久しぶりに10やってる




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シーモアさんが死んでるにも関わらずゾンビの如くしつこく粘着してきてキモい。どんだけユウナにぞっこんなんだよ。これが純愛ってやつなのか?
でもこの場合、一人で完結しちゃってるから微妙だな。自己満足な愛の形も良いとは思うが、他人に迷惑かけちゃおしまいだよね。旅の邪魔だからさっさと成仏してください。
シーモアさんの恋愛事情はさておき、死んでも根性見せれば生き続けられるというのはご都合主義にも程がある仕組みだが、シンを倒しても結局復活して破壊が止まらないのに真に物事を解決しようとせずその循環に堕落しきった死の螺旋というのがこのゲームのキーワードだし、死んだはずの者が世界を牛耳ってるというのはその停滞感を的確に表していると言える。
なんか、ストーリーが思い出に残ってた記憶よりも遥かにレベルが高くて驚く。FF10のストーリーってこんなによく出来てたっけ。
神出鬼没に街を襲うシンを倒すというのが話の中心ではあるが、色んなところに普遍性を取り入れてメッセージ性のある葛藤を生んでるし、上で挙げたように数々の設定が物語の展開装置としてだけでなく世界観を掘り下げる比喩として随所で利いてる。
でも、肝心な部分は少年アニメ的な青臭い理想論や理屈を超えた感情論の勢いで突破するから、小難しい話ではなく、分かりやすいエンターテイメントとして熱く楽しめる。
そういうストーリーだから、デフォルメ調の強いFFのキャラも上滑りせず馴染んでる。演出はドラマチックで盛り上がるし、良い言葉も多い。かなり情感のあるストーリーだ。
戦闘システムにしても、それまでのアクティブタイムバトルの軸であった時間の流れを排除してスピード感と緊張感は薄れたが、リスク無しでキャラ交代出来るようにし、
更に敵との相性や役割分担をはっきりさせて一人一人の必要性を明確にしたことで、全てのキャラに戦闘介入の余地があり(ただしキマリを除く)、仲間が団結して戦って旅を進めているという事をプレイアブルレベルで溶け込ませている。
よって、キャラに感情移入しやすくなり、ストーリーをより深く体感できる。マップの作りも綺麗な一本道で探索の余地はあまり無いが、ストーリーの進行と自分の歩みがシンクロしているので、物語との一体感があった。
あらゆる部分がプレイヤーを物語に入り込ませるという意図で構築され、上手く回ってる。しかも核となるストーリーがとてもよく出来てるのだからこれで面白くならないはずがない。
これだけハイレベルなゲームだったら色褪せる訳がないわな。FF10をやるのは5年ぶりくらいで、その間にも色々なゲームをやったが、それでもストーリー型ゲームとしては本作がトップクラスに面白い。
俺はミーハーなゲームオタクなので、昔のスクウェアは良かったけど今はねぇと言われると、昔なんて知らねぇよ!今しか知らねぇけど今でも俺の中ではスクウェアは凄いんだよ!と、苛ついて仕方ないが、それほど当時のスクウェアは突出してたのかもな。
少なくともFF10は、当時の業界最高峰の技術を駆使して大作感がありながら、ゲームとしても文句無しに面白いもんな。
恐らく映像や等身大のキャラクターやボイスといった、PS2のマシンパワーによって可能になった部分を見せたいが為のストーリーゲーなのだろうが、FFらしい一方的な作りが、10に関してはとても良い方向で成就してるなと感じる。
傑作。