これも何かの縁




画像1


PSPのノベルアドベンチャーゲーム。開発はキャビアとツェナネットワークス。

あーこれ何となくやりたかったんだよなーラッキー、と思いながら中古で投げ売りされているのを買ったは良いが、あれ?何か思ってたのと違うなぁとプレイ中終始違和感に苛まれながらクリアーしたあと、俺が本当にやりたったのは銃声とダイヤモンドの方だと気付いた。中古市場でも存在が希少なはずなのに投げ売りされてるから変だと思ったんだよなぁ。おしまい。

で、終わらせてしまって良いほど印象に残らないゲームだったが、一応感想を書いておく。とりあえずこのゲームはイマイチだし、つまらなかった。
PSPを縦持ちにして操作させるのが最後まで意味不明だったがそれを見なかったことにして、それに伴う操作性も最悪だったがそれも見なかったことにして、ゲーム性が本当に付け焼き刃な仕上がりでとりあえずこうしとけばゲームとしての体裁は保てるだろうというヤケクソさを感じたがそれも見なかったことにして、物語が核となるジャンルのゲームでありながらそのストーリーが三流トレンディドラマのような薄っぺらさと盛り上がりのなさと安易さに満ちている大変ショボい出来上がりで流石にこれはどうかと思うがこの際それも見なかったことにして、上に挙げた点を一切無視して「500円で買ったものだから・・・500円だから・・・」と自分に言い聞かせながら遊べば時間以外はそれほど無駄にならない平凡なノベルアドベンチャーだった。
が、恐喝まがいのゴリ押し尋問しか能のない女主人公を無視することはどうしてもできなかった。
とにかくこのゲームで我慢ならないのは主人公の存在。本作の主人公、竹内理々子はプレイヤーをイライラさせることに関して類稀なる才能を発揮しており、その言動と態度に一々イライラさせられるのがシナリオの基本軸となっている。
何が酷いって、台詞回しがもうビックリするくらい幼稚。気の利いたことは何一つ言えないし、哲学や倫理面からの説得力もまるでなく、ただ自分の意見や知りたいことに対する質問を何の計算も工夫もなしに強引に押し通そうとしているだけで、少しは説得させようという意識を働かせて喋れよそれだとただお前のワガママを押し通そうとしているようにしか聞こえないぞと思わずにはいられないのだが、何故だか相手はあっさり屈してベラベラと機密を喋り、「私がワガママを言えば大抵のことはどうにかなる」的な感覚で安易にストーリーを進めているのがものすっごくご都合的でムカムカした。全く無能も良いところなのに、私ってできる女でしょ?みたいな雰囲気を漂わせているのが実にイライラ中枢を刺激する。
そんな女主人公のゴリ押し捜査がストーリーの半分を占めていてその時点でウンザリなのだが、話自体もあまり面白くない。別にそこまで酷いというわけでもないが、本当に普通の良くあるミステリーで何も捻りもなければプレイヤーをイライラさせるという特徴以外キャラ立ちした面白い登場人物もいないし、重要な場面でも随分あっさりと流されるから盛り上がらないし、どんでん返しも唐突に出てきたキャラが起こすから何か凄くどうでも良いし、伏線の張り方と回収が極端に下手でミステリーのくせに次々気になる展開でもないし、最後のお涙頂戴展開はとりあえず人殺しとけって感じで単純極まりないし、優れた部分は殆どなく平凡で練りこみも特徴も薄い、普通に退屈なゲームだった。台詞回しのチープさといい、気の利かない演出といい、盛り上がらない展開といい、単純に書き手にセンスがないんだと思う。

と、このゲームをクリアーしたのは大体3ヶ月前で、久しぶりにPSPを起動したがまだまだ元気に動くことが分かったので本命である銃声とダイヤモンドを割と懸命に探してるんだけどどこにも置いてないんだよな。こうなると余計にやりたくなるのが俺の性分。とはいえネットで注文するのは気が引けるなぁ。
ちなみに銃声とダイヤモンドを作っているのはこのゲームを作ったツェナワークス。これが縁ってやつか。