逆転裁判に負けず劣らない傑作アドベンチャー
“超高校級の肩書きを持つ者だけが入学を許される政府公認のエリート養成所「希望学園」。
そこに招かれた15人の高校生。
しかし、学園は何物かに乗っ取られ絶望の学園と化していた。
入り口はシェルターのような鋼鉄の扉が立ち塞ぎ、窓には板が打ち付けられ閉鎖された状態。
完全に外の世界から隔離され、死ぬまでこの学園で共同生活することを求められた15人の高校生。
ここを卒業する方法はただ一つ。
誰かを殺し、学級裁判を乗り切ること。”
PSPのアドベンチャーゲーム。開発はスパイク。若干ネタバレ含むので注意。
まず、設定がズルい。閉鎖された空間で超高校級の肩書きを持つ高校生達が殺し合い、裁判で犯人を突き止める。
この設定だけで、興味を持たざる得ない。
そして何より登場人物のキャラクター性が濃い。
旧ドラえもんの声で人を殺しまくる学園長モノクマ。とにかく可愛い超高校級アイドル。男の娘の超高校級プログラマー。死亡フラグ立てすぎの超高校級御曹司。熱血過ぎる超高校級風紀委員。ザ・オタクとしか表現しようがない超高校級同人作家。底抜けに明るい超高校級スイマー。二つの人格を持つ超高校級小説家。
中でも最高なのが、ストリートファイターばりにムキムキマッチョな身体で、
ミニスカートをはいている超高校級の格闘家。狙ってると分かっていても吹いてしまう。
全員の個性が強烈な為に、どいつもこいつも胡散臭く、
「こいつは死ぬんだろうなー」とか「こいつは生き残りそう」という予測が全く付かない。誰もが怪しいと思わせる状況を上手く作り出している。
この濃いキャラを持つ高校生達が、要するにバトルロワイヤルみたいなことをするわけだが、
同作ほど雰囲気は殺伐としていない。
疑心暗鬼でギスギスした感じというより、協力して黒幕に立ち向かおうという流れが強いので、
そこまで欝展開なストーリーではないし、学園内の派手な彩りや飛び絵みたいな部屋の作り、ピンク色で表現された血といい、
このゲームは全体的にポップな雰囲気を醸し出していて、設定は残酷ながらもプレイヤーが入り込みやすいように工夫されている。
ゲームの進行は大まかに分けて、学園パート・捜査パート・学級裁判パートの3つ。
学園生活パートでは、気に入った生徒と過ごすことで好感度を上げることが出来る。好感度を上げると、特殊な会話が聞けたり、イベントを見れたり、スキルを手に入れられる。
捜査パートでは、事件が起こった後、手掛かりを見つける為に学園内を奔走することになる。移動は女神転生のような一人称視点。
一応ワープ機能はあるが、かなり限定的な為にあまり使えない。階を超えてワープ出来れば良いのにと思う。
学園内は広い為、移動は面倒だが、何処の部屋に手掛かりがあるのか大体は教えてくれるし、
あるスキルを使えば調べられるポイントを視覚化出来るので、ダルくなりがちな捜査パートも比較的楽で良かった。
そして、このゲーム最大の特徴である学級裁判。
ここで犯人を当てれば犯人だけお仕置きにあい、間違えてしまうと犯人だけ卒業し、他の生徒全員はお仕置きされるという設定がある。
システムの内容は、リアルタイムに流れる発言に気になるのがあればポインタし、矛盾を突いていくという形。
正直、陳腐な矛盾しかないし、ロンパしても逆転裁判ほどカタルシスを得られないが、これは演出として非常に優れている。
リアルタイムに流れていく発言。刻々と迫るタイムリミット。
見映えも面白いし、何よりプレイヤーに緊張感と切迫感を与える。
さらに、気になる発言を探してポインタし、キーワードを打ち込むという一連の操作は、
自分がロンパしたという気持ちにさせてくれる。特に最後の演出は見事だった。
この手のADVは、いかに上手く魅せるかが重要なので、そういう意味でこのシステムは大成功と言える。
しかし、一々リザルトが挟まるのはテンポが阻害されるので良い気分がしない。もう少し上手いやり方がなかったのかなーと思う。
この他にも裁判では色々なことをやらされるが、正直どれも荒削りで練り込みが足りない。マシンガントークバトルはまさにダンガンロンパって感じで良かったけど。
特に絵を差し込んで漫画を完成させるクライマックス推理は、
似たような絵が多いせいでどれを嵌めれば良いのか区別が付かない。見せ方としては面白いが、改善の余地あり。
ちなみに自分はクリアーまで20時間ぐらいかかったが、話の先が気になった為に学園パートはほとんどすっ飛ばし、
会話も早送りしてたので、実際はもっと遊べる。難易度変更や収集要素もありボリュームは申し分ない。
いやはや久しぶりに面白いADVに出会えた。逆転裁判と比べても遜色ない出来。
意外だったのが、これ開発スパイクなのな。
スパイクというと海外のゲームをローカライズしてるイメージしかなかったけど、
いきなりこのレベルのADVを作り上げるとは中々侮れないな。
推理物としては弱いが、ストーリーの魅せ方と演出の盛り上げが非常に上手い。何にも手が付かなくなるくらい没入させられた。
ただ、黒幕の正体のトリックに関してはナシだな。
推理小説だと禁じ手と言われる部類に入ると思う。まぁ、ゲームだから良いか。
是非とも続編を作って欲しいが、多くを語らない最後の幕引きもこのゲームの魅力なので、続編が出るとそこが崩されてしまいそうだよなぁ。落とし所としては、システムだけ流用して全くの新作を作ることか。
結構話題になったゲームでもあるし、いずれ新作を出してくれることを祈る。
ADV好きなら間違いなく買う価値があるゲーム。
