まだ進まない。ネタバレ注意




“ミステリートレインに乗車したコナン御一行は、そこでいつも通り殺人事件に遭遇。現場の密室トリックを解くことに。
一方、灰原哀は列車の中に組織の人間がいる事に感づき、一人別行動を取り元の姿に戻ろうとするが、その途中で沖矢昴と遭遇してしまう。”

ミステリートレイン編の3話目。世良、火傷の男、安室、昴、謎の女と役者が揃い踏み、ようやく話が進展しそう、というところで前の話は終わった。
密室事件の方は車掌の話によってかなり情報が出揃ったが、まだまだどうなるか分からない。

コナン達は、列車オーナーの友人である資産家が亡くなった火事に焦点を当てる。調べてみると、事件現場である8号車の乗客は全員、火事が起きたパーティの生存者だった。その事実を8号車の客に問い詰めて回り、更に何故か走る姿をムービーに撮らせてくれと無邪気に頼むコナン。ここに来る途中、車内を走っていた怪しい人物を見たという。
車椅子のお婆さんを除き、全員の走る姿のムービーを撮り終え、世良は別室で待機している少年探偵団にその動画を見せに行こうとするが、その途中で火傷の男と鉢合う。いや、意図して見つけたのか。ここはちょっと良く分からん。
最初は「誰だ!?」と凄んでいた世良だが、男の姿と声を確認して豹変する。こいつの声初めて聞いたけど、赤井そっくりだな。まさか本当にこいつが赤井なのか?
「しゅう兄・・・しゅう兄なんだね!?(赤井の下の名前は秀一)」と、驚く世良。感動の再会になるかと思ったが、スタンガンで気絶させられてしまう。やっぱり世良は赤井の妹だったかー。まぁその役割ぐらいしか当てはまらないからバレバレだったけど。

一方、密室事件の方はコナンがトリックに気付いたようで、眠りの小五郎発動。コナンの推理ショーが始まる。
まず、犯人は携帯電話を使って呼び鈴の音を再現し、車掌をA室に行くよう仕向けた。呼び鈴が鳴った時に点灯する電球がA室だけ切れていたことを知っていた車掌は、他の部屋のランプが点灯していないことを確認して必然的にA室へと向かう。
次に犯人はB室の被害者に電話をかけ、A室が騒がしいので様子でも見てくれないかと言ってドアを開けさせる。その間を付いて犯人はB室に入った。その時、列車はトンネルの中だったので、電話が圏外になったから中で話そうとでも言えば不自然には思われない。
ドアは被害者側から見て右に外開き。つまり、A室の前にいる車掌はドアが障害になって犯人がB室に入るところを見る事ができなかった。
その後あらかじめ犯人がE室に仕込んだ時計のアラームが鳴り、思惑通りE室の客は呼び鈴で車掌を呼び寄せる。車掌はE室へと移動する。
犯行を済ませた犯人は、車掌がE室の前にいる間に、これまたあらかじめ細工していたチェーンキーを使って密室を作る。普段は5つの鎖で繋がれているチェーンだが、B室だけは6つで繋がれており、普段より長い分、外側からチェーンを締めることが可能になっていた。こうして密室は完成。
しかしそのままB室から出ては車掌に見つかる可能性がある。そこで利用したのが鏡。犯人は自分の部屋の扉に鏡を張っておき、B室から出てくる自分の姿を隠した。B室にいる間にC室のドアを開ける為に使った仕掛けは、糸を使って〜ドアの反動で〜というコナンで良く見られる系のトリックでまぁここは気にしなくて良いと思う。とにかく、車掌がA室付近で目撃したコソコソ動く怪しい人物とは、鏡に映った自分の姿だったわけだ。
このトリックを完成させるには、D室だと車掌に近すぎるので鏡の存在がバレるし、A室だとB室を隠せない。もちろんE室は無理。つまり、犯人はC室の眼鏡男、となる。
その証拠に、眼鏡男の手荷物である絵画の中から3枚の鏡を発見。ご丁寧にドア番号の部分を隠す為に茶色の絵の具が塗り付けられていた。
これで犯人は分かったけど、何でコナンは走る姿をムービーに撮ったんだ?事件とは何の関係もないように見えるが。

その頃、ある一室では火傷の男が窓から鞄を投げ捨てていた。それを見咎める謎の女。
あれ?この女の声、どっかで聞いたことあるな、と思ったらコナンの母親でありスーパー女優でもある工藤有希子だった。
えーと、こいつが出て来たということは、もしかしてこの火傷の男は・・・やっぱり同じ女優仲間のベルモットかーい!予想外の事実ではあるが、変装に頼る以外で物語に起伏を生み出せないのかよと思う。リスクなしで誰にでもどんな姿にでも変装できるってミステリーとしてアンフェアな気がするんだが。一度ならまだしもそのネタは前に一回やってるしねぇ。
しかも火傷の男は赤井の容姿に似ていること以外、何にも積み込まれていない無内容な登場人物であり、今回の正体バラしによって、ただミスリードを狙っただけの役回りであることが分かって余計に白けた。例えば、新出先生の正体も同じくベルモットの変装であったが、あれは散々伏線やらキャラ設定を詰め込んで実際にストーリーを動かしていたキャラだった為、変装で正体が明かされた時も驚きがあった。対して火傷の男は何も動かしていないし、影響も与えていない。ただ赤井に似ている、それだけ。しかも赤井に似ていることに何の意味も今のところ見出せない。本当にただミスリードを狙っただけの人物。こんな奴の正体がベルモットだと分かったところで一体何て反応すれば良いんだよ。しょうもないとしか言いようがない。
それにしても、この謎の女の正体が工藤有希子ということは、こいつと一緒にいた沖矢はやっぱり味方ということになるのか。有希子はメイクの達人という設定があるから、こりゃますます沖矢は赤井の変装という線が濃厚になってきたな。世良が赤井の妹と明かされたわけだし。
その沖矢は眠らされた世良をベルモットの部屋から救出。しゅう兄・・・と発した彼女の寝言を聞いて、ニヤリと笑う。終わり。

次回予告。火事が起こって最後尾の車両が切り離されて爆発が起こって哀ちゃーん!ちゃららん、漆黒の特急(終点)!ネクストコナーンズヒーント。最高のキャスティング。

終点ということは、次で終わりなのか?組織の話は全く進んでないぞ。結局広げた風呂敷を畳んだだけで終わりそうな気がして怖い。
その広げた風呂敷にしても、新キャラの照らし合わせはほぼ終わり、バーボンは消去法であいつしかいないし、これ以上どんでん返しはあるのだろうか。それともこの時点でここまでネタバラししたのはフリで、最後にとんでもない展開が待っているのかな。何せ、組織に最も近付く話との触れ込みだしな。灰原哀、なんちゃって危機一髪!で終わることはないだろう。
と、信じたい。