大詰めです。ネタバレ注意。





墜落したポッドから抜け出るアイザック。土の壁が広がっている中にあって鉄製の扉や歩道が不自然なまでに目立つ。洞窟の中に施設を作ったような感じか。
ここに来てモーフの攻勢が激しくなってくる。部屋に入れば毎回修羅場。体力と弾薬は常にジリ貧。
そんな中、検索ワード急上昇中の働きを見せているのが「デトネーター」。前回紹介したと思うが、これは地雷を設置する武器で、モーフが息を潜めているダクトや通気口の穴の入り口に予め設置しておくことで、そこから飛び出そうしたモーフをドカーンと、安全かつ確実に対処出来る。
しかし、今やモーフより厄介な存在なのがシュトロースだ。エリーに襲いかかって現在絶賛逃亡中。おっと、噂をすればなんとやら。

「みぃぃぃぃぃぃつけぇたぞおぉぉー!!!」

それはこっちの台詞だ。上の階の柵越しからシュトロースが腕を広げて高らかに叫んでいる。右手にはドライバーを持っているようだ。切っ先には、まるで団子のように丸い物が刺さっている。まさか・・・

「シュトロース・・・貴様・・・」

「何を怒ってるんだぃぃ?僕の代わりを彼女にしてもらっただけだよぉ。エリーなら出来ると思ってねぇ。僕はあの女と会わなければならない。第三段階さ!」

「ふざけるな!段階が何だって言うんだ!」

「彼女さ!ティードマンが恐れていたのは彼女なんだ!僕が彼女に会って、マーカーを破壊することを恐れていたんだ!だけど僕には無理だった。エリーもだ。助けてくれ!君が彼女と会うんだ!それが第三段階なんだよ!」

「私の眼は貸しよ、クソッタレが!」

背後から現れたエリーがコンクリートらしき物でシュトロースの頭をぶん殴る。やはり彼女の片方の眼がない。

「この患者は非協力的だなぁ・・・。どうやら更なるカウセリングが必要なようだ、そうだろぅ?」

「やめろ!シュトロース!」

揉み合いながらそのまま行ってしまった二人。
あいつの言っていた事をまとめると、モーフの元凶であるマーカーを破壊するには、亡霊をどうにかする必要があって、それはシュトロースには無理だったからアイザックがやれと。
彼女に会えって言ってたけど、亡霊の彼女なら嫌と言うほど会ってるしなぁ。シュトロースの言う彼女って誰だ?

ベンチで武器を強化。プラズマカッターを最大値まで強化し、特殊能力が付属された。弾薬に炎が纏われるようになり、威力が飛躍的に上昇。
しかし、強くなったのはアイザックの武器だけではない。モーフ達も強化型タイプが出現するようになる。殺傷力、俊敏性、耐久力、全てのポテンシャルが底上げされている。
ふふん、だが強化型だろうともう関係ない。一番レベルアップしたのは俺のプレイスキルだからな。
ダクト、通気口に地雷を設置。してる途中に背後からモーフ。慌てずにステイシス。動きが止まったモーフの足だけもぎ取って、横にズレる。遠くから胆汁モーフが胆汁ビーム。テレキネシスでそれを掴んでお返し。向こうから突撃してくる突進モーフはジャベリンで撃退。ステイシスが解け、這っているモーフをひたすらスタンプしてると、上からモーフが通気口を蹴破って現れる。しまった見逃していたか。さっきまでスタンプしていたモーフからテレキネシスで腕のブレードをもぎ取る。背後で破裂音。設置した地雷が作動したようだ。そんなことは気にせず、眼前の敵に集中。引き付けて引き付けて、ブレードを発射。モーフは勢い良く吹き飛び壁に打ち付けられる。ちょろいもんだぜ。

扉がロックされていて先に進めない。隣の装置をハッキング。成功し、扉が開く。と、シュトロースが目の前に現れ、アイザックを押し倒す。右手に持ったドライバーで目を突き刺そうとする。

「シュトロース!やめろ!」

「僕の為に彼女に会って言ってくれ!僕はあんなことをするつもりはなかったと!そして僕の代わりに謝ってくれ!」

「シュトロース、目を覚ませ!」

「彼女にぃ、会えぇぇぇ!!!」

「シュトロース!」

「彼女にぃ、言えぇぇぇぇ!」

「クソッタレ!」

シュトロースの腹を蹴り飛ばし、押しのける。ドライバーを振り回すシュトロースの腕を捻じり取り、手の中のドライバーはそのままに、彼の頭へと突き刺す。

「第三段階・・・第三段階・・・なんて、こった・・・ ごめんよ、僕は最後まで君に謝れなかった・・・ごめんよ・・・」

頭から血を吹き出しながらシュトロースは死んだ。

「シュトロース、どうしてこんな事を・・・」

不謹慎ながら、倒れたシュトロースをスタンプしておく。


リフトに乗る。やけに足場が広いな。嫌な予感がする。
嫌な予感が的中し、上から次々とモーフが降り立ってくる。
はいはいはい!右、左!リロード!リロード!ったく、どんだけいるんだよこいつら!弾、弾がねーぞ!オラっ弾寄越せ、こんにゃろが!スタンプ!スタンプ!彼のライフはゼロよ!知るかボケ!弾がねーんだよ!ステイシス、ステイシス!っつーか、ヤバいって、この数は!歩く隙間すらねぇぞ!これでも食らえ!グレネード乱舞!やべぇ、巻き添え食った。終わりか、終わったか?まだ出るのかよ!

モーフの絶え間ないラッシュがようやく終わり、上の階へ。
扉を開けると、そこには亡霊が。アイザックを壁に叩きつけたまま掴み上げる。何ちゅう怪力だ、こいつ。

「さぁ、真実を明らかにする時よ。私は誰?あなたの友達?恋人?宇宙ですがる一つの欠片?一つの光?唯一の眩しく輝く星?それとも私はあなたの罪の象徴?私が死んだという事実を受け入れることが出来ないから私はあなたの人生を台無しにしているのかしら?私は・・・誰!?何故私に抗い続けるの?何故私を行かせてくれないの?」

「・・・君は、俺の全てだったからだ。君を行かせてしまったら、俺には何も残らない。」

亡霊が手の力を緩め、アイザックは解放される。

「第三段階、それは受け入れること。」

亡霊はもういない。アイザックの目の前にいるのは生前のニコールだった。

「今、あなたは全てを終わらせる準備が出来たわ。」

そう言って、ニコールは先に行ってしまう。追いかけると、採掘場内部に着く。

「アイザック、こっちよ!」

何だ、エリー生きてたのか。お得いの死ぬ死ぬ詐欺か。

「エリー、シュトロースが死んだ。」

「へぇ、そう。残念だ、何て言わないわよ。で、これからどうするの?マーカーを破壊するにはシュトロースが必要だったんじゃないの?」

「いや、彼には無理だった。彼は自らの罪から逃げ出したんだ。」

「あなたはどうなの?」

「俺は、もう逃げないと決めた。やるべき事は分かっているさ。とりあえず、この採削機は使えるか?」

「目の付け所が良いわね。」

デカイ採削機に乗り、ドリルでトンネルを掘りながら先へ進む。運転はエリーに任せて、アイザックは台の上でモーフの襲撃に備えている。
モーフ達が邪魔してくる。採削機に乗り込んで来る奴はまだ良いが、とにかくウザいのがトンネルの壁に張り付いたモーフで、ブーメランのような物を飛ばして攻撃してくるから煩わしいったらありゃしない。

「奴ら、そこら中にいるわ!」

あぁ、言われなくても分かってる!これでも食らえ!貼り付きモーフめ!

「側面から上がってくるわ!」

はい、どうも!苦労して上がってきたところ悪いが、ここは人間様専用でね。ジャベリンで突き落としてやる。

「奴ら、とんでもない数ね。うじゃうじゃいるわ!」

もうちょっと有益な事を喋れ。はいはい、ステイシス!腕!テレキネシス!

「気を付けて!奴らの大群が上がって来るわ!悪いけどよろしく!」

よろしくじゃねーよ、ビッチが!はいはい、さよなライオン!さよなライオン!ったく数が尋常じゃねーなー。

「そっちは大丈夫?」

あぁ、楽しませてもらってるよ、とっても!クソ、ここじゃ地雷が全く使えねー。ジャベリン!ジャベリン!ジャベリン!ジャベリン最高!

鉄製の壁が見えた。終着点か。って、おい、スピードが緩まらないんだが。

「おい、おいおいおい!止めろ!止めろ!」

「どうやらここが夢にまで見た行政区画のようね。扉はないけど、幸い大きなドリルがあるわ。」

「おい、俺が乗ってることを忘れてないだろうな!?まさか、エリー?おいっ!!」

問答無用で、そのまま壁を突き抜ける。アイザックさんは吹き飛ばされ、そのまま中へ。

「畜生!痛かったぞ!」

「えーと、まぁどちらの傷が多かったかについては後で話し合うとして、少なくとも目的地にはちゃんと辿り着いたわ。」

「ともかく急いだ方が良さそうだな。掘った穴を通ってモーフが押し寄せて来るのは間違いない。どこかにエレベーターか何かあるはずだ。俺もそちらに向かう。」

「わかった。私も捜してみる。途中で落ち合いましょう。ちょっと待って・・・ これガンシップかしら。アイザック、ガンシップを見つけたわ!」

「何だって?壊れてないだろうな?」

「良く分からないけど、私たちここから生きて出られるかもしれないわよ!さっさとこっちに来て!システムチェックを始めておくわ!」

少し歩いていると、ガラスの向こうにガンシップが見える部屋に着く。ここはガンシップの搭載口か。ガンシップの中でエリーが作業を行っている。

「主電源ON。燃料OK。起動システム、作動。よし、問題なく動きそうね。アイザック、何をしているの?早く乗って!」

アイザックはエリーの言葉を無視して、基盤を弄っている。ガンシップが稼働を始めた。

「アイザック!何をしているの!今すぐやめて!ドアを開けて!お願い!船を出させないで!」

「その船には生命維持装置も通信機もある。エリー、きみは助かるんだ。俺はマーカーとの決着が残っている。それに、ニコールを置いていけない。たとえ彼女が俺の幻想だとしても。」

「この大馬鹿野郎・・・」

「君に助かって欲しいんだ。俺はニコールを救えなかった。だが、君を助けることは出来る。だから、エリー・・・さようなら。」

ガンシップは飛び立って行った。壁にもたれて座り込むアイザック。隣にニコールが座っている。

「君がシュトロースの言っていた彼女なんだね。シュトロースにとっては彼の奥さんのことなんだろうけど。俺の頭の中で作られたもう一人のニコール・・・」

「アイザック、人は死んでも記憶の中で生き続けるのよ。あなたは私の死と向き合えた。だから、今私がこうしてここにいる。」

成る程、シュトロースは自分の奥さんの死を最後まで認められなかったから、第三段階まで辿り着かなかったのか。彼女に謝ってくれとか言ってたけど、あいつは彼自身が見ていた亡霊と同じ姿の者がアイザックにも見えていると思ってたんだな。

「ニコール、愛してる。」

「私もよ、アイザック。」

アイザックが抱き寄せようとしたが、既にニコールはそこにはいなかった。
今日はここまで。

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