメント
コメント一覧 (3)
自分もヒットマンアブソリューションハマりました。ブラッドマネー興味あるんですけど英語が分からないと難しいですか。あと次世代機で制作中は知らなかったので嬉しい情報でした。
ブラッドマネーは英語が分からなくても何とかなりますよ。いざという時は翻訳wikiもありますし。あとXbox360を持っているなら日本語版も存在します。
アブソリューションにハマったなら確実に楽しめると思うのでオススメですね。