携帯機でやるゲームじゃない






3DSのアクションゲーム。開発はプロジェクトソラ。

率直に言って操作性が酷い。これはどう考えても携帯機でやるようなゲームじゃない。
と言うのもこのゲーム、ジャンルはアクションシューティングなのだが、照準を合わせるのにタッチパネルを使わせている。具体的に言えば、下画面をペンでなぞると、その動きに合わせて上画面で照準が動くという仕組みになっている。
タッチで照準を合わせる操作自体は悪くないのだが、ペンを常に持つ必要があるために片方の手が塞がってしまい、片手で本体を支えなければならなかったり、ペンを持ってる側のボタン操作が全く行えなくなったりという弊害が生まれる。後述になるが、これのせいでこのゲームはかなりキツいことになっている。

ゲームは主に、空中戦と地上戦の二パートに分けられる。
空中戦は、スターフォックスのような奥行きスクロールステージで、罪と罰のようにキャラクターを動かして弾を避けながら照準を合わせて敵を撃つという感じで、これ自体はあまり操作性に難はない。むしろタッチの方がやりやすい面もある。
問題は地上戦である。何故なら、キャラクターのアクションと照準に加えて、何とカメラ操作まで求められるからだ。
タッチでスライドしてカメラを回していくという感じなのだが、これがスティック操作とは大分勝手が違い、慣れるまでは全然敵の方向にカメラが向いてくれず、かなり苦労する。
更に、地上戦ではパルテナのアクション性も増し、回避やダッシュといった行動が出来るようになるのだが、ボタン操作が行えない弊害でスライドパッドを素早く入力するという操作形態になっており、これが思った通りに動かしにくいし指に負担がかかるしでしんどい。
これだけ激しい操作を片手だけで本体を支えている状態で求められるのだから腕にかかる負担が半端ではない。しかもLボタンが射撃なので常に人差し指をかけている必要があり、実質3本の指だけで本体を支えなければならない。これは流石にキツ過ぎる。15分もやってると限界がくる。画面も揺れまくるので3D効果はブレまくって邪魔になるだけ。
それはスタッフも分かっているからか、救済措置として3DSを支えるスタンドが付属しており、これを使わないととてもゲームにならないのだが、手軽で何処でも出来るという携帯機本来の意義がまるでなくなるので本末転倒だとしか言いようがない。ここまでするのなら一体何故、携帯機で出したのかと言いたくなる。

FPSやTPSと言ったシューティングゲームは、キャラクターと照準を両方同時に動かす必要があり、しかも共に繊細な入力が必要な操作であるため、スライドパッドや十字キーが片側にしかなかった今までの携帯機ハードでは作りにくいジャンルだった。
PSvitaはアナログスティックを二つ搭載することによって問題点を解決したが、スライドパッドが一つしかない3DSは、タッチを使うことでその問題を払拭しようとした。
これはある意味画期的な操作方法とも言えるが、結果的に操作はスティック二つに比べてやりにくいし腕に負担がかかるし3D効果もないがしろにしてしまうという、失うものばかりで得たものは何もない。

とにかく俺が一番言いたいのは、何故このゲームをwiiで出さなかったのかと。
照準はモーションコントロールで操作し、カメラはリモコンの十字キーで動かす。パルテナのアクションはヌンチャク。ヌンチャクにはボタンが二つあるから回避も射撃もそれで出来る。
こうすれば万事解決。そもそもこの手のシューティングはwiiのお家芸だったはずで、画面作り的にも大画面で出来る据え置きの方が明らかに合っている。
と言うか、元はwii向けに考えられていたんだろうな。3DSで出す必要性なんてまるでないもん。流石にこの設計で最初から3DS用に企画していたとは考えにくい。
wiiで出すつもりだったけど、ハードとして終焉を迎えてしまってもう伸び代がないから、3DSで出すことになったと考えれば、あの無理矢理当てはめたような操作性も納得がつく。スタンドをわざわざ付属している点から見ても、携帯機でやるのは無理があると製作者も分かっているようだし。
もし最初から3DS向けだと考えていたとして、このハードにおけるシューティングジャンルの新たな操作形態を根付かせようとしていたのなら、残念ながら失敗しているとしか言い様がない。

それでも、これだけ操作性が悪くてもそれなりに面白く感じるのは任天堂のバランスコントロールが相変わらず長けているから。
他のシューティングゲームと違って敵の的が大きいので、細かい照準合わせとカメラ向きの調整は必要なく、結構アバウトに動かしていても何となく敵を倒せる。
敵の攻撃も適当に動かしているだけで何となく避けられる。細かいテクニックを使わなくても何となく進められるバランス調整が相変わらず任天堂は上手い。
豊富な武器によるアクション、合成による武器作り、細かい難易度調整、やり込みがいのあるチャレンジ要素、人形集め、オンラインによる対戦など、ボリュームも満載。
ゲーム自体は非常に丁寧に作られており、操作さえ慣れてしまえばかなり満足出来る内容だと思う。あと、後半の流れは超展開過ぎて中々面白い。
とは言え、どんなに頑張っても俺にはこの操作は無理だった。普通にwiiでやりたかったな。

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