そこに招かれた15人の高校生。
しかし、学園は何物かに乗っ取られ絶望の学園と化していた。
入り口はシェルターのような鋼鉄の扉が立ち塞ぎ、窓には板が打ち付けられ閉鎖された状態。
完全に外の世界から隔離され、死ぬまでこの学園で共同生活することを求められた15人の高校生。
ここを卒業する方法はただ一つ。
誰かを殺し、学級裁判を乗り切ること。”
PSPのアドベンチャーゲーム。開発はスパイク。若干ネタバレ含むので注意。
まず、設定がズルい。閉鎖された空間で超高校級の肩書きを持つ高校生達が殺し合い、裁判で犯人を突き止める。
この設定だけで、興味を持たざる得ない。
そして何より登場人物のキャラクター性が濃い。
旧ドラえもんの声で人を殺しまくる学園長モノクマ。とにかく可愛い超高校級アイドル。男の娘の超高校級プログラマー。死亡フラグ立てすぎの超高校級御曹司。熱血過ぎる超高校級風紀委員。ザ・オタクとしか表現しようがない超高校級同人作家。底抜けに明るい超高校級スイマー。二つの人格を持つ超高校級小説家。
中でも最高なのが、ストリートファイターばりにムキムキマッチョな身体で、
ミニスカートをはいている超高校級の格闘家。狙ってると分かっていても吹いてしまう。
全員の個性が強烈な為に、どいつもこいつも胡散臭く、
「こいつは死ぬんだろうなー」とか「こいつは生き残りそう」という予測が全く付かない。誰もが怪しいと思わせる状況を上手く作り出している。
この濃いキャラを持つ高校生達が、要するにバトルロワイヤルみたいなことをするわけだが、
同作ほど雰囲気は殺伐としていない。
疑心暗鬼でギスギスした感じというより、協力して黒幕に立ち向かおうという流れが強いので、
そこまで欝展開なストーリーではないし、学園内の派手な彩りや飛び絵みたいな部屋の作り、ピンク色で表現された血といい、
このゲームは全体的にポップな雰囲気を醸し出していて、設定は残酷ながらもプレイヤーが入り込みやすいように工夫されている。
ゲームの進行は大まかに分けて、学園パート・捜査パート・学級裁判パートの3つ。
学園生活パートでは、気に入った生徒と過ごすことで好感度を上げることが出来る。好感度を上げると、特殊な会話が聞けたり、イベントを見れたり、スキルを手に入れられる。
捜査パートでは、事件が起こった後、手掛かりを見つける為に学園内を奔走することになる。移動は女神転生のような一人称視点。
一応ワープ機能はあるが、かなり限定的な為にあまり使えない。階を超えてワープ出来れば良いのにと思う。
学園内は広い為、移動は面倒だが、何処の部屋に手掛かりがあるのか大体は教えてくれるし、
あるスキルを使えば調べられるポイントを視覚化出来るので、ダルくなりがちな捜査パートも比較的楽で良かった。
そして、このゲーム最大の特徴である学級裁判。
ここで犯人を当てれば犯人だけお仕置きにあい、間違えてしまうと犯人だけ卒業し、他の生徒全員はお仕置きされるという設定がある。
システムの内容は、リアルタイムに流れる発言に気になるのがあればポインタし、矛盾を突いていくという形。
正直、陳腐な矛盾しかないし、ロンパしても逆転裁判ほどカタルシスを得られないが、これは演出として非常に優れている。
リアルタイムに流れていく発言。刻々と迫るタイムリミット。
見映えも面白いし、何よりプレイヤーに緊張感と切迫感を与える。
さらに、気になる発言を探してポインタし、キーワードを打ち込むという一連の操作は、
自分がロンパしたという気持ちにさせてくれる。特に最後の演出は見事だった。
この手のADVは、いかに上手く魅せるかが重要なので、そういう意味でこのシステムは大成功と言える。
しかし、一々リザルトが挟まるのはテンポが阻害されるので良い気分がしない。もう少し上手いやり方がなかったのかなーと思う。
この他にも裁判では色々なことをやらされるが、正直どれも荒削りで練り込みが足りない。マシンガントークバトルはまさにダンガンロンパって感じで良かったけど。
特に絵を差し込んで漫画を完成させるクライマックス推理は、
似たような絵が多いせいでどれを嵌めれば良いのか区別が付かない。見せ方としては面白いが、改善の余地あり。
ちなみに自分はクリアーまで20時間ぐらいかかったが、話の先が気になった為に学園パートはほとんどすっ飛ばし、
会話も早送りしてたので、実際はもっと遊べる。難易度変更や収集要素もありボリュームは申し分ない。
いやはや久しぶりに面白いADVに出会えた。逆転裁判と比べても遜色ない出来。
意外だったのが、これ開発スパイクなのな。
スパイクというと海外のゲームをローカライズしてるイメージしかなかったけど、
いきなりこのレベルのADVを作り上げるとは中々侮れないな。
推理物としては弱いが、ストーリーの魅せ方と演出の盛り上げが非常に上手い。何にも手が付かなくなるくらい没入させられた。
ただ、黒幕の正体のトリックに関してはナシだな。
推理小説だと禁じ手と言われる部類に入ると思う。まぁ、ゲームだから良いか。
是非とも続編を作って欲しいが、多くを語らない最後の幕引きもこのゲームの魅力なので、続編が出るとそこが崩されてしまいそうだよなぁ。落とし所としては、システムだけ流用して全くの新作を作ることか。
結構話題になったゲームでもあるし、いずれ新作を出してくれることを祈る。
ADV好きなら間違いなく買う価値があるゲーム。
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