セガの集大成




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PS3とXbox360のアクションゲーム。開発はセガ。

新作が出る度に色んな要素を取っ替え引っ替えしていたこのシリーズだが、20周年記念として作られた本作は、ソニックの代名詞である「スピード」を徹底的に意識して作られている。
とにもかくにも速い。圧倒されるばかりのスピード感。美しいステージの背景が一瞬で過ぎ去っていく目にも止まらぬ速さ。めちゃくちゃなスピードに振り回される感覚がもう堪らない。
にも関わらず、ステージはギミックだらけなのが嫌らしいところで、速すぎて制御しにくいこともあり一々仕掛けに引っかかって足止めを食らい中々気持ち良く走ることができず、久しぶりにソニックをプレイした俺はソニックは気持ち良く走るゲームという固定概念があったためスピード感を阻害されるステージ構成にかなりイライラさせられたが、何回もやり直していくことが前提にあるゲームだと理解すると一気に楽しくなった。
確かにハードルは高い。ステージの作り込みは尋常でなく、速く走れる仕掛けや近道のルートがこと細かに仕込まれており一通り覚えるのでさえ大変なのに、あのスピードを制御しなければならないのだから難易度は相当高い。
だが、それを乗り超えて常に最高速度を維持して走れるようになった時の爽快感といったらハンパじゃない。最高速度で走っている時のカタルシスと緊張感はソニックでしか味わえない醍醐味。
とは言え完全にやり込み向けかと言えばそうでもなく、たとえ失敗してコースから落ちてもその先にルートがあったりして、初見だったりアクションゲームが苦手な人でもクリアーできるようにと調整されており、玄人と初心者どちらにも対応したこの懐の広さは素晴らしいの一言。
ランクも非常に緩く設定されており、少し上手く走れば簡単にSが取れるラクラク設計だが、俺としては不満。やり直し前提のゲームなのだから、もっと厳しく設定してくれて良かった。ランクS取れたらそれ以上やり込もうと思わないし。

微妙なのが2Dステージ。20周年記念ということで3Dステージメインのモダンソニックと2Dステージがメインのクラシックソニックの二人を操作していくことになるのだが、2Dステージが3Dステージに比べて明らかに面白くない。単純にスピード感があまりないし、ホーミングアタックできないし、よりステージはギミック寄りで複雑だし、そのギミックにしても3Dはスピードを助長するものが多くて爽快なのに対し2Dはテンポを損ねるものが多い。
大体2Dステージと3Dステージで二分されているのだが、3Dステージにも2Dステージは挿入してくるので、実質の割合は7対3ぐらい。元々ソニックは3Dステージにもシームレスに2Dステージを挟んでくるのが特徴だが、今作は2D専用のステージが十二分に用意されているのだからそんなに出しゃばるなよと思った。まぁそこまで退屈なわけではないし、2Dステージには2Dならではの良さがあるわけだが、一番大事な爽快感があまり感じられないのは残念。
明確につまらなかったのはボス戦。特にラスボス戦のつまらなさはヤ・バ・い。

そんな感じで、ゲーム内容の7割は微妙だし、残りの3割である3Dステージも慣れるまではイライラばかりが先行したが、散々焦らされるからこそ、最高速度に達した時の爽快感は何にも勝る最高のカタルシスがある。この一瞬の快感が他の欠点を全て吹っ飛ばしている。一つの突き抜けた部分が多くの欠点を覆すという、実にセガらしい作品。リプレイ性が非常に高く、短い時間に瞬間的な快感を突き詰めた、アーケードゲームのような作りからも、アーケードを長く手がけているセガの職人技が詰まっていると感じられる。
本作はソニックの集大成として位置付けられる作品であるが、同時に、セガの集大成と言っても過言ではない。