ガッカリっすなぁ・・・



バイオハザードの新作。開発はカプコン。体験版が配信されたのでプレイ。

一体何故、こんなことに・・・どうしてこうなってしまった・・・ 体験版とは言え、ゲームの仕様が変わることはないだろうからもう言い切ってしまうが、この内容ではガッカリだと言わざる得ない。ゲームの方向性が完全に迷走している。

バイオハザードは4からゲーム性が大幅に変わり、それまでの探索アドベンチャーからアクションアドベンチャーとなり大きくアクション性が増した。次の5は操作感覚自体は4とほぼ変わらなかったが、二人潜入による協力プレイを導入したことにより、これまた大きくプレイ感覚が変わった。
そして今回の6。今作も前作と比べ大きくゲーム性が変わっている。5で導入されたコープは今作にも引き継がれているが、よりアクション性が増した。動きながらの銃撃、ローリングでの回避、敵を怯ませなくても発動可能になった体術、カバーアクション、クイック銃撃などが可能になり、大幅に操作感覚が変わっている。前作までとはもはや別物と言っても良いくらい。
キャラクターのアクションが豊富になったことに伴い、敵のアクションも激しくなり、これまでは基本的に近付いてきて殴ってくるだけだったが、針を飛ばしてきたり長い腕を伸ばして掴んできたりと、バリエーションが豊かになった。プレイヤーも敵もアクションが豊富になり、アクションゲームとしてより遊びの幅が広がっている。アクション面は順当に進化していると言って良い。

が、問題なのは今回のゲームの作りでは二人潜入の必要性がまるで感じられないことだ。
前作の5ではコープのゲームデザインが完璧に近かった。常に相方の体力と装備や弾薬数が表示される画面作り、仲間が敵に捕まったり瀕死になった時にその情報が分かりやすく伝わってくるなど、インターフェース面の細かい配慮に始まり、弾を分け合えたり一緒に回復出来たりする事で共にサバイバルしている感覚が味わえた。何よりバイオのトロい動きはそれぞれがカバーし合う事の重要性を出していて、コープととても相性が良かった。
コープによるデメリットはもちろんある。二人潜入によりホラーの緊張感は薄まり、マッチングし易いようにチャプターごとからやり直しが可能となったことでアイテム稼ぎが容易となりやり繰りの楽しみもなくなった。それらはこれまでのバイオの醍醐味であったにも関わらずにだ。しかし、それを忘れさせるだけの面白さがコープにはあった。オンラインで他人と協力して遊べること自体が単純に楽しいというのもあるが、コープの為に細部まで徹底的に調整されたゲームデザインのおかげでその楽しみがより引き出されていたことが特に大きい。

ところが今作は5であったコープの為の仕組みが殆ど削除されている。弾は分け合えなくなり、回復は個人のみ。画面の情報も相方の分は表示されなくなった。今作は動きながらカメラが回せる上にキャラの動作も前作までと比べるとスピーディになったため一人でも容易に全方位のカバーが可能。アクション性が増した事で明らかに個々での戦いを推奨した作りになっており、前作にあったコープの楽しみはほぼなくなってしまっている。それなのに中途半端にコープを導入しているため、上で述べたようにホラーの緊張感は薄まり、弾薬のやり繰りの楽しみもなくなった。
バイオの醍醐味もコープの楽しみも同時になくなり、残ったのは少し凝った作りのシューティングだけ。それだけでも充分楽しめる出来ではあるが、バイオにはそれ以上を期待していた俺としては大きく期待を裏切られたと言わざる得ない。この作りならシングル特化にした方が間違いなく面白くなると思うが、長く遊ばせるために無理矢理コープを付け足したんだろうな。ゲームデザインとの整合性を考えずに欲張るとこういう中途半端な結果になるの良い例。

バイオ5のようなコープを期待していた俺にとってはコープの出来が酷い事になっていてまずガッカリ。それどころか今作は明らかにコープが足を引っ張ってるようなゲーム内容。個々での戦いを推奨していることが見て取れるのだが、中途半端にコープを導入した事で全てが崩れてしまっている。
バイオ5がとても楽しかったので、他のゲームに手が付けられなくなるほどバイオ6にハマってしまったらどうしようと嬉しい悲鳴をあげていたが、どうやらその心配はなさそうだな。今年一番の期待作だったのに悲しい